ハーバードでいちばん人気の国・日本 なぜ世界最高の知性はこの国に魅了されるのか (PHP新書)
- PHP研究所 (2016年1月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569827278
感想・レビュー・書評
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ハーバード大学では、毎年春になると研修旅行に参加するのが通例となっており、その中でいちばん人気となっているのが日本なのである。また、授業に活用するケースについても、日本を題材にしたものが多い。
例えば、オペレーションではテッセイとトヨタ、歴史では米の先物取引市場と三菱グループ、政治経済ではバブル直後の金融政策とアベノミクス、戦略マーケティングではホンダ、グリー、ANA、リーダーシップでは楽天と福島第2原発を救ったチーム増田、など、授業で使われなったケースが淘汰されていく中、常に日本のケースは人気がある。ハーバードでは、日本のケースから戦後復興や世界最古の先物市場などの良い点、バブル崩壊後の金融政策など悪い点を学んでいるのである。
これら日本を熟知したハーバード大学の教授が挙げる日本の強みは、①世界有数のインフラストラクチャー技術、②イノベーション、③日本人という人的資本、である。
また、日本の課題は、①グローバル化、②イノベーションの創出、③若者と女性の活用、である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の中にいると、日本の課題や悪い所を新聞や週刊誌或いは書籍等で指摘されて、何と無く自信を失っている。
でも確かに過去の栄光や遺産でなんとか今の地位を維持しているのも事実。
最終章で述べられているように、若者がもっと積極的にならないといけない。またその為には年寄りも若者の意見に耳を傾ける必要がある。
今日のニュースで、安倍総理が消費税増税を再延期を表明した。直前の痛みは回避したけど、ホントにこのままでいいの?すべて次世代に先送りするような政策で。次世代に重りを付けたまま、日本の再復活を託すのは、あまりにも無責任ですよね。
多数の人が消費税増税再延期を支持してるけど、どうせ増税しなきゃいけないのがわかってないのかな。2年半後にはもっと経済が悪くなっている可能性も高いのに。
若者よ!もっと真剣に怒れ! -
日本人による日本人のための日本の自画自賛的なものはもううんざりだが、外国人がどのように日本を見ているか、実際はどうなのよ?というのがこの本を読んだ動機。
この本では、ハーバードで取り上げられている日本企業はどの会社か、どのケースをどのようなテーマで取り上げているか、それからそれらを通じて日本をどう見ているかに焦点を当てている。
日本、日本企業は好意的に取り上げられているものの、過大でも過小でもなく的を射た見方だと思うし、ハーバードでは日本のケースだけを取り上げているわけではないという点でも妥当な評価なんじゃないでしょうかね。
本のテーマの割には少々あっさりしていて物足りない気はしますが、これ以上知りたければハーバードへ行けってことね。他の国のどの企業がどのようなテーマで取り上げられているかについても知りたいと思いました。 -
日本の強みについて理解できる
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謙遜の精神が、日本特有の考え方であることを再認識した。
・・以下納得or意外、勉強になった部分・・
・ビルゲイツがジョブズから欲しい技術は、デザインのセンスである。
・アメリカはインフラストラクチャーの老朽化が進んでいる。古い時代に建造されているため、老朽化した。また、十分なメンテナンスが施されていない。メンテナンスの予算をとることは、新しい物を作るより大変である。
・戦後の若者は、働き盛りの世代が戦争で亡くなりめちゃめちゃ頑張り、復興後の急成長に貢献した。
・現在は、日本の若い人間が恵まれた環境すぎて、頑張らなくても、苦労しなくても良くなっている。
・謙虚であること、豊田章男
・政府の規制に苦労したホンダやソニー -
20160504 日本人はもう少し、自信を持つべきだという意見には賛成。ただ、欧米に右へ倣えの企業もあるのはしじ。最後は自分がどうしたいかなのだという事。結局はそこに行き着く。
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ハーバードのケースメソッドで用いられている、日本の「事例(ケース)」をいくつかピックアップし、日本がいかに学ばれているか、いかに世界から見られているかを明らかにする。
日本人ですら実はよく知らない、日本(人)の持つパワーや魅力が、個別のケースから見えてくる。
少々楽観的にすぎる(と思われる)部分なども見られるが、紙幅の都合上やむを得ないか。
「出る杭は打たれる」の意識など、日本人の悪弊もしっかり指摘されている。
この本をとっかかりとして、勉強の範囲を広げてみるのも面白いはず。