- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758435444
感想・レビュー・書評
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表題作の檸檬も好きだけど、
「冬の日」が特に好きだと思った。
じわりじわりと病に飲み込まれていく主人公の様が、冬の日の切なさと相まってたまらない気持ちになる。
声に出して読み上げたくなるほど、日本語が研ぎ澄まされていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
青春文学
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始めはすこし読みにくい文章だな、と読了せず手放しそうになったけれど、風景や描写の美しさに惹かれて全て読み終えられました。
表題作品よりも、Kの昇天が印象的でした。影に魅せられたK君の心理と同調して、K君の見た景色を紐解いてみたい気もするけれど、それは危ういことで、しかし得体の知れないものに惹かれてしまうのは人間の性なのかもしれないとも思ったり。 -
2012/09/17
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レモン×マルゼン
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収録作品は以下のとおりです。
「檸檬」「城のある町にて」「Kの昇天」「冬の日」「桜の樹の下には」
著者が若くして病で亡くなったこともあってか、
作中の主人公(?)は皆病を得て生きる気力を失いかけています。
全作品を通して暗めのテーマですが、
見たもの聞いたものを描写しながら心の中の鬱屈を表現していて、
割り合い穏やかな文体です。
人は誰しも生活する中で精神的に好不調の波があると思いますが、
自分自身が好調だと、さらっと読み流してしまいそうなので、
敢えてブルーな気分の時に引っ掛かりながら読むことをお奨めします。
それぞれの作品は短いです。
でもあまり使われなくなった言い回しを読み直したり、
分からない単語を巻末の語註で確認したり、
時間をかけてゆっくり読みました。
その所為か映像が浮かびました。
文字を追っているというよりは目の前の映像を読んでいる感じです。
昔の映画のように画面全体がセピア色で、
その中にときどきハッとする様な鮮やかな色彩が飛び込んできます。
手当たり次第に積み上げられた画集とその上に置かれた檸檬とか、
道端に吐き捨てた痰(たん)の赤い色とか。 -
時間を置いて再度挑戦してみる
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胸を病み憂鬱な心をかかえて街を浮浪していた私はふと果物屋で檸檬を買う。その冷たさと香りは、突然私を幸福感で満たし…。
前半の陰鬱さと後半のさわやかさの対比がすばらしいです。
余談ですが作者が丸善に置いた檸檬がオークションで億単位の値がついたって本当かしら? -
読んでて結構難しかった。しばらくしたらまた読み返そう。個人的にはKの昇天、が印象的だった。発想がなんかすごい。