- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887062603
感想・レビュー・書評
-
デザインは宇宙のようだ。著者が20年ほどデザインを学んで、まだ輪郭しかつかめていないのだから。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
auの携帯、インフォバーは、デザインが美しくて欲しかったけれど、二つ折り携帯がよかったので機種変しなかったのだった。
今でも惜しいと思う。
それをデザインされた方だった。
デザインって具体的にどういうもの、ということは書かれていないのだけれど、こういうことを考えてやっている、っていう感覚を読むことが出来るのはすばらしい。
ふつう、シンプル、そういったことの大事さや、無駄のなさが、とても美しい。
p214
「
僕にとっての情報とは、あなたと私が今、
考えてはいなくても同じ椅子の座の感触を
同時に感じているというようなことです。
」
少し前に読んだ整体の本(骨盤にきく-気持ちよく眠り、集中力を高める整体入門-――片山洋次郎)で、
両手で自分の二の腕のあたりを抱く、というのがあった。
これが落ち着くんだったか、効用を忘れてしまったのだけれど……
このときに、手でさわっているのでなく、さわられていると感じることが大事なのだとあって。
深澤さんが、手そのものを描くのではなく、背景があって、手が浮かび上がるというような表現をされていて、これが自分の中で結び合った。 -
この手の本としては、意外に深い本。第一印象では詩的な絵本のようなものにみえて敬遠していたけれど、難波和彦さんのウェブサイト(日記)で好評価だったので手にとった。
「輪郭」「デザインと俳句」「ふつう」「ほら、ね」「凝り性」「週末小屋」など、美しい表現・思想、ドキッとする考え方、うならされる見方に満ちている。
忘れたくないキーワードが多く、味わいのある一冊。 -
言葉の断片がストンストンと落ちてくる。他人とは思えないシンクロ感、と言うとあまりにおこがましいが、終始共感しきりだった。
-
11年間ゼネコンでデザインする人たちを見てきて一緒に食事をしたり遊びに行ったりしていて独特の世界があることに興味を持っていた。けれども自分がまだ若すぎてよく知り合えないままになってしまったのがもったいないと感じていた。
この本は工業デザイナーの著者が日々の生活でものごとをどんなふうに捉えているか、哲学とともにあますところなく感じられて新鮮だ。「じゅんさいのぶよぶよのようにその見えない感触を楽しみたい。」
装丁も美しい本でとても楽しくよみました。
こーきさんありがとうございます。 -
工業デザイナー、深澤直人さんのデザインに対する考え方を軸にしたエッセイ集。デザインする事についての過程から考察まで興味深い内容で、繰り返し読みたくなる本です。
-
深澤さんの視点は常に、一定の心拍数を保ち、
でも確かに生み出したもので、心地よくざわざわさせる。 -
一流のデザイナーによる金言の数々.
日常におけるありふれた当たり前のことを完璧にすることに、デザインの目的を持っているようである.
「ゆでたまごを完璧にゆでることに凝っている」
デザイナーの仕事は夜空に散りばめられた星屑の中から、星座の輪郭を見つけることなのだ. -
深澤直人さんといえば、無印の壁掛けCDプレイヤー、auのインフォバー、プラスマイナスゼロの加湿器。ではないでしょうか。
彼のインタビューをネットでみたり、デザインのデザインの中で語られていたりしてるんだけど、もう、とにかくカッコいい。
語彙が無いせいで「カッコいい」なんだけど、他に言葉が見当たらないほどカッコいい(笑)
そんな深澤フリークな私からすると、最高な本でした。
デザインの輪郭というより、深澤直人の輪郭と言った方が近いんじゃないかと思う。
スーパーノーマルなデザインをする彼がどんなにノーマルじゃないかがわかります。
彼とか、馴れ馴れしいね。
深澤直人が好きな人、彼のデザインした製品が好きな人に読んで欲しいです。そして更に好きになってください。