バイバイ、ブラックバード

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236958

感想・レビュー・書評

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  • 伊坂さんの本はおもしろくてゆっくり味わって読みたいのですがすぐ読んでしまいます。ちょともったいない。
    星野君とだったら六股かけられてもお友達になってもいいかも・・・。
    でもやっぱり繭美さんがとっても頼もしくていじらしくてせつなくてこわいけど好きかも。
    ギアナ高原ノテーブルマウンテンとエンジェルの滝 とか、ドカベンの話とかおもしろいフレーズが多いので、2色のしおりひもはなかなかよいです。

  • 羊文学が主題歌を担当しているドラマ「バイバイ、マイフレンド」の中に登場する作品なので読んでみた。
    謎の設定のストーリー。謎は最後まで明らかにならない。不思議なお話。主人公の星野一彦は,謎の巨大な女,繭美に付き添われ,五股をかけていた5人の恋人に,繭美と結婚するので別れてほしいと告げに行く。繭美は普通に考えて結婚相手には選ばないような風貌で,訳ありな様子である。星野は何かで失敗して返しきれないほどの借金をし,更に誰だかとても怖い人を怒らせたらしく,「あのバス」に乗せられて何処かへ連れて行かれることになっているらしい。それはいわゆるマグロ漁船なんてものよりとても恐ろしいところだと言い,人間として戻ってくることはできないというのだ。

  • 繭美がマツコさんとかぶってしまう。
    [バイバイブラックバードをより楽しむために]を
    読んでみようと思う。

  • 普段は文庫派だが、今回は図書館で単行本を借りたら装丁がとても素敵だった。(たまには単行本で読むのもいいなぁ!)それほど分厚くないのにスピンが2本…どうしてだろう?この後、『「バイバイ・ブラックバード」をより楽しむために』も読む予定。文庫版にはこちらのロング・インタビューも併せて載っているようだ。(文庫もやはりいいなぁ!)
    付き合っている女性(5股)を順番に訪ねて別れ話をする。
    毎話、出会いの回想→別れ話のシーン、というパターンになっていて、こういう、パターンのある形式のお話も好き。
    繭美ははじめは口が悪くて好きでない感じだったが、読んでいくうちにどんどん好きになってしまった。星野のことを「星野ちゃん」と呼んでるのが意外で面白い。初体験のくだりでは星野同様、繭美にもこれまでの人生があるということについて、考えてもいなかったことに気づいて虚をつかれた。
    読む前にドラマ版のキャストをちらっと見てしまったところ、繭美は城田優だそうだ。キャスト見ちゃったからこれは城田優のイメージで読んじゃうなぁ(汗)…と思ったけど意外にそうでもなく、途中からマツコデラックスを想像しながら読んだ。
    星野の名字は本作にも登場する『銀河鉄道999』の星野鉄郎からだろうか?5股は許せないが、憎めない奴だ。
    そして5人の彼女たち。どの出会いもちょっと変わっていて微笑ましい。それぞれが魅力的なので「星野のこれまでの言動に嘘はなかったんだよ」と教えてあげたくなる。嘘をついてまでこの人と別れなきゃいけないのか、と寂しい気持ちになり、でも、星野は5股をかけていたことを思い出し複雑な気持ちになる。彼女たちの名前は星野の星→月の連想だそう。中でも女優の話が印象的だった。女優とサイボーグの涙…思わず涙ぐんでしまった。
    本作を読んで、太宰の「グッド・バイ」を再読したくなった。あと、川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』も思い出したり。迫りくるバスを恐れながら歩く『夜のピクニック』も。
    「不知火刑事」がツボだった!


  • 不思議な小説だった。
    内容も展開も予測不可能で「?」のまま進み、終わる。
    でも、訳がわからないというのではなく、良い話で、伝えたいことは伝わる。うまく言えないけど、優しい気持ちになる。

    主人公が星野一彦で、彼を監視する大柄な女性が繭美で、5人の星野君の彼女たちの名前は和風名月が使われているのでそこに暗喩や何かのヒントや意味や意図があるのかな〜。
    例えば繭は中の動物を包み込んで保護するもの。監視と言いながら星野君を助けて守る役割を示唆してる。星野君より大きいところとか。
    星と月にも何かある気がするけど無知だからパッと結びつかない。

    とにかく、破茶滅茶だけど意味があって、伊坂さんらしい展開で、面白かったです。

  • それぞれ職業や性格や環境の違う5人の女性とお別れしていくお話。
    それぞれにドラマがあり、読み進めていくにつれ、監視役の繭美に対する印象も変わり、最後は主人公はどうなってしまうのかと気になって読み進めた。
    最後は読者の想像に任せる形で終わり、結局最初から気になってたことは明らかにならないまま。

  • 分類としてはシリーズものの短編集、かな。
    こういう白黒つけない終わり方、割と好きだ。ラスト付近、ご都合主義の展開になったらどうしよう、と一瞬懸念があったけど、さすがにそうならずにモヤモヤ終わったので満足。

  • 主人公の男性が付き合っている5人の女性にお別れをしていく短編集。
    なぜか魅力的な人というのは男女共にいてそんな主人公の不思議な魅力を表現している。
    主人公はたぶんいい人なんだろうけど・・・こういうモヤっとしてる天然人物には自分は関わりたくない。
    どうやら太宰治氏の作品を基に制作されたとのこと。

  • 繭美が鮮烈。彼女の存在感で一篇もっている。

    <あのバス>がめちゃくちゃ気になるものの、小説として突出して面白いか……?と言われると「?」であった。
    細かいエピソードはとても面白いのですが。
    不知火刑事とかブランドバッグ店員とかサイボーグ佐野とか。

  • なんじゃこれ、っていうストーリーだけど……よかった、好きです。
    〈あのバス〉で恐ろしい場所に連れて行かれる前に、星野一彦は5人の彼女にさよならを言いに回る。5股もかけているのに、それぞれの別れにはうるっと来る優しさがあって。

    伊坂幸太郎が、ひとつ書くたびに50人に郵送したという5つのストーリー。
    そして書き下ろしの最後の1編で、巨漢の繭美が感動をくれました。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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