結婚相手は抽選で (双葉文庫 か 36-5)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575516845

感想・レビュー・書評

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  • 「七十歳死亡法案、可決」では高齢化社会への警鐘を、本作では少子化社会へということのようだけど、こちらはイマイチ。両方共、無茶な法案でありながらも、納得させられたり、答えが出せずに悩んでしまうことも多かったんだけど、こちらは少子化とはいいつつ、焦点がぼやけてた感は否めない。少子化の問題ってここだけじゃないしね。惜しい。

  • 垣谷美雨の著作の中では、初期の方の作品。と言って良いのかな。

    「老後の資金がありません」「夫の墓には入りません」等の最近の作品から垣谷美雨を知った自分としては、本作は少し物足りなかったかもしれない。
    もちろん、面白かったのだけど、少しコンパクトすぎたかもしれない。

    垣谷美雨作品にしては登場人物の癖が強くない。面倒な親戚や不愉快な隣人はいったいどこに…?
    本作では主要な登場人物は若者に限られる。「抽選見合い結婚法」が25~35歳をターゲットにしているから当然と言えば当然なのだけど。
    そして若者たちはなんやかんやありつつも、他者との関わりを通して自分の新しい幸福に出会っていくという。

    抽選見合い結婚法なんていうトンデモナイ設定とか、やっぱり最後は爽やかに終わっていくところは垣谷美雨らしさが光る。
    そして何より母親との距離感のとり方が下手な娘とか、やっぱりリアル。この作家の真髄とも言える家族の嫌な部分がしっかりと描かれているのも特筆しておきたい。
    あと、抽選見合い結婚に失敗した人が「テロ対策活動後方支援隊に2年間従事」というのもジョークとして笑える。

    さくっと読めてしまうので、垣谷美雨を誰かにオススメする際の導入としては良いかもしれない。

  • 結婚相手を抽選で、とはSF的で面白い題名と、読み始める。
    晩婚化・非婚化が進み、深刻な少子高齢社会の現代日本、こんなことが思わずあり得るかもと。
    モテないオタク男や、思惑を秘めた女性など、何人かの男女が登場し、様々な展開が繰り広げられるが、果たして思惑通りに事が運ぶか、それは読んでのお楽しみ。

  • 面白かった。
    垣谷美雨さんの本は、今のところいつも笑いあり、それからほっこりさせてくれるので大好きだ。

    少子化対策のために強制的にお見合いをさせる、(世の中に一般的な普通の感覚の人が多いならば)なかなか面白いんじゃないかと思わせる設定。
    娘本人目線、自分が男だったらの目線、母親目線、結構置き換えて楽しめました!

    きちんとまとまって“おしまい”でしたが、
    続きが気になってしまいました。
    このあと、皆さんどうなったんでしょう…

  • 少子化対策としての抽選見合いという現実で起こったらとんでもない法案の話だが、登場人物の心情はなんだか親近感が持てて一気に読めた。特に好美と嵐望の話は序盤から気になっていたがまさかの展開で面白かった。
    この法案をきっかけに登場人物が自分と向き合い成長するところも描かれていてよかった。
    好美も奈々も母親が子どもを生きがいにしていたが、そこから2人が自立して新たな親子関係を築こうとしているところが印象的だった。

  • おもしろかった
    私が該当者だったら…つきあっている人がいたら結婚に向けて進んでいくだろう。
    いなかったら…自分と向き合いながらなんとかテロ
    撲滅隊に入らない方向で進ませるようにするだろう。自分が何を望んでいるのか真剣に向き合い知らなかった事に気づけているだろうな。

  • ⭐︎3.5

    少子化対策に歯止めをかけるめべく、25-35歳の独身の男女が抽選見合い結婚法を適用されるという面白い設定だったので、以前から気になっていた作品でした。

    私も婚活していた時に、良い人がいなくて、「誰でも良いや」って思った時もあるんですが、実際誰でもよくないんですよね。

    3回見合いを断ればテロ部隊行きという設定でも、現実とそこは変わらなくて、結婚相手は妥協できない登場人物たちに、共感の嵐でした。

    この作品に限らないですが、中盤まではハッピーエンドか?と思いきや、予想外のことが起きたり、垣谷さんの作品は期待を裏切らず最後まで楽しくよめるので大好きです。

  • やっぱり垣谷美雨さんにハズレはないなと思ってしまった。
    期待せずに読んでみたものの、思いのほか心を揺さぶられ涙がうっすらとにじんでしまった。本を読んでほっこりするのは自分が幸せだからだろう・・・とそのことに感謝してしまった。
    垣谷美雨さんの小説には私の知り合いに似た人ばかり登場するので、リアリティがあるしどっぷりとその世界に入り込める。なるべく楽しみを引き延ばす為に少しずつ読もうと思うがダメだ、一気読みしてしまった。

  • 人の縁って不思議だ。それぞれの出会いがあって紆余曲折があって心温まる素敵なストーリーだった!設定も面白いし、母との関係性の変化や親離れ子離れについての描写は現実的でそれも良かった。
    運命的な出会いじゃなくていつの間にか一緒にいたね、みたいなそんな恋が私もしたい。

  • こんな法律になったら困るけど、リアルだなぁと感じた。登場人物にはそこまで惹かれなかった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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