- Amazon.co.jp ・本 (545ページ)
- / ISBN・EAN: 9784877282929
感想・レビュー・書評
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永遠の世界からやってきた妖精フィツにとって地上世界は不思議なところだった。何もかも移り変わり消えてゆく、限りある世界。フィツが地上にいられるのはわずか九日間。その限られた時間で、最初に話したひとりの人間を観察し答えを出さなければならない。世界は滅びるべきなのか――。
フィツが最初に出会ったのは、きわめて正確の悪い少女ペチカだった・・・。
(あらすじより)
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おそらく読んでいる人は多くないけれど、その評価は結構高めな隠れた名作ファンタジー。
人間なら誰しもが持っているであろう善の部分と悪の部分をストレートに描いてある作品。
フィツが可愛くて、ルージャンがある意味格好良くて、ペチカを受け入れてくれた人たちの心があたたかくて。
最初はペチカの境遇が可哀そうで、しかもペチカ含め登場人物みんな冷たすぎて、てか守頭怖すぎで、こんなにおもいの読みきれるかな、と思ったけど、最後まで読めて良かった。
図書館で借りたんだけど、手元に置いておきたい。
で、心がささくれた時に読む、と。
てか、心の中で登場人物たちの名前叫びまくりでした。
フィツー!ルージャーン!!おばーちゃーん!!!みたいな(笑)
中でもルージャンがヒット連発。
あんなに必死にペチカを想っていたのに・・・後半のトリニティーでのシーンは私も泣きそうだったよ。(自業自得と言われればそれまでだけど)
がんばれルー!めげるなー!みたいな。
p142『「お金がいっぱいあって、おなかがいっぱいで、永遠に生きられたら、誰だって親切になるよ!」』
p492『「おかえり」それはフィツが知っている、一番優しい言葉だった。』
『アンティアーロ・アンティラーゼ』(『私の歩んだ旅をあなたが継いでくれ』)
・・・なんて優しくて、残酷な言葉なんだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で、タイトルにひかれて読んだ本。本を読んで、初めて泣きました。登場人物のみんなに魅力があって、優しい気持ちになったり、ハラハラしたりとどっぷり世界にハマれました(^v^)
ボーイミーツガールが大好きな私には、たまらなかったです!
本ってすごく、素敵と思えた1冊でした。 -
なっちゃんとけいちゃんに進められた早く読みたい。
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修さん選
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ひとりぼっちで苦労ばかりを背負って生きるペチカの前に現れた妖精フィツとの物語。
辛いしうちに苛まれ、人を信用することができなくなっているペチカが、生意気で喧嘩ばかりしていたフィツと徐々に心を通わせるようになる。 -
幻冬舎から出る前の童話物語も好きですが、やっぱりこの童話が良い。初めて読んだ時は泣けて泣けて…それ以降、ストーリーを知っているのにまだ泣ける。
前半のペチカの気の毒さったらないんですが、だからこそラストにペチカが言った言葉がより重くいきてくるんでしょう。
世界の構築にものすごく時間をかけてきたのが分かります。絵も一つ一つが美しく、素敵です。日本人の描く異世界ファンタジーの中でも、かなりレベルの高いものだと思います。
ただ、帯の言葉「宮崎…」はイマイチぴんとこなかったです。そうかな??
あ、食べ物が美味しそうです。バター、キャラメルティー、オムレツetc… -
ストーリーも挿絵もすごく良いファンタジー。
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ブクログで見つけたのですが、面白かった。
帯にも書いてありましたがジブリっぽい。
小さい文字で2段になっている本は久しぶりでしたが夢中になって読んだので一日で読みきってしまった。
守頭は何であんなにしつこかったのかな? そこまでの憎しみを感じたことがないからわからないけど
復讐が生きる目的ってやだな~。
いつの間にかいい男(たぶん)に成長していたルージャンがよかった。
期待を裏切らない展開でちょっと物足りないかもだけど、王道ファンタジーでした。 -
「みんな許す。今まで憎んでた人たちを、もう憎まない。もう誰も憎まない。許す――もういいの。みんなが幸せになった方がいい」
笑っちゃうくらい辛くて悲しくて、そして切ない救いのあるお話。
ファンタジーとはかくあるべき、と教えてくれた本。
人間は醜く、そして美しい。
生まれて初めて、読みながら涙を流しました。 -
中学生のときに姉が読んでいたので読んでみた本。
終わり方はいまいちでしたが、出てくる人物や街が魅力的。
大切な人と共有したいものがたくさんありました。