思い出をなくした男

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569793597

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ「思い出探偵」の続編にあたる。前作での最後の事件から2年後の「思い出探偵社」の活動が、いくつかの事案と共に描かれる。4章からなるストーリーは、それぞれ独立しているようだけれど、前作同様、それぞれに係わる思い出探偵・スタッフたちのサイド・ストーリーと絡み合って複線的に語られていく。今回は、各スタッフの活躍が中心で、探偵社を主宰する実相浩二郎は主にバックアップ役に回っている。ナナハン・ライダーの一ノ瀬由美は、そのキップのいいキャラクターを見込まれて、地元テレビ局の番組で人生相談コーナーを担当しているという活躍ぶり。些細な手掛かりを元に、研ぎ澄まされた勘とインスピレーション、それに論理的な推理力で思い出の人や出来事を掘り下げていくスタッフたちの手腕は相変わらず。ほのぼのとしていながら、思い出探しの過程で現れる謎解きと、その結果浮かび上がる人生模様の複雑さに物語を感じさせる。

  • 「思い出探偵」の続編。
    すっかり忘れていたけれど、読んでいくうちに思い出せたから問題なし。
    善人ばかりが出てくるっていうのは、ひっかからないわけではないけれど、癒される感じで良いのでは。

  • 「『自分を励ますための一番の方法とは何か』って訊かれたある作家が、こう言ったんだそうだ『それは、だれかを励まそうと努力することである』ってね。つまり、探偵社のみんなは、自分を励まし続けるために、人を励ましているんだ」
    「それで割りが合うんですか」
    「そりゃそうだ。今日も明日も生きて生き抜くんだから。そんな自分を励まさないでどうするんだ」

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著者プロフィール

鏑木 蓮(かぶらき・れん)
1961年京都府生まれ。広告代理店などを経て、92年にコピーライターとして独立する。2004年に短編ミステリー「黒い鶴」で第1回立教・池袋ふくろう文芸賞を、06年に『東京ダモイ』で第52回江戸川乱歩賞を受賞。『時限』『炎罪』と続く「片岡真子」シリーズや『思い出探偵』『ねじれた過去』『沈黙の詩』と続く「京都思い出探偵ファイル」シリーズ、『ながれたりげにながれたり』『山ねこ裁判』と続く「イーハトーブ探偵 賢治の推理手帳」シリーズ、『見えない轍』『見えない階』と続く「診療内科医・本宮慶太郎の事件カルテ」シリーズの他、『白砂』『残心』『疑薬』『水葬』など著書多数。

「2022年 『見習医ワトソンの追究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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