- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591162903
感想・レビュー・書評
-
最初に出てきたバイトをメインにしたらネタがいっぱいありそうなのに、コンビニバイトで普通に暮らす人の話だった。小野寺さんの小説って名前の漢字を説明する場面が多くて面白い。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
弟の本。
何気ない日常を読んで眺めていくような、ゆったりとした話。
大きな起承転結はないけど、ゆるやかに変化していく。
一人暮らしをしていて、少し周りに目を向けて、少し出てみたらこんな感じになるのかも。
こんな感じになれたらいいな。
ゆったりしつつも前向きになれる話。 -
「ひと」「まち」につづくあの筧ハイツの井川さんのお話し。でも今回は田野倉も瞬一も出てこない。
すごいドラマチックな事があるわけでもない、日常のお話しなのに、愉しくスラスラ読めちゃう。
そして読み終わりは、ちょっと前を向ける感じ。
この(ちょっと)の塩梅がとにかく、押し付けがましくなく今の自分にいい感じ。
小野寺史宣さん、好きです!!
-
横道世之介みたいな雰囲気の、フリーターの日常が淡々と続いていくお話。
テーマは、「社会における自分の役割を探すこと」とか「仕事とは」みたいなものなんだろうけど、かなり希釈されていて押しつけがましくなく、他人の何気ない日常を覗き見ているような感覚で読める。
こういう牧歌的な小説を読むのは非常に久しぶりで、でもこういうのを読むと、やっぱり何より大切なのは我々小市民の当たり前みたいな日常だよな、と改めて感じる。
「丁寧な暮らし」とかではなくて、部屋が散らかってても、洗濯物が溜まってても、机の上がゴチャゴチャしてても、毎日を大切に生きていられたらいい。というかこの本を読んで、私はきっと、「丁寧な暮らし」をしたら毎日を大切にできなくなるんだろうなーと思った。
そういう意味で、ある程度とっ散らかった我が家はとても快適。
新しい作家だけど、他のも読んでみたくなった。 -
日常を描いた小説で、特別な事件は何も起こらない。
それでも、読ませるのだから、すごい。
サラッと読めるけど、小さな出来事や会話に
けっこう深い意味が染み込んでいて、
あっさり風味だけど、出汁にこだわったオデン
みたいな小説だった。
-
小野寺史宜さんらしいストーリーだった。
同じアパートに住む人たちどの交流が楽しい。
特に真上に住む戸田親子が好き。風斗くん、可愛いなぁ。
初めは目標もなく、バイト生活に明け暮れていた幹太が変わっていく姿に元気を貰いました。 -
人の感情、心情がとても細やかなので、
深く入りやすい。
でも、読みやすいのでペラペラ進む!
初心者の方にもオススメ。
読み終わる頃には、少し明るい気持ちになってる! -
「ひと」「それ自体が奇跡」に続いて小野寺史宜さん3冊目。
この方の作品で、今のところ一番引き込まれたかも。
虚無感たっぷりの幹太の、少し重く暗い気持ちでスタート…が、ひょんなことから人との関わりが増え、明るい兆しが見えてきたところにこういう展開かぁ、と、予想外の動きに驚いた。
それにしてもこの方独特の、え、そこで終わる?!がここでも。
幹太、どうなるの?ここまで引き込まれてたら気になるに決まってるのに、そうなる!?って思ってしまった。
でもこれは先2冊に比べて話に抑揚がはっきりしていて純粋に面白かった。 -
著者得意の、うだつの上がらない青年が近所と人と仲良くなって、緩やかな日常を過ごしつつ、最後には自分の夢を見つめる話。