- Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750514505
感想・レビュー・書評
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「意識」についての脳の研究
ごく当たり前のごとく扱われているが、
非常に不思議なものである「意識」を、
脳を調べることによって解明していこうという試み。
その定義や、科学的な研究方法の確立、検証、考察と、脳科学だけに収まらない内容。
もちろんはっきりしたことは少ないのだが、
こういった第一歩のような挑戦をきっかけに
将来的に解明されていくのかと思うと、
今読めて良かったと感じる。
それと、
教養を要するような内容で、しかも翻訳本であるのに非常に読みやすい。
一般人向けに書かれたためか、イタリア人の文章がまわりくどくないのか、翻訳者が凄いのか。
とてもすっきりしていてわかりやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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第24回アワヒニビブリオバトル「color」で発表された本です。
2017.04.04 -
物質としての脳からどのようにして主観的な意識体験(クオリア)が生じるのかを説明する「統合情報理論(φ理論)」の解説
●未解決問題
人間の意識には
・「脳内で情報がどのように処理されているか」という物理的過程を扱う「意識のイージープロブレム」と
・「物質および電気的・化学的反応の集合体である脳から、どのようにして主観的な意識体験が生まれるのか」
という二つの問題がある
後者はほぼ解明されていない
●「意識の情報統合理論」
トノーニの研究チーム 脳波計
・「わたし」という主観的な意識は、その意識が体験する身体の所有者にのみ存在するという考え方からスタートし、主観的に体験する情報が統合されて初めて意識が生じることになる。
・トノーニは、ある物理系が意識を持つためには、ネットワーク内部で多様な情報が統合されている必要があるとする
●情報統合理論
基本的な命題は、
ある身体システムは、情報を統合する能力があれば、意識がある、というもの。p111
●公理から導き出されるもの
意識を生み出す基盤は、おびただしい数の異なる状態を区別できる、統合された存在である。つまり、ある身体システムが状態を統合できるなら、そのシステムには意識がある
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初心者には難しかったが、大変読み応えのある本だった。情報統合理論をちゃんと説明出来ないが、「脳って凄い」という事は分かった。その点で言えば著者の企みは成功しているのではないか(本当はダメだけれど)。「意識の単位φ」や地球上に存在するあらゆるものに意識はあるのかという問いも興味深い。図や写真が豊富で見てて楽しかった。
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φという値で「意識があるかどうか」の判定ができる、というのが肝だと思う。φの求め方概要も、なるほどそれなら意識と関連ありそうだね、お納得はできる。
しかしそれが人類の脳以外に適用可能なのか、そもそもなんでφが意識の指標になるのか、などは解決せず。
コンピュータはじゅうぶんφが高そうな気がする。のだが、意図的にφがたかい人工物をつくるのは難しいのだろうか。
そのあたりまで踏み込んだものが読みたい。 -
#科学道100冊/脳とココロ
金沢大学附属図書館所在情報
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https://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB18765268?caller=xc-search -
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