- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784778310264
感想・レビュー・書評
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駄作中の駄作。
どのような神経で、戦争を、特攻をこのような形で語るのか、不満や不快感が読んでいる最中にずっと残る。
物語の最後になって話は劇的な展開を迎えるが、
戦争に対する作者の勝手な考えをいろいろな登場人物に語らせ、書いている本人のためにやっているだけではないのか、とか
ただのメルヘンチックな挿話に落とし込んで商業的な成功を優先してしまっているのではないか、とか
・・・そんな場面と薄っぺらい文章の連続で、ずっと気持ち悪い。
途中で何度も読むのをやめようと思った。
Amazonでの評価は賛否あるが賛成多数。それはこの作品の構成(最後の展開)に対する評価だと思うが、
(この本を読んで戦争の悲惨さを感じました、貴重な本です・・・などの感想は中学生までで終えてくれ)
やはり繰り返すと、そんな刹那的なエンタテイメント性のために、戦争や特攻を題材にしていいのか、
この作者の浅はかさがお手ごろな評価につながっているのだとすると、ちょっと待てよと言いたい。
こんな本を購入したことで、この作者や出版社の金稼ぎになっているのか、と暗澹たる気持ちになる一冊。
Amazonで星2つ程度をつけている方々のレビューの重さと、星5つにしているレビューの軽さを比べてみても、
およそ想像はつくのではないか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「特攻で戦死した祖父は祖母を愛していたのか」という疑問から始まる、祖父の人物像に迫っていく物語。これまで、戦争についてこれほど考えさせられた事はなかった。 自らの生命を賭して、愛する人たちの安寧を信じ、絶望的な戦いに身を投じていった人達の心に想いを馳せるとき、熱い感情にのまれます。他では味わえない大切な重みに満ちた最高の一冊。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/53735 -
戦争の悲惨さを思い知らされた。特攻隊の搭乗員の葛藤、若者たちの命を軽んじて敵母艦に突っ込ませる作戦を強行した本部の狂気さ、桜花のこと、色々知ることができたし、深く心に残った。映画はまだ観てないので、観てみようと思った。
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特攻隊として戦死した祖父の痕跡をたどる姉弟。
その死には、大きな意味があった。
あれ程話題になり、映像化されていたにも関わらずの未読でした。
私には、今出合って良かった本。
まだまだ知らない戦争のこと、今少しずつ勉強中です、今更ですが。
悲しい話ですが、宮部久蔵の男気に魅せられます。
例え美化された話と言われても、ここから戦争について考えることが出来たら、それは大切な出合い。
多くの人が読むべき本と、改めて思いました。
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戦果を上げる、という大義名分のために犠牲になっていった若者たちへの畏敬と、権力への怒り。宮部と関わり生き残った人たちからの証言という形をとって、当時の戦況と著者の思いが綴られているように感じました。
祖父の戦後の物語は、若者の命が使い捨てにされていくなかで、少しでも希望があって欲しいかった、という願いを形にした結果なのかな、というのが私の感想です。
戦時中の軍部の風潮を想像すると、暗澹たる思いになります。 -
傷痍軍人と呼ばれる人たちを、幼い頃何度か、祭りなどのような場所で見かけた記憶がある。もう微かになっている遠い記憶だ。小学校の頃、「ヤン」という児童小説を読んだ。中国戦争の話だ。それ以外にも何冊か、小学校の自分は「ヤン」に始まって、この国が経験した歴史に衝撃を受け、やたらと関連した本を図書館で借りては読んでいった。それからも第二次世界大戦の戦記の類は、相当な冊数を読んだ。なぜかはうまく説明できないが、歴史の重さに心が引き寄せられるところがどうしてもあるのだろう。
本書は、いわゆるフィクションであり、小説だ。しかし、真珠湾攻撃から敗戦までの海軍の戦いの様子を、どちらかといえば、詳しく丹念に記録した、という側面もある。その部分は、登場人物の語りという形式を取ってはいるが、史記である。つまり、この小説は半分はフィクションだが、半分は戦記でもある、という体裁だと思う。そこがちょっとユニークではないかと思った部分だ。
著者は、おそらく戦争を振り返って、当時の日本海軍の存在、思想、行動体系といったものに、強く憤りを感じ、半分フィクション、半分戦記、という形でそれを明らかにしたいと考えたのだろう。そして、宮部久蔵という主人公を一本の太い柱に据えて、その行動によって、さらに物語に一本の芯を貫く構成にしてある。
著者については、最近、政治的に非常に世論の反発を浴びる発言をして騒がれたが、その本心はよく分からない。自分が、もう長いこと、マスコミというものを信用しなくなっていて、新聞もろくに読まないし、インターネット上のさまざまなニュースなども、ほとんどそのまま受け取るということをしなくなっているからだ。だが、小説の中に、一箇所、著者の考えを代弁するような部分がある。戦前、5・15事件から戦争に向かって大衆を煽動したのは新聞の責任であり、また戦後、さらに戦争に対する評価について大衆を誤った考えで導いた、という部分だ。あくまで無責任な想像だが、著者の先の発言の裏側には、なにか新聞というものに対する不信感のようなものがあったのでは?と考えられなくもないと思った。
小説としての出来栄えについては、手放しで絶賛はしない。読後、どうしても涙はこぼしてしまったが。大戦に関しての本に対してはやはり軽々しくいいも悪いも評価しづらい気持ちになってしまうのだ。ただ、冒頭書いたような傷痍軍人のような人の姿を見かけなくなってから、すでに長い時も経ち、戦争体験者が数少なくなっていく今のこのときに、こういう小説が書かれ、それなりに評価されるのは悪いことではないと思う。 -
この作品に対する評価は様々で、とくに、「美化しすぎてる」という意見を良く聞くように思います。
当事者に話を聞いて行くのですから、美化されるのも当然だろうと思います。自分のことならまだしも、死んで行った仲間について話すのです。それは美化もするでしょう。
ただ、真にそれを体験した人がそうするのかは分からない。
本当に体験した人は、もっと淡々と事実のみ話すのかもしれない。
そこは分からないところです。
美化の他に感じるのは怒りです。
「あの時こうしていれば勝てたのに、結果は違っていたかもしれないのに」という話が何度も出てきます。
でもそれは、「勝ってたらよかったのに」という話とは違います。
なぜ、戦っている兵士を置いて逃げたのだ、なぜ助かるかもしれなかった命を散らすのだ。
なぜ誰もその責任を取らないのだ。
なぜまた繰り返すのだ。
そんな怒りに溢れている気がします。
良くも悪くも作者の想いが強く出ていることは間違いないと思います。好き嫌いは分かれる。 -
色眼鏡なしで、百田さんの著書は読みやすく、次第に引き込まれ、終盤で畳み込まれる。
前半は淡々と事象が語られていく。徐々に感情が加わり、それが加速していくところが百田さんの腕前でしょう。
最初はどこに感動して泣くところがあるんだろう??と思いながら読み進めました。これはフィクションであり、最後の方はわざとらしさもなきにしもあらずでしたが、私は泣かされました。
特攻を美化してるとか、戦争賛美とか、パクリとか、色々なバッシングが多かったので、いったいどんな内容なんだと読んでみたわけです。
フィクションとしては十分だし、戦争に関しては、どちらかと言うと反戦の色が濃かった。
右寄りと言われている百田さんの「永遠の0」は左寄りの私から見ても別に悪い小説ではなかった。
戦争小説や記録は苦手でほとんど読まないので、他の作品と比べ様が無いし、パクリとか丸コピーとか言われてもわかりません。
いいじゃないですか、これをきっかけに参考文献を読みたくなる人もいるかもしれません。
映画は見てませんので、またチェックしようと思います。
儲け主義の本でもいいじゃないですか。読む人によっては薄っぺらい作品としても、いいじゃないですか、世の中は大半が薄っぺらい人間なのです。
薄っぺらな人間にも少しでも反戦について意識してもらえるきっかけとなる様な小説だと思います。
これがヒットしたのは大変良い事だと思います。
ちなみに私の祖父は反戦を唱え非国民として投獄されていました。
幸運にも処刑される前に終戦となり、生き延びる事ができたのです。
そんな今は亡き祖父を尊敬しています。