ハーバードでいちばん人気の国・日本 なぜ世界最高の知性はこの国に魅了されるのか (PHP新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569827278

感想・レビュー・書評

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  • ハーバード大学では、毎年春になると研修旅行に参加するのが通例となっており、その中でいちばん人気となっているのが日本なのである。また、授業に活用するケースについても、日本を題材にしたものが多い。
    例えば、オペレーションではテッセイとトヨタ、歴史では米の先物取引市場と三菱グループ、政治経済ではバブル直後の金融政策とアベノミクス、戦略マーケティングではホンダ、グリー、ANA、リーダーシップでは楽天と福島第2原発を救ったチーム増田、など、授業で使われなったケースが淘汰されていく中、常に日本のケースは人気がある。ハーバードでは、日本のケースから戦後復興や世界最古の先物市場などの良い点、バブル崩壊後の金融政策など悪い点を学んでいるのである。
    これら日本を熟知したハーバード大学の教授が挙げる日本の強みは、①世界有数のインフラストラクチャー技術、②イノベーション、③日本人という人的資本、である。
    また、日本の課題は、①グローバル化、②イノベーションの創出、③若者と女性の活用、である。

  • 日本の中にいると、日本の課題や悪い所を新聞や週刊誌或いは書籍等で指摘されて、何と無く自信を失っている。
    でも確かに過去の栄光や遺産でなんとか今の地位を維持しているのも事実。
    最終章で述べられているように、若者がもっと積極的にならないといけない。またその為には年寄りも若者の意見に耳を傾ける必要がある。

    今日のニュースで、安倍総理が消費税増税を再延期を表明した。直前の痛みは回避したけど、ホントにこのままでいいの?すべて次世代に先送りするような政策で。次世代に重りを付けたまま、日本の再復活を託すのは、あまりにも無責任ですよね。
    多数の人が消費税増税再延期を支持してるけど、どうせ増税しなきゃいけないのがわかってないのかな。2年半後にはもっと経済が悪くなっている可能性も高いのに。
    若者よ!もっと真剣に怒れ!

  • 日本人による日本人のための日本の自画自賛的なものはもううんざりだが、外国人がどのように日本を見ているか、実際はどうなのよ?というのがこの本を読んだ動機。
    この本では、ハーバードで取り上げられている日本企業はどの会社か、どのケースをどのようなテーマで取り上げているか、それからそれらを通じて日本をどう見ているかに焦点を当てている。
    日本、日本企業は好意的に取り上げられているものの、過大でも過小でもなく的を射た見方だと思うし、ハーバードでは日本のケースだけを取り上げているわけではないという点でも妥当な評価なんじゃないでしょうかね。
    本のテーマの割には少々あっさりしていて物足りない気はしますが、これ以上知りたければハーバードへ行けってことね。他の国のどの企業がどのようなテーマで取り上げられているかについても知りたいと思いました。

  • 日本の強みについて理解できる

  • 謙遜の精神が、日本特有の考え方であることを再認識した。

    ・・以下納得or意外、勉強になった部分・・

    ・ビルゲイツがジョブズから欲しい技術は、デザインのセンスである。

    ・アメリカはインフラストラクチャーの老朽化が進んでいる。古い時代に建造されているため、老朽化した。また、十分なメンテナンスが施されていない。メンテナンスの予算をとることは、新しい物を作るより大変である。

    ・戦後の若者は、働き盛りの世代が戦争で亡くなりめちゃめちゃ頑張り、復興後の急成長に貢献した。

    ・現在は、日本の若い人間が恵まれた環境すぎて、頑張らなくても、苦労しなくても良くなっている。

    ・謙虚であること、豊田章男

    ・政府の規制に苦労したホンダやソニー

  • 20160504 日本人はもう少し、自信を持つべきだという意見には賛成。ただ、欧米に右へ倣えの企業もあるのはしじ。最後は自分がどうしたいかなのだという事。結局はそこに行き着く。

  • 思ってたよりずっと実際のハーバードの教授陣からのインタビューとか記事とか、実際の授業で使われている内容とかで構成されている。

    米の先物取引とかテッセイのケースとか、知ってはいてもそこまで?って思っていた。
    元もとのポテンシャルが日本はかなり高いんだから頑張れって応援してくれる。
    あとやっぱりリーダーを育成する学校の話なので日本の経営者が謙虚ですごく優れているんだってこととかも。
    自信過剰にならないようにでも卑下することも決してないんだよって本だった。

  • 今日の一冊目は、現在のベストセラーですね。佐藤智恵さんの(私は10年ほど前彼女のMBAに関する本を読みました)「ハーバードでいちばん人気の国・日本」です。私はアメリカ行きた~い。岸田外務大臣にも「亡命させて」ってメールした。でもいつも却下。多分、行ってもガックリするのかな?この書籍を読んでそう思いました。

    ハーバードの経営大学院(MBA)は2年生の時(1学年900人)の時、外国へ行くことを命ぜられるそうだ。行先は、日本、インド、イスラエル、イタリアなど。その中で日本がダントツの人気なんだそうだ。

    その理由を、日本人留学生、向山哲史さんはこう分析する。「ハーバードの学生にとって、日本は「気になってはいるが、なかなか訪れる機会のない国」なのです。授業のケース・メソッドで(事例分析)習って「凄い国」だとは知っているし、アニメや食べ物に興味がある。だからでしょう。(注・筆者一部改)」

    「これまで食べた食べ物の中で一番おいしかった」
    「ウオッシュレットには感動した」
    なかでもハーバードの学生が特に感動するのは「普通の日本人」の思いやりだ。
    「小銭がなくなったら、近くの人が両替してくれた」
    「携帯電話を無くしたけど、無事戻ってきた」
    「土産物店では美しい包装紙でテキパキとラッピングしてくれた」

    帰国後、彼らはすっかり「日本ファン」になる、参加者からの評価は満点に近く、(アフリカのある国は低評価で、翌年希望者がほとんどいなくなったそうだ)学生の間で、最も人気のある国が日本であるという。

    そんな中で、参加者に強烈な印象を残すのが広島である。資料館を見た学生たちは、その場で言葉を失うという。このような事は日本以外では詳しく学習することは無いからだ。

    「アメリカは正当化しているが、これは人道的に許されるものではない」
    「ここまでひどいことをされていながら、なぜ原爆を投下したアメリカに対する批判が日本から一言も出てこないのだ」
    「修学旅行で広島に来て、平和を願う。日本人の子供はなんて素晴らしいんだろう」

    ではケース(必修科目)では日本のどのような企業が学ばれているか紹介しよう。
    トヨタ自動車(テクノロジーとオペレーションマネジメント)
    楽天(リーダーシップと組織行動)
    全日本空輸(マーケティング)
    本田技研工業(経営戦略)
    日本航空(ファイナンス2)
    アベノミクス(ビジネス・政府・国際経済)
    である。

    この中でも楽天社内公用語化のケースは「必修科目で学ぶケースの中で最も人気のある事例の一つ」といわれている。このケースは大ヒットとなり、現在全世界のビジネススクールで使用されているという。

    ところが日本人留学生は不平を言う。「日本はこんなに人気があるのに扱うケースが少なすぎる」というのだ。これに対して教授陣はこう答える「我々の研究テーマは「対アメリカ」」です。そのため、現在中国を熱心に研究している」

    しかしながら、ハーバードの教授陣は日本に熱い視線を送っているという。なぜなら、日本は高齢化社会を世界一のスピードで迎えるからだ。すなわちそれに対して、何らかの技術革新や知恵が必要であり、それを解決するのにイノベーション(革新)を促進するのではないかという点である。

    結論として、日本が高齢化社会であることを逆手に取り、どのように戦略的に経済を成長させていくのか。どんなイノベーションでこの問題を解決するのか、ハーバードの大学だけでなく欧米も注目しているのだ。

    具体的にハーバード大学の教授陣がどのように日本の事をハーバードで教えているかについては、是非本書を読んでほしい。面白かったです~☆5つ!

    頑張ろう!日本人!

  • 日本礼賛が過剰じゃないかと思ったが後で見返すと結構客観的。膨大な取材に基づき、ハーバードで日本がどう教えられているかと教授陣の見解を紹介するというルポ的な構成(※ルポ読んだこと無い)。日本人はもっと変化に挑んでいくべきという主張には同意。思っていたより日本人は卑下する必要が無いことを事実を通して教わった。筆者の分析によると日本でイノベーションやグローバル化が滞る原因は「日本が快適すぎるから」。ただその主張に沿うと、日本は労働分野と高齢化では遺題を抱えており、日本発のイノベーションがこの分野で起きる可能性は高いと思う(他人任せ)。

  • ハーバードのケースメソッドで用いられている、日本の「事例(ケース)」をいくつかピックアップし、日本がいかに学ばれているか、いかに世界から見られているかを明らかにする。

    日本人ですら実はよく知らない、日本(人)の持つパワーや魅力が、個別のケースから見えてくる。

    少々楽観的にすぎる(と思われる)部分なども見られるが、紙幅の都合上やむを得ないか。
    「出る杭は打たれる」の意識など、日本人の悪弊もしっかり指摘されている。

    この本をとっかかりとして、勉強の範囲を広げてみるのも面白いはず。

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著者プロフィール

1998年3月 一橋大学法学部卒業
1999年8月 マールブルク大学(ドイツ)法学部公法・国際法専攻(LL. M)修了
2000年3月 一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻修士課程修了
2003年8月 マールブルク大学法学部公法・国際法専攻博士課程修了(Dr. jur)
外務省勤務,明治大学法学部専任講師・准教授等を経て,
2021年10月 明治大学法学部教授(現在に至る)

「2021年 『EU海洋環境法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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