あい

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.84
  • (74)
  • (130)
  • (85)
  • (13)
  • (4)
本棚登録 : 683
感想 : 119
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758412087

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 作者の一本筋の通ったところを感じられる作品。欲のない姿、やるべきことに一途に邁進する姿に憧れます。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「一本筋の通ったところを」
      損するタイプですよね、でも人前に出ると、恥ずかしがりの裏返しのような感じです(って、2度ほどお話を聴きに行った...
      「一本筋の通ったところを」
      損するタイプですよね、でも人前に出ると、恥ずかしがりの裏返しのような感じです(って、2度ほどお話を聴きに行っただけですが)。
      2014/04/23
  • 9月7日~11日

    齢73歳にして、北海道開拓を志した医師・関寛斎。藩医師、戊辰戦争における野戦病院での功績など、これまでの地位や名誉を捨ててまでも彼は、北の大地を目指した。そんな夫を傍らで支え続けた妻・あい。幕末から明治へと激動の時代を生き、波乱の生涯を送ったふたりの育んだ愛のかたちとは―。妻・あいの視点から描く、歴史上に実在した知られざる傑物の姿とは―。愛することの意味を問う感動の物語。

  • ただひたむきに、実直に生きる。
    だから強い。そして、健気だ。
    実在の人物である関寛斎を支えた妻、あい。
    その一生に、頭の下がる思いがした。

  • 幕末から明治にかけ実在した蘭方医・関寛斎とその妻・あい。診療に貴賤なしとして【赤ひげ先生】的に真摯に取り組む寛斎を陰ながら支えつつここぞと言う時には指南役も務めるほどの洞察力と強さを持つ“あい”。稲村の火で名を成した濱口梧陵との出会いを始め“あい”の縁の下の力は大きい。史実に基づいて描かれたこの2人の物語はまさに夫唱婦随。「人が生きる上で本当に取り返しがつかないことは、実のところ そう多くはないのかもしれない」どんな困難に逢おうと常に前向きな“あい”に励まされた。2人の人生と山桃の木を絡めたところが絶妙。

  • 序文を受けたラストシーンの描写がお見事。あいに先立たれたあとの関寛斎は書かれていないけど気の毒である。

  • 幕末の蘭方医、関寛斎を支えた妻。あいの物語。高田郁の書く女性は、いつも真摯。徳川家斉がよかったなぁ。

  • 関寛斎とあい夫婦。頑迷で真っ直ぐに進んでいく夫に、寄り添い支えたあいの一生が描かれている。ただ支えるだけではなく、時には叱責し、難事も前向きに捕らえるあいの姿が印象的でした。あいと寛斎の夫婦愛が溢れる一作だと思います。

    各章のタイトルも素敵。
    中盤から最後にかけて、流れが駆け足過ぎたのか、時代事実が盛りだくさんすぎて、もうちょっと二人の心情を描いてもらいたかった。そこが残念。

  • 内助の功……このひとことに尽きる。
    本人は女の領分をまっとうしただけなんだろうけど、彼女がいなければ、関寛斎は歴史に名を残すまでに至らなかったんじゃないかと思う。
    夫を支え、家族の円滑油の役割をした女の生涯は決して華々しくはないけど価値のある生き方だな、と思った。

  • 幕末、苦学して医学を学び、町医者や藩医として活躍したのち、老身を押して北海道の開拓に身を尽くした関寛斎の生涯を、妻あいの視点で描く。

    かつて、こんな偉大な人物がいたのですね。
    全く存知上げなかったデス。

    人物伝としてはとても興味深く、とても分かりやすく知ることができました。

    が、高田センセの作品としては、いつもの良さがちょっと損なわれているような気がして、過剰に期待をしていただけに少しばかり不満が残りました。
    やっぱ、歴史小説として史実の枠にどうしてもとらわれてしまうせいか、時系列に淡々と進行していき、いつもの時代小説の味わいみたいなモノが、どうも物足りない気がしました。

  • 幕末から明治にかけて、千葉東金の貧農の出ながら長崎で蘭医学を学びその後銚子で町医者を開業、徳島藩の医者として赴任、戊辰戦争では官軍の医長として随行、敵味方なく救護に当たって信望を得て出世の道が開けるも、質実で律儀な性格から富を築く事を良しとせず、最後は72歳にして私財を投げ打って北海道陸別の開拓へ赴いた関寛斎。そんな寛斎に関する小説は司馬遼太郎や城山三郎など多数ある中で、作者高田郁さんは、その妻あいにスポットを当てた物語を創作されたと後書きに書かれていた。
    高潔な生き方しか出来ない夫を深く理解して支え続けた妻と、そんな妻を信頼し慈しむ夫との関係が麗しく感動的。
    タイトルの「永遠に在り」の意味は、ラスト近く、もう長くない事を自覚するあいが、寛斎に遺言で自分の死後、骨や灰を寛斎の開拓する陸別の大地に埋める様託す場面で告げる「あなたが切り倒した木株の痕にも、あなたの鍬が入るその土の中にも、私は居ます。魂は常にあなたとともにあって、あなたの永遠の本分の中で、私は生き続けます」から来るのだと分かる場面は、もう涙。

全119件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高田郁の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×