檸檬 (280円文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所
3.66
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本棚登録 : 971
感想 : 90
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784758435444

感想・レビュー・書評

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  • 純文学を読もうと手に取った一冊。昨今の小説を読みなれている身としては何かすんなりと入ってこない。
    言葉の使い方、筋の進め方、これでいいのかと疑問に思う。
    谷崎とか、三島とかは確かに天才だが、それ以外の作家は、今の方が優れているのかなとも感じている。
    口語文学の歴史の差かな。

  • 日本語での表現力と妄想力。私がもってないものでできている小説。残念なのは漢字にふりかなが無用に多く、想像がそがれる気がする←実際は関係ないだろけど。

  • 短編集なのに読むのにかなり時間がかかりました。読書力が低下してるんですかね。

  • よくわからなかった。評価の高さが。
    肺の病気のせいで精神的にも不安定になってるんだけど、みずみずしいイエローの檸檬が気にいった。
    行った大きな本屋で本を適当に積んでその上に檸檬を置いた。
    実はその檸檬は爆弾でもう少ししたら爆発する、という妄想。
    かな?かなあ?
    二回読んだけどサッパリ良さがわからなかった。
    それより読んでる最中梶井基次郎のゴリラ顔がチラチラして…

  • 2011 8/17読了。WonderGooで購入。
    名前は知っていても読んだことのない作家・作品を、280円だしWonderGooでポイント10%還元セールもやっているし何か一つ手にとろうと思い、じゃあ『檸檬』だ、と決めて買ってみた本。
    八百屋で檸檬を買って、丸善の画集コーナーで画集を積み上げた上においてくる話・・・と書くと意味がわからないが、まあそんな話。
    『檸檬』も好きだけど『Kの昇天』が収録作品中では一番好きだった。情景を想像するとひどく綺麗だ。高橋葉介が漫画にしそうな。

  • なんとなく雰囲気がビジュアル的に伝わってくる。文字のくせに。主人公の気持ちにもなんとなく共感。このなんとなく感。檸檬は象徴。

  • 妄想のエネルギーをレモンに注入する
    そんなことで爆弾が1コ手に入るなら、僕だってテロリストだ
    だけどそんなうまい話はないのであって
    実際には、それなりに面倒な手順をふまないと爆弾を手に入れられない
    鉄は熱いうちに打ての諺もあるように、その手順の面倒くささを思った時点で
    まあだいたいのテロリスト予備軍は心が萎えて挫折する

    では妄想エネルギーをレモンに注入する行為には意味がないのか?
    と聞かれればそんなこともなく
    それがひとつの詩的表現として小説になったりするのだった
    世界の本質が個人の認識にあると考えたなら、詩や小説によって
    世界の変革を目論むことも
    けして無謀な行為とは言えないのではないだろうか

    それ以外の作品においても作者は、不可解な現実に対して
    妄想による理解をこころみている
    脊椎カリエスによる早死にを運命づけられた彼の
    現実に対する抵抗なのかもしれない

  • 『檸檬』と『桜の樹の下には』を目当てに購入。
    タイトルは知っていたけど読んだことはなかったので。
    オビの「280円で名作を読もう。」というのもよかった。

    目当ての2作品はラストシーンが印象的。
    くたびれたというか、くすんだような感情の描写とそのままの風景描写が好み。
    色と匂いが伝わってくるカンジ。

    丸善に檸檬を置いていった人の気持ちがわからなくもない。やりたいとは思わないけど。

  • 高校生の頃、友人が面白いと言っていて気になっていたものの未読だった作品。ハルキ文庫280円に誘われてようやく読みました。
    ストーリーそのものよりも、色彩が美しい作品ですね。少し活字から目を離して、全体像を思い浮かべながら読むと味わい深くなると感じました。
    肺を病み、夭折の文学者。うーん、久しぶりに味わうこの「日本文学」の香り。。

  • ハルキ文庫で始まった280円文庫。『280円で名作を読もう。』という謳い文句に誘われて。

    梶井基次郎という作家は全然違うイメージを持っていたんだけど、読んでみたら、どうやら別の作家と混同していたみたい。
    こんなに鬱々とした作家とは思ってなかった。

    「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」がこの作家の文章だったんだね、泉鏡花とかあたりの文章だと思い込んでた。恥ずかしながら。

    『檸檬』は「レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色」がとても鮮やかで、それが丸善の本棚に置かれているのを想像したら、爽快な感じだよね。今でも時々丸善の本棚にはレモンが置かれるらしいけど、確かにやってみたくなる。

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著者プロフィール

明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。「乙女の本棚」シリーズでは本作のほかに、『檸檬』(梶井基次郎+げみ)がある。

「2021年 『Kの昇天』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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