- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887062603
感想・レビュー・書評
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学生に幸せを感じた瞬間を書きなさいというような宿題を出してたんだけど、
それらの回答が日常の延長で、
通り過ぎてしまうくらいの小さいものだったんだけど
とてもキラキラしていて
くすりとしてしまうようなものだった。
そんなものが日常を幸せにするし、
彩を与えるし、デザインなのかも。
そんな瑣末な幸せを感じとりたい。
本全体的に抽象的で何を言っているか理解が追いつかないところもあったけど、
これがセンスなのか、、、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デザインのセンスないだよなー、というずっと自分に持っていたネガティブなものをそんなこともないかもと思わせてくれた本。
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共感するところと、深澤さんらしいなと思うところと、、、
でも、今までの自分の見え方が偏りがあるかもしれないと思わせてくれる
定期的に読むのがいいかもしれない -
抽象的で観念的な表現が多いのだが、斯界の泰斗は具体と抽象を思考の中で往復させているのがよくわかった。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA74648933 -
「デザインがなくても、人間は既に、環境にあるものをその状況に応じて価値に変換している」と説く。ありふれたふつうの光景から、無意識の現れ・行為・意味を感じ取る触覚が、著者の経験・考え、俳句や写真とデザインの共通性といった様々な角度から刺激される本でした。
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無印良品のプロダクトデザイナーの深澤直人さんの本です。デザインの話なのですが、本当に読みやすく、日常の物の見方を変えてくれる本です(玲衣奈)
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/
図書館・請求記号 501.8/F72// -
https://note.mu/matchyy/n/n2ababd6f9aa0
(以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
○結局、僕は空間に輪郭を描いている。デザインの輪郭とは、なんとなく、具体的なかたちを周りにあるぼあっとしたもの。(P.12)
○自分は具体的に輪郭をつくっている人間ですけれど、もっと抽象的にいっても、人間の関係性もそうだし、そういう視覚化できないところに何かがある。力関係があるみたいな。そういうことに興味がある。(P.14)
○輪郭は、日常に散りばめられた無数の要因の中から、その状況に適応した顕著な因子が瞬時に抽出され結実する。輪郭は外側から導き出される、ということである。手で壁に触れて壁というものを認識することは理解できても、同時に壁が己の手のかたちを認識させていることにはふつう気づかない。(P.18)
○ものとその周りにある環境との関係が、そのものの輪郭を決めていく。その輪郭を見いだすのがデザイナーの仕事であるということがわかってきた。その輪郭とそこに加わる双方の力を見いだせば、それによって表面の力が自然と規定されていく。自然と張りが見えてくるということがわかってきた。(P.40)
○張りは客観的に感じるものであって、意図的につくり出せるものではないと思った。(P.41)
○外の要因や、外の力が、内を決めているということが。その必然的なかたちが、必然的な力をみせる。それが「張り」なのである。(P.41)
●三日間で三つの課題を用意した。
一つ目は「オブザベーション(観察)」。行為を観察する。日常のありふれた行為は、自らがあまり自覚なく行っていることを知る。そしてデザインする。
ふたつ目は「Found object」。与えられれたものから発送して、別のものを出材するという課題。例えば、椅子を座るものとしてしかみることができない。椅子の背にジャケットをかけたり、座に書類を置いたり。(P.46-50)
○アイディアの価値は、理屈や説明がなくてともすぐにわかるのである。(P.50)
○行為に溶けるということは、そうしてしまう、ということです。人間は、自分で決めて動いているのではなくて、環境に動かされている。(P.56)
○その用意された配慮の機能の意味は、そのものを見たときにはわからない。むしろ意識せずに流れている行為の中で、急に立ち現れてくるものである。(P.58)
○最初に見たときに、そのかたちの意味がよくわからないのがいいと思う。何かあたりまえのことをしていて、それが立ち現れてきたときに、「あれ?」・・・「!」となるのがいい。(P.59)
○自分の存在を消してしまう。消したからこそ沸き立ってくる美の存在があるということが衝撃だった。それからは、現象から導き出される、不確実でありながら湧き上がる共感を成すものが何であるのかを深く考えるようになった。(P.76)
○地味でもきちっとしていて、磨き込んだ靴を履いて、織のよいスカーフをして、すてきな杖を持って地下鉄のシートに座っている。格好じゃない。質なんです。(P.92)
○そのものを見ると、そればっかり撮りたい気持ちになりがちですが、でも実際にはこの間があって、それがこのものをよくしていたりすることがあるんです。(P.103)
○三人暮らしにしては広いがらんどうの空間が出来上がった。それから最低限の家具を買った。そのときに、壁につけてものを置かないと決めた。だいたいは壁のコーナーからものを置きたくなるのが常だが、部屋はそこから吹きだまりになって、ものがたまっていく。ものがたまると掃除がおっくうになる。掃除機はかけにくくなり、モップは直線に動かなくなる。(P.116)
●ヘンリー・ムーア:彫刻家。アンジェロ・マンジャロッティ:建築家、インダストリアルデザイナ。ジャン・プルーヴェ:建築家、デザイナー。(P.128)
○「幸せの現象」という課題は、デザインの導入部ですね。
「あなたたちの、デザインがよいと思える感覚は、ノスタルジックな感情とかそういうものを美として捉えたものじゃないんですよ。日常であなたが感じていること、例えば靴がすっと履けたとか、そういうことがあなたを幸せにするんじゃないの?それが見つけられる?」(P.162)
○アイデアは言葉にできる。こんなのいいんじゃないかと説明できますね。でもエクスキューションというのは、言葉で表せなくて、具現化されたときに初めて力として評価されます。
僕はアイデアリスティックなデザイナーだといわれていますが、それを具現化する力の方がずっと強いと思っています。「どんなものでもかたちにするよ」という力がなければ、アイデアはあっても着地はしない。(P.197)
○そのデザインが本質的に失敗したとは思っていない。適性があったということが後になってわかるということもありますから。(P.208)
○デザインというのは、そういうことをやっているということです。全体を考えたときにどこまで触手が伸びていて、どこの細胞まで手を入れていくかということによって、表面を決定しているんでしょう。どんどんミクロの世界に入っていく。そのミクロの入り方の勝負みたいなところがありますね。だから、どこまできれいにするかをということを考えていくと、デザインの行為の極みみたいなところが掃除に出てしまうんじゃないかなと思いました。(P.230)
○見たものをそのまま写し取るということへの興味はずっと続いていたと思う。好きな歌手の顔写真を何枚もそっくりに模写したりした。(P.248)
○今も、このオフィスからデザインが外に出るとき、立体として確認しないで絵だけが外に出るということはありえません。確認、確認でモデルをたくさん作るし、その分時間もかかる。
IDEO では、ディテールキングと呼ばれていました。(P.255) -
デザインの輪郭
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誰かが紹介してたんだっけか。
面白い章がたくさんあった。
自分で経験して感じるものすべてが情報で、情報がないなんてことはないこと。ふつうに感じていること(感じていることにすら気づかないようなこと)に目を向けるって考え方が印象的だった。
アメリカやイタリアでも活躍されているとのことだが、実はベースの思想は強く東洋っぽいんだろうな。