- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758412087
感想・レビュー・書評
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作者の一本筋の通ったところを感じられる作品。欲のない姿、やるべきことに一途に邁進する姿に憧れます。
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9月7日~11日
齢73歳にして、北海道開拓を志した医師・関寛斎。藩医師、戊辰戦争における野戦病院での功績など、これまでの地位や名誉を捨ててまでも彼は、北の大地を目指した。そんな夫を傍らで支え続けた妻・あい。幕末から明治へと激動の時代を生き、波乱の生涯を送ったふたりの育んだ愛のかたちとは―。妻・あいの視点から描く、歴史上に実在した知られざる傑物の姿とは―。愛することの意味を問う感動の物語。 -
幕末から明治にかけ実在した蘭方医・関寛斎とその妻・あい。診療に貴賤なしとして【赤ひげ先生】的に真摯に取り組む寛斎を陰ながら支えつつここぞと言う時には指南役も務めるほどの洞察力と強さを持つ“あい”。稲村の火で名を成した濱口梧陵との出会いを始め“あい”の縁の下の力は大きい。史実に基づいて描かれたこの2人の物語はまさに夫唱婦随。「人が生きる上で本当に取り返しがつかないことは、実のところ そう多くはないのかもしれない」どんな困難に逢おうと常に前向きな“あい”に励まされた。2人の人生と山桃の木を絡めたところが絶妙。
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序文を受けたラストシーンの描写がお見事。あいに先立たれたあとの関寛斎は書かれていないけど気の毒である。
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幕末の蘭方医、関寛斎を支えた妻。あいの物語。高田郁の書く女性は、いつも真摯。徳川家斉がよかったなぁ。
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関寛斎とあい夫婦。頑迷で真っ直ぐに進んでいく夫に、寄り添い支えたあいの一生が描かれている。ただ支えるだけではなく、時には叱責し、難事も前向きに捕らえるあいの姿が印象的でした。あいと寛斎の夫婦愛が溢れる一作だと思います。
各章のタイトルも素敵。
中盤から最後にかけて、流れが駆け足過ぎたのか、時代事実が盛りだくさんすぎて、もうちょっと二人の心情を描いてもらいたかった。そこが残念。 -
内助の功……このひとことに尽きる。
本人は女の領分をまっとうしただけなんだろうけど、彼女がいなければ、関寛斎は歴史に名を残すまでに至らなかったんじゃないかと思う。
夫を支え、家族の円滑油の役割をした女の生涯は決して華々しくはないけど価値のある生き方だな、と思った。 -
幕末、苦学して医学を学び、町医者や藩医として活躍したのち、老身を押して北海道の開拓に身を尽くした関寛斎の生涯を、妻あいの視点で描く。
かつて、こんな偉大な人物がいたのですね。
全く存知上げなかったデス。
人物伝としてはとても興味深く、とても分かりやすく知ることができました。
が、高田センセの作品としては、いつもの良さがちょっと損なわれているような気がして、過剰に期待をしていただけに少しばかり不満が残りました。
やっぱ、歴史小説として史実の枠にどうしてもとらわれてしまうせいか、時系列に淡々と進行していき、いつもの時代小説の味わいみたいなモノが、どうも物足りない気がしました。
損するタイプですよね、でも人前に出ると、恥ずかしがりの裏返しのような感じです(って、2度ほどお話を聴きに行った...
損するタイプですよね、でも人前に出ると、恥ずかしがりの裏返しのような感じです(って、2度ほどお話を聴きに行っただけですが)。