結婚相手は抽選で (双葉文庫 か 36-5)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516845

感想・レビュー・書評

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  • 2022.4.30読了
    著者の作品を読むのは二冊目。
    最初に読んだ「あなたのゼイ肉落とします」も良かったが、本作も面白かった。
    登場人物のそれぞれの個性がわかりやすく描かれているので、頭の中に映像化しやすい。彼らがサクサク話を進めていってくれるので、あっという間に読み終わってしまった。

    少子化対策のために施行された「抽選見合い結婚法」によって翻弄される人々。
    なぜなら、政府によって無作為に選ばれた相手との見合いを三回断ると、テロ撲滅隊送りになるのだから…。
    かなり無茶苦茶な設定だが、こんな事を考えついて更に小説にしようというのだから著者はすごい。
    作中には三人の主人公が描かれるのだが、自分はモテないオタク青年の宮坂くんがなんともいじらしく、彼のパートを読むのに力が入ってしまった。
    彼が見合い相手に断られる度に切ない気持ちになったり。美人の見合い相手とデートして散々にこき下ろされても、美人とデートできたことをよしとしようと前向きに考える姿になんていい奴なんだと思わずにいられない。

    しかし実際にこんな過激な法案ができてしまったら不仲な夫婦が溢れそうだよなぁ…

  • 抽選見合い結婚法が制定された。
    対象は25歳から35歳までの男女で、前科や離婚歴がなく、子供のいない独身者。
    相手が気にいらなければ、二人までは断ることができる。しかし、3人目も断った場合は、テロ対策活動後方支援隊に2年間従事しなければならない。

    なんという法律~!!
    この法律が施行される前に、駆け込みで結婚を熱望する人。
    この法律のおかげで結婚できるのでは?と希望を持つ人。
    テロ対策活動後方支援隊には絶対行きたくない!と焦る人。

    単純に笑えて、さらさら~っと読めました。

    • 杜のうさこさん
      azumyさん、またまたこんばんは~^^

      >なんという法律~!!
      あはは、そうだよね~
      垣谷さんって、妙な法案思いつく天才だよね♪...
      azumyさん、またまたこんばんは~^^

      >なんという法律~!!
      あはは、そうだよね~
      垣谷さんって、妙な法案思いつく天才だよね♪
      私も読んだ時、
      でも、もしかしてありえちゃうかも…とか、
      そしたら私どうなっちゃうんだろう…とか、
      可笑しいやら、不安やらで(笑)
      2016/06/06
    • azu-azumyさん
      うさこさん、こんにちは~♪

      ほんと、妙な法案も思いつくものだわ~(笑)
      そう、そう!
      私も自分の事に置き換えちゃったよ~
      テロ...
      うさこさん、こんにちは~♪

      ほんと、妙な法案も思いつくものだわ~(笑)
      そう、そう!
      私も自分の事に置き換えちゃったよ~
      テロ撲滅隊はきついなぁ…、とかね(笑)

      垣谷さんの本、面白いね~!
      でも、バンコクの古本屋さんではほとんど見かけなかったのよねぇ…
      図書館でがんがん借りちゃおうと思ってます^^
      2016/06/07
  • 少子化に歯止めをかけるため、国家が男女のマッチングを推進していくことが物語の主軸である。
    結婚以外にも、親子愛のあり方も描かれている。

    感想
    愛とは依存し、相手にこうしてほしいと願うことではなく、大事な人が自分らしく、楽しく、笑顔で日常を過ごすために、自分が何をできるかを考えて行動に起こすことなのかなと。

    自分が大事にしたい人と、その人の大事な人たちに愛を伝え、行動する。
    この指針がより自分の中で明確化された。

    ブレずに、明確に、有り余るほどの愛を捧げて、行動していきたい、そしてそれはこの世で最も尊いことである。そう思わせてくれました。

    見てるかな?

  • 読みやすくて、設定も面白かったです。
    登場人物が癖のある人ばかりであまり好きになれなかったかなあ…。

  • 少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。相手が気に入らない場合は断ることができるが、三回パスしたらテロ撲滅隊送りになる。だが、この強制的な見合いに、モテないオタク青年は万々歳、田舎で母親と地味に暮らす看護師は、チャンスとばかりに単身東京へ。慌てて恋人に結婚を迫るも、あっさりかわされてしまう女性もいて…。それぞれのお見合い事情をコミカルかつ、ハートウォーミングに描いた長編小説。

  • 少子化を打開するために、25〜35歳の独身男女は国が定めた相手と強制的にお見合いをする!
    3回までは断っても良いけど、それ以上断ったらテロ対策部隊に二年間強制加入してもらう!
    …と、ありえない法律が施行されてしまった。

    美人でファッションや旅行にしか興味のない主婦希望の女性。
    その女性の元彼であり、お金持ちで有名人夫婦の両親をもつ美形の男性。
    オタクで彼女いない歴=年齢のアキバ系SE男性。
    母の干渉が激しく母から離れたいと思ってる看護師の女性。
    この四人を軸に話が進む。
    垣谷さんの書く話はおもしろいな。この本は結構前の作品だけど、テーマ設定も社会性があっておもしろい。内容的にはありえないけど…でも、現実でもマイナカードを普及させるために現行保険証を廃止する法律が成立したくらいだから、ありえないとも言い切れないのかも??
    登場人物四人のわりにページ数は多くないので(300ないくらい)話はサラッとしてるけど、この四人のキャラクターや切実な気持ちがすごくよく伝わるんだよねぇ。
    美人には美人の悩みがあるのねぇ、と、しみじみ。
    わたしは今40なので、もしこの法律が実際に成立しても、わたしの人生には無風だし、こんなひどい法律は実際には成立しないと思うけど、島暮らしは結構良いかも…なんて思ってしまった。

  • とんでもない法案が可決された。抽選で選ばれた相手と見合いを強制的にさせられ、三回断ったらテロ対策部隊に強制入隊という少子化対策に沿った法案。もしこんなことがリアルに起こったら大変なことになるだろう。主人公はこの法案を人生の転機と前向きに捉えるモテない3人組のオタク男性、イケメン男子に振られたラジオ局のマザコン美女、独り身の母に束縛されている地味な看護師の女性、頑張る女性しか恋心を抱けない、イケメン男子。一癖二癖ある主人公たちがそれぞれの視点で見合い法案に立ち向かう。なんというか、そんな無茶な、という設定に対してものすごく癖のある登場人物をもってくるのが凄い。むしろ、この無茶設定だからこそと読みながら思ってしまった。この法案がなかったら絶対に出会うことがなかったであろう道筋に、人生は多少の縁どころかシナリオが全て変わってしまう、自分で選んだのならさておき政府が準備した法案でというある意味【怖さ】を感じた。もちろん、そこは物語なのでこの後の展開は、明るいものだったのか想像することもできそうだが。現状、人生やジェンダーの多様性を全面に掲げている世の中なので、この法案のことは理解されることはないだろう。そこは時代錯誤なのだ。でも手垢に塗れた方法でしか少子化問題が切り崩せないと思っているこの架空の政府。多様性を認めよう、と声高に言えばいうほど逆方向に行ってしまうのが少子化問題。多様性をと選択してしまったが最後、日本は少なくとも子を増やすことは難しいのかもしれない。

  • 国の少子化対策の「抽選見合い結婚法」
    相手が気に入らない場合は断ることができるが、三回パスしたらテロ撲滅隊送りになる…というお話の設定自体は面白いし、読みやすいのですが…
    他の垣谷美雨先生の作品は大好きなのですが…


    嵐望が本当に気持ち悪くて、無理でした。
    認知していない子供がいて、その事を後悔しているのに何故性懲りも無く避妊しない…!?
    隠し子がいるのに、結婚前の女性に避妊せず性行為するとかもう最低すぎる。


    嵐望が元カノと別れた理由は、「母親にベッタリだったから」などと言っていましたが、人のこと言う前に避妊をしろ…と思いました。

    好美も何故妊娠したことを言わずに子育てしていたのか、よく分かりません。
    嵐望からのメールを楽しみにしている感情も理解できませんでした。

    嵐望に対しては「避妊しないクソ野郎」という印象しか無いのですが、作中で全然そんな記述がないんですよね…
    「裕福で、カッコよくて、モテるデキる男」みたいに書かれてましたが、本当に気持ち悪い。

    嵐望がいなかったら星5でした…。
    避妊しない男はダメ絶対。

    • ぽんぽこ♀さん
      さてさてさんはじめまして(*^^*)コメントありがとうございます。

      避妊しなかった場合のリスクは、女性の方が大きいのでかなり感情的な評価に...
      さてさてさんはじめまして(*^^*)コメントありがとうございます。

      避妊しなかった場合のリスクは、女性の方が大きいのでかなり感情的な評価になってしまいました。笑
      2021/08/31
    • さてさてさん
      ぽんぽこ♀さん、ありがとうございました。
      おっしゃる通りだと思います。垣谷さん、どうしてその視点を少しでも入れなかったのか。この強烈な設定の...
      ぽんぽこ♀さん、ありがとうございました。
      おっしゃる通りだと思います。垣谷さん、どうしてその視点を少しでも入れなかったのか。この強烈な設定の視点を薄めたくなかったんですかね?
      同じ作品を読んでも、見る所、感じる所が色々ある、それをこんな風に知ることができるブクログの場はとてもいいなと思いました。
      今後ともよろしくお願いします!
      2021/08/31
    • ぽんぽこ♀さん
      さてさてさん
      こちらこそ、ありがとうございます。

      せめて嵐望が「毎回、避妊しないクズ」と自覚しているクズキャラであったり、何かしらの描写が...
      さてさてさん
      こちらこそ、ありがとうございます。

      せめて嵐望が「毎回、避妊しないクズ」と自覚しているクズキャラであったり、何かしらの描写があればここまで嫌悪感を抱かなかったかもしれません…
      「あからさまに遊び人」タイプよりタチが悪いと感じました。

      好美母の毒親っぷりもなかなかしんどかったです…。
      とにかく好美かわいそう。

      そうですね。私もいろんな方の感想を見るのが楽しいです!
      こちらこそ、さてさてさんの感想を今後も楽しみにしています。
      2021/09/01
  • 少子化対策のための抽選見合い結婚法ってメチャクチャな設定だなw まあ、自分もその手のにお世話になって結婚したクチだから、中の事情はなんとなく分かる気がして人ごとではなかった。今の日本も未婚率かなり上がっているだろうけど、さすがにこの法律はないかな。児童手当ってのもあるけど、もっと子育て世帯に盛大にお金を配るのが必要なのではと思うこの頃。

  • 斬新すぎるよ柿谷美雨さん!初読み。政府が国会で通過させた「抽選見合い結婚法」。独身25 - 39歳の男女、申込んだ本人から±5歳前後の人物を抽選、2度断れるが3度断った場合は「テロ対策活動後方支援隊」に2年間従事する義務を負うという突拍子もない法律。モテない根暗な男、母子共依存の娘、イケメン好きな浪費癖女などとてもキャラ設定がユニーク。其々が自己洞察を行い、どのように見合いに臨み、どういう結果だったのかが面白い、つまり人生色々。2065年予想の日本人口8800万人、私の娘の時代を憂いながら読了。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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