Being Geek ―ギークであり続けるためのキャリア戦略
- オライリージャパン (2011年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784873114996
作品紹介・あらすじ
ソフトウェア開発者のキャリア形成について、NetscapeやBorlandなどシリコンバレーの企業で長年働いた経験を持つ著者が解説する。エンジニアが転職を考えるとき、何を検討し、決断するか。転職後のマネージャや同僚との関係の築き方や、エンジニアがマネージャになる際の困難とは。そしてさらなるチャレンジを考える時にすべきことは何か。組織を構成する複雑な人間関係を理解し、自身の力を最大限に発揮しながら、自分にあったキャリアと働き方を提案する本書は、ギークであり続けたいと考えるエンジニア必携の一冊。
感想・レビュー・書評
-
「30過ぎたらマネジメントだけの仕事を」そんな仕事は望んでないギークのためのギークであり続けるためのキャリア戦略を綴った書籍。転職、就職先、査定、愚かな上司、などなど、生々しく綴られています。
プログラマ定年説なんて望んでない人
あのスーパープログラマみたいにずっとコードを書いて生きて生きたい人
コードも書けない上司が技術について語るうんざりする環境にいる人
ギークやハッカーとしてのキャリアを築きたい人にオススメです。また、ギークやハッカーとビジネスを成功させたい人にもオススメ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プログラマのキャリア、転職などに関する内容が主。
文化圏が異なることと、著者さんが結構変わった方のようなので
そのまま参考に出来る要素は少なそう。
日本以外も日本のような不条理に満ちた開発現場があるのだな、
という闇を感じることができる。
25 章の Trickle List の話は面白く、
私も真似して導入することにしました。
Trickle = したたり落ちる雫、〈…を〉したたらす の意。
TODO List は すべきことをリスト化し、管理する。
行わなければならないものを明確にし、最小単位に落とし込むことで
集中してリストを消化する。
TODO List の各タスクは、消化すべき対象。
(状況や優先度により破棄することもある)
Trickle List は、長期戦略をリスト化し、状況を把握するためのもの。
リストを目立たせることで脳内に大事なことを忘れずに思い出すトリガーの役割がある。
リストの項目を必ずしも毎日すべて消化する必要はない。
リストはいつでも変更可能。その時々に応じた内容にする。
結城浩先生が使っている「色つき星取表」とやっていることはほぼ同じで、
結城先生の手法の方がより細かい情報を得ることができる。
(頻度を色で表すため) -
今更読みました。マネジメントについて考え始めるきっかけ。
-
Geek(技術オタク)のためのキャリア形成と、生き方の指南書。
こう書くと、マニアックな技術的指針の本という印象を持つと思うけど、内容は技術者だけではなく、全ての職業人に普遍的なものだ。
キャリア形成
転職
面接
待遇の交渉
愚かな上司への対処
面白いのは、単なるハウツー本ではなく、かと言って抽象化された綺麗事でもない。
生々しい現実体験で培われた経験則で、おそらく実務経験が5年以上ある人なら、とても分かる内容だと思う。
技術者としての本書の評価は、他のエンジニアがすると思うので、僕がとても印象的だった一節を紹介する。
作者は文中で、職業人にとって重要な能力として
「ストーリーを作る能力」
を何回もあげている。
面接で面接官が知りたいのは、質問に正解する事ではない。それはペーパーテストで出来る。
与えられた命題(質問)に対して、手元にある材料から、物語を構築できる能力を知りたいのだ。
プレゼンで観客が知りたいのは、スペックではない。
エンターテイメントとしての物語の提示だ。
物語は「作り話」ではない。
事実(fact)と事実(fact)を紡ぎあわせ、関連性の筋道を見つけ出す事だ。
僕は、この能力は、人間の最も高度な知的能力だと思う。
写真という表現の世界でもそうだ。
撮影したフレームの中にポイントを見出しているフォトグラファーの写真には、ベクトルが発生し、ベクトルは道を残し、そこに様々な事実が集まり、物語が出来る。
写真の品質に正解はないが、僕は「ポイント」を見つけている写真が、良い写真だと断言出来る。
ギークだけでなく、様々な職業人、あるいは「なにかを作る人」が見て得るものがある内容だと思う。 -
ギークが困るのは物事がルールに従っていないとき。
会社人ルールを論理的にまとめてくれた本。
時々読み返したくなりそう。
[more]
* 一般社員のキャリア開発は3点
1. 自分が開発する製品の技術的方向性決定に能動的に関われているか?
2. 成長のために自分が何をすべきか分かっているか?
3. 自分の責任を全うしているか? 期日を守っているか。
* マイクロマネージャの問題:何もかも知ろうとすることで信頼関係が壊れる。
* 結局キャリア開発やマネージメントで重要な事は3つに集約
1. 方向性
2. 成長
3. 成果
* 他人からの評価には絶対に執着すべき
* 「ノー」といった評価減と、受けてから達成できないことを天秤。
* 上司に「頼りにならない」という評価だけが残る可能性を考える。
* 何かを直した人より、何かを作った人のほうが評価されるのは常。
* 辞めるくらいなら今の会社で成果を上げればいい。
* 人脈も資産の一つ。
* 報酬についてきちんと話すのはいいこと
* 自分の待遇について良く理解している。
* つまり、「自分はヤワな交渉相手ではないですよ。」と伝わる。
* 報告する情報は、なるべく「自分にしか伝えられないこと」に絞る。
* タスクリストの使い方
* 今すぐに本当にやるべきか? 違うならリストへ
* 重要性を感じないならリストにも加えない。必要ならまた思い浮かぶ。
* トリクルリスト Trickle List
* 少しずつ絶え間なく時間を投資すると成果があがる。
* 人とのちょっとした付き合いなど。
* 開発ツールは、機能よりも、自分の感覚に合うかどうかが重要。
* 部下の査定書は多く書け。
* 少ないと部下はがっかりする。
-
県立図書館で借りた。
-
サブタイトルにある通りキャリア戦略がほとんどである。具体的なギークとしての振る舞い、エンジニアとして如何にあるべきかといった話ではなく、自分の行末をどう考えていくべきかという内容。
-
請求記号 007.3/L 88
-
第一部 キャリアの形成
第二部 マネージメント
第三部 日々の仕事に必要なスキル
第四部 変化
上記4部が全40章で構成されている。
Geekとはについてよく書かれた本である。
「Geekは普通の人とは違っている。」
そんなGeekのための本であり、
Geekがいかにして生きていくべきかを掘り下げていく。
基本的には日本でいう「オタク」のような技術者を想定された本であり、 「電話に出るべきか?」とか「Geekにとって人間は困りごと」だとかそういう視点でキャリアや人生が語られる。
本書ではGeekとは次のような信条を持つ人のことであると記される。
物事を理解するにはまず定義を知るべき
システムは必ず認識可能な要素に分けられる
何をすべきかを判断するには、まずルールを見つける
ルールを知れば成功のための行動がとれる
Geekと呼ばれる人たちにとって何よりも重要なものは「構造」である。
すべてのGeekに共通しているのは「この世界について十分に学べば、全ては予測可能になる。」と信じているという点だ。
より深くはこちら。
http://www.kotazi.com/blog/post/2016/0117_geek/