コーヒーが冷めないうちに

著者 :
  • サンマーク出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784763135070

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物の数、計、流の名前にも、それぞれの人柄にも惹かれる。コーヒーが冷めるのは何分だろう、10分あるかないか?その短い時間に溢れる気持ちを伝えることは簡単ではないはず。そこには会いたい人がいて、どんな気持ちでいるのか。意外な展開があるが、現実には幸せない気持ちで戻ってくる。自分なら、誰に何を伝えたいんだろう。

  • 話題になってたので読んでみました。

    いや~どうしましょ。
    全然、泣けんかった!
    私の心が汚れちまった悲しみに染まりすぎたのか…。

    「泣くやろ~」「感動するやろ~」的なオーラの強い小説すぎて逆に醒めた感じかな。

    喫茶店「フニクリフニクラ」では珈琲が冷める間だけ過去に戻れるという席があり…という話。
    結婚を考えていた彼氏と別れた女性
    記憶がなくなっていく夫を持つ妻
    家出した姉を追いかけてきた妹
    この喫茶店で働く妊婦
    が描かれたオムニバス形式。

    この小説って演劇が元なのね。
    演劇ならおもしろそう…。
    でも、小説としてはイマイチじゃない?

  • 映画を観て知った本。
    映画もとても好きです。

    4つの中でも夫婦と親子の話がすごく好きで、何度読んでも泣いてしまいます ..
    でも、現実は変わらなくても心は変わる、そんな前向きなお話なので、読むとあたたかい気持ちになります。

  • 久しぶりに本を読んで涙した物語でした。
    どうにもならない現実を抱えながら、一縷の望みを一杯のコーヒーに託す。お互いがお互いを想い合い、交わされる愛……。そのあたたかな愛情がじんわりと心にしみます。あまりの切なさに思わず涙が……。最後に語られる言葉には、ハッとさせられました。本当に感動しました。優しく温かい感動を体感したい方にオススメです。

  • コーヒーって冷めるのが早い。

  • とある喫茶店の、一つの座席には不思議な力がある。その席に座ってコーヒーを飲むと、過去や未来、自分の望んだ日時に移動できるのだ。
    しかし、厳しいルールもある。

    この喫茶店に来た事がない人とは会えない。
    過去に戻って何をしても今の現実は変わらない。
    その席から動くことはできない。
    コーヒーが冷めきるまでにコーヒーを飲み干して、現在に戻らなければならない。
    などなど。

    そんな条件があっても、その時間移動がしたくてこの店を訪れる人がいる。

    という設定での4つの短編集。

    うーーん、とても残念な作品だと思います。設定はいい。というか設定は、実はこの物語の質にそれほど関係していないと思う。
    残念な理由はどの話も意外な展開がないのだ。この時間移動に関するルール=縛りから生まれてくる葛藤というか、悔しさみたいな展開もなく、「ありそうな」展開で話が終わる。もうちょっと厳しい言い方をすると、どの話の展開も、使い古された展開の話という気がする。
    なので読後感も心に響いてこない。

    もう一つは、この作者(元は劇団の脚本家だったそうだが)は説明しすぎる。登場人物の心のうちとかを、タラタラと全部説明してしまう。読む側にどういう風にこの人物は感じているのだろうと想像させる感じがない。
    それと人物設定が薄い、というかリアルさがない。ステレオタイプ。昔の少年漫画って時間が流れて日付が変わってもキャラクターの着てる服はいつも同じってあるけれど、そんな感じ。

    あと、お作法的にも不満が残る。
    第1話であるカギになる登場人物が、ずっと本を読んでいるのだが、1話の最後で象徴的な行動をとって終わる。
    2話以降もその人物は読書をしているので、各話の終わりに1話と同種の行動を取るだろうと、予感させている。
    というか、2話以降もそうしないと、1話のラストの行動は唐突すぎる。なのに、2話以降は読書をしているだけで、ラストのある行動を全く起こさない。
    別の言い方をすると1話のラストの行動は明らかに2話以降の伏線なのに、全く回収しないのだ。
    作者が忘れてしまっているのか、2話以降の行動のネタが思いつかなくて諦めたのか…

    いずれにしても大変不満の残る作品でした。

  • 結婚を考えていた彼氏と別れた女の話、
    記憶が消えていく男と看護婦の話、
    家出した姉とよく食べる妹の話、
    この喫茶店で働く妊婦の話・・・
    過去に戻れる喫茶店で起こった、心温まる4つの奇跡。

    クーラーがついていないのに、夏でもひんやり涼しい、地下にある不思議にレトロな喫茶店。
    そこではどうやら過去に戻ることができるらしい。
    とはいえ、過去に戻れるといっても、そこには多くの縛りがあった。

    「過去に戻っても、その喫茶店を訪れたことのない人には会うことができない」とか、「過去に戻ってどんなに努力しても現実は変わらない」とか、他にもいくつも。

    登場人物がみな、ちょっと不器用なところが愛おしいです。
    普通は、時間を遡ることなんてできない。
    遡ったところで、人生を1からやり直すことなんてできない。
    わかっていても、悔いてしまう過去がない人なんて、いないんじゃないでしょうか。あの時どうして、あんな言い方しかできなかったんだろう、あの時が最期だとわかっていたら、もっと違う言葉をかけられたのに、と。

    4つの物語のうち、1つだけ涙なしに読めないものがありました。すこし、心が洗われた気がします。

    喫茶店でコーヒーでも飲みながら、ゆっくり読みたい1冊でした。
    幽霊の謎が残されたままということは、続編もあるのかな?装丁も素敵でお気に入り。次作も楽しみにしています。

  • お願いします、あの日に戻らせてください――。
    過去に戻れる喫茶店で起こった、心温まる4つの奇跡。
    とある街の、とある喫茶店の
    とある座席には不思議な都市伝説があった
    その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

    ただし、そこにはめんどくさい……
    非常にめんどくさいルールがあった

    1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない
    2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない
    3.過去に戻れる席には先客がいる
    その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ
    4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない
    5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、
    そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ

    めんどくさいルールはこれだけではない
    それにもかかわらず、今日も都市伝説の噂を聞いた客がこの喫茶店を訪れる

    喫茶店の名は、フニクリフニクラ

    あなたなら、これだけのルールを聞かされて
    それでも過去に戻りたいと思いますか?

    この物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった、心温まる四つの奇跡

    第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
    第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
    第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話
    第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

    あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

  • 人は誰しも後悔はある
    ああすれば良かった、こうすれば良かった
    もしこうなってたら、、、

    たらればはどうしようもないと
    分かっているけど
    過去や未来に行けるのならば
    変えたいと思ってしまうもの

    でも
    そんな時に変えるのは、変わるのは、
    相手や環境ではなくて
    自分の気持ち、在り方
    なんだと思う

    過去や未来に行けても行けなくても
    いつだって変わるのは自分なんだ

    そう気づけたら
    生き方がちょっとだけ変わるかも
    と思えた作品でした

  • もしも過去に戻れるとしたら、誰に会いたいだろう?

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著者プロフィール

大阪府茨木市出身。1971年生まれ。小説家・脚本家・演出家。舞台『コーヒーが冷めないうちに』第10回杉並演劇祭大賞受賞。同作小説は、本屋大賞2017にノミネートされ、2018年に映画化。川口プロヂュース代表として、舞台、YouTubeで活躍中。47都道府県で舞台『コーヒーが冷めないうちに』を上演するのが目下の夢。趣味は筋トレ、サウナ、シーシャ。モットーは「自分らしく生きる」。

「2023年 『やさしさを忘れぬうちに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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