- Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887470378
感想・レビュー・書評
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冒頭に「祝婚歌」が置かれた詩集。
結婚祝いに友人からいただきました。
前に別の友達が紹介してくれた詩も載っていた!
染み渡るような、気持ちのいい読後感。
このコンパクトさもよくて、ずっと傍らに置いておきたい一冊。宝物になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「祝婚歌」はこれから結婚生活における大切な教えとして思い出したい。
忘れないように、折に触れて読み返したい、小さな素敵な本。 -
二人が睦まじくいるためには
愚かであるほうがいい
立派すぎないほうがいい
結婚式でよく読まれる、「祝婚歌」はとても有名ですね。
吉野さんの作品をきちんと読むのは初めてでしたが、詩集に集められた作品は小さな日常を静かに営む家族の視点でした。
(詩人、長田弘の死を悼み) -
吉野さんの言葉はとても美しい。
知性のきらめき。慎重に慎重に、選ばれた言葉なんだろうと思う。
美しくて、ちょっと切なくて泣けてくる。
お父さんとしての愛情を随所に感じるせいかもしれない。
読むほどに、とても良い詩集。
傷ついたり悩んだりすることがあれば、必ず力になってくれるだろう。
ありがたい。
恩師に頂いたものです。大切にします。-
本当にいい詩集だと僕も思います。
辛いとき、苦しい時に読み、嬉しいとき幸せな時に読み何度も読み返していきたいですね。
これからの人生...本当にいい詩集だと僕も思います。
辛いとき、苦しい時に読み、嬉しいとき幸せな時に読み何度も読み返していきたいですね。
これからの人生にきっと必要な詩集に出合えた気がします。
そして、また感想を伝えあいたい詩集です。
尊敬する教え子へ。2015/05/08
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ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風にふかれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
……理想の生き方。
人は生きていく中で人を愛し、愛され、穏やかな時、激しい時、出会い、別れを繰返し経験し一生懸命に生きている。
今、この詩を読んだことでほんのちょっとだけひと休みできた気がします…。
特別な人に対する思い、10年後にこの詩を読んで何をどう感じているのだろう。
そう思うとまた、これから暫く生きて行くことがすごく楽しみになってきました。
お気に入りは、「ひとに」「夕焼け」です。-
私もこういう生き方に憧れます!
あと、夕焼け、私も好きです。ちょっとうるっときました。
ひとに、は吉野さん、凄い頭の良い人なんだろうなと...私もこういう生き方に憧れます!
あと、夕焼け、私も好きです。ちょっとうるっときました。
ひとに、は吉野さん、凄い頭の良い人なんだろうなと思いました。
本当に素敵な本だと思いました。こういう本は後まで残りますよね。何度も読み返すお気に入りになりそうです。2015/04/23
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祝婚歌、これが一番いい。
早春のバスの中で 新しい生命のために編み物をする人
白い表紙 電車の中で育児書をひらいたまままどろむ女性、
この二歌も好き。
しかし、祝婚歌は谷川俊太郎編「祝婚歌」に収められていたことに
気づかなかった。
何年か前にもらった谷川さんの「祝婚歌」も、もう一度
読んでみた。 -
心に刺さる詩集。
ケンカしたとき、
パートナーの存在に感謝できなくなるとき、
子どもにどう声をかけていいかわからなくなったとき(まだいないけど)、
読みたくなる一冊。
詩人の吉野弘さんの詩集。結婚、出産、子どもの成長、というように、家族の変化の過程に合わせて、吉野弘さんの詩が順番に編み込まれている。
これを読むと、落ち込んだ時、浮かれている時など、どちらかのメモリに針が振りきれてしまっている状態の心を、ニュートラルな状態に戻してくれる。
詩集は以下の詩から始まる。
「祝婚歌
二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい」
この詩以外に、「母と船と雨」や「虹の足の中の家」など、印象深かった詩もいくつかあったが、祝婚歌以外では、以下の詩が一番胸に刺さった。
「奈々子
赤い林檎の頬をして
眠っている奈々子。
お前のお母さんの頬の赤さは
そっくり
奈々子の頬にいってしまって
ひところのお母さんの
つややかな頬は少し青ざめた。
お父さんにもちょっと酸っぱい思いがふえた。
唐突だが
奈々子
お父さんはお前に
多くを期待しないだろう。
ひとが
ほかからの期待に応えようとして
どんなに
自分を駄目にしてしまうか。
お父さんははっきり
知ってしまったから。
お父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だ。
ひとが
ひとでなくなるのは
自分を愛することをやめるときだ。
自分を愛することをやめるとき
ひとは
他人を愛することをやめ
世界を見失ってしまう。
自分があるとき
他人があり
世界がある。
お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労がふえた。
苦労は
今は
お前にあげられない。
お前にあげたいものは
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。」
ふと読んでいる時、自分の父親の顔が頭に浮かんだ。自分もこういう父親になりたいと、心から思った。
結婚したばかりの人や、結婚して幾ばくか経った人で、結婚当時のことを思い出してほっこりしたい人に、おすすめの一冊。 -
涙が出そうになった。
そんな詩が、いくつもある。
かならず何度も読み返したい。
そう思った。
こころを打つ言葉たちに感謝。
なによりも、この詩人に感謝。 -
初めての詩。理解力のない自分はあと何回読んだら理解できるのだろう。