家族最後の日

著者 :
  • 太田出版
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784778315559

感想・レビュー・書評

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  • 2019/06/02

  • 実母、義弟、夫のECDについての3篇のエッセイ集。どの話もハードな内容。大きく感情が動く場面が多い一方で、乾いた書き口なので重たくなりすぎず内容が入ってくる。ECDの抗がん剤治療が始まるところでエッセイは終わっており、次の著作も気になる。

  • 図書館で借りて読む。写真家・植本一子さんが3人の家族とのそれぞれの関係性の終わり(と始まり)を描くエッセイ。3人とは、実母、義弟、夫のこと。夫の章は、日記形式であり、日々のことが淡々と、ままならない人生の音を伴って書き記されている。

    読後、日記形式の文章を残していきたいなと、簡単に影響されてしみじみ思う。家族との関係性は、日々変わるものであり、それを言葉にするという形でスナップショットのように表してゆくことで、これからの変化のある家族関係もたのしめるんじゃないかな。

  • 「かなわない」のあと、少し救われ落ち着いた様子でよかった。けれど、だからこそ石田さんのことが苦しかった。まだこの先も読ませていただきます。

  • 近親者達との最後
    心のしんどさが綴られている

  • 悲しくなったら親指立ててグッドしよう。どこかでえんちゃんが返してくれるような気がして。

  • 「あんだけいなくなっても平気だって言ってたのに、いざ本当にいなくなると思ったら、自分の自由って石田さんありきのものなんだってことがよくわかった」(略)「身をもって教えてくれてるじゃん」(p.183)。家族や友人、知人、周りの人への悪感情も包み隠さず綴られている。そのストレートさには脱帽と言うかなぜそこまでさらけだせるんだろう、と思ったり。石田さんの存在の上に成り立つ自由という自己規定。石田さんも植本さんも、石田さんのガンさえ、よし!これで何か書くぞ!という燃料にできる、いや燃料にしてしまわずにはいられない業の深さ。むずかしい事態がもちあがるごとに、逆にテンションがあがってしまうこともある植本さん。でも、ダメージを受けたことも、少し距離を置きたいと思ったことも書かれ、交互に、と。「無理はしない、絶対、も決めない」(p.241)

  • 「かなわない」の続編とも言えるエッセイ。母親とうまく行ってないのはわかってたけど、今回実家に帰ったことで、やはり無理だと言うことがハッキリ分かった植本さんが、母親とついに訣別。その方が良いだろう。そして、義弟の話。どうしてこの人の周りにはこんなに自殺者が多いのか?と思ったが、私も友人、いとこ、叔父を自殺で亡くしている。なんと言う世の中と愕然。そして、石田さんの癌が発覚。子供達も大きくなり助け合ってなんとか母親をしようとしているのが頼もしいと言うか痛々しいと言うか。周りがすごく助けてくれるのは、やっぱり魅力のある人だからだろうと思う。石田さんは2018年に亡くなられるけれど、そのことは「降伏の記録」に書かれているようですね。機会があれば読みたいです。

  • 久々にハードカバーの本を一気に読みました。
    最後まで悲しく苦しかった。
    特に母親との確執は自分とも重なり胸が痛んだ。
    悪気なく人を傷つける人は一番キツイ。
    互いに傷つけるしかないのであれば離れるのも大切なこと。
    でも少し母親の気持ちも聞いてみたくなった。
    実家のちらし寿司、本当はみんなで食べたくて待っていたのでは?とか。私も「お手伝いじゃない」と叫んだことがあるので。
    ご主人のことは病の恐ろしさとそれを受け入れるしかない家族の気持ちが赤裸々に書かれていて親の病を思い出していた。大切な人が病んでいるのを見るのは本当に辛い。
    シッターの村上さんとの心の行き違いは似たもの同士だから起こる行き違いのようでこれまた苦しかった。著者は本質的にとても私と違う方なのだけれど、共感する部分も多くまた驚くことも沢山あり、一つの映画を観たような気持ちになりました。

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著者プロフィール

植本 一子(うえもと・いちこ):写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『愛は時間がかかる』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『台風一過』『うれしい生活』『家族最初の日』などがある。

「2024年 『さびしさについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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