二人が睦まじくいるためには

著者 :
  • 童話屋
4.08
  • (53)
  • (40)
  • (28)
  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 530
感想 : 58
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887470378

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 数年前に贈り物としていただいた詩集。ぱらぱら読んだきり、読み通せていなかった。
    「二人が睦まじくいるためには」という題であるものの、別にお説教くさい内容ではなく、日常の風景や自然を切り取ったものから、子供の誕生に関わる詩まで、幅広く収載。

    私が詩に感動するとき、その根底にあるものは共感だと思うのですが、必ずしも好きな詩ばかりではなかったです。もしかしたら子供ができたらまた感じ方が変わるのかも。

    現時点で好きだったのは、『生命は』『奈々子に』『遊び』『虹の足』。

    『祝婚歌』
    二人が睦まじくいるためには
    (略)
    立派でありたいとか
    正しくありたいとかいう
    無理な緊張には
    色目を使わず
    ゆったり ゆたかに
    光を浴びているほうがいい
    健康で 風に吹かれながら
    生きていることのなつかしさに
    ふと 胸が熱くなる
    そんな日があってもいい
    (略)

  • 夕焼け、奈々子に、小さな出来事が特に良かった。

  • 平易でわかりやすいのに、美しく柔らかく心を掴む吉野さんの詩は、何度も私を待っているようだと思った。

    学校の教科書、大学入試の模試や赤本で10代の頃に読んだ「虹の足」や「早春のバスの中で」、「夕焼け」など、当時も当時で感じ入るものはあったが、20年経って改めて読むと、「あぁ、こんな詩だったのか…」と新たな気付きに立ち尽くしてしまうような気持ち。

    また20年経って読んだら全然違うことを思うんだろうな。楽しみだな。
    何回引っ越してもずっと本棚に置いておきたい本。

  • 小福のお店に貼られている詩

  • 優しいまなざしの観察者
    母を、子を、神聖なもののように見つめている

    奈々子に が特に好き
    子に対する、これ以上の愛はないと思う

    ひとはほかからの期待に応えようとして、自分を駄目にしてしまう
    自分を愛することをやめるとき、ひとは他人を愛することをやめてしまう

    自己肯定感が大切という風潮は最近のものだと思っていたけれど、ずっと前からそれを伝えている人がいたなんて

  • すきなものに感想をひとことずつ。
    「祝婚歌」
    有名な詩ですね。うちの本棚に同名のアンソロジーもあります。結婚式のスピーチで読まれる定番らしいですけど、あまりおよばれしたことがないせいか、実際に聴いたことは、まだありません。
    「ひとに」
    こんなことを好きな人にいわれたら、最高に嬉しいでしょうね。
    「早春のバスの中で」
    若い人がうらやましくなります。
    「生命は」
    私も、誰かの風になったことがあるのかな。
    「白い表紙」
    幸せな光景です。
    「夕焼け」「I was born」
    このふたつの詩は教科書で読んだ記憶があります。
    「美しい夕焼けも見ないで」という結びが印象的です。
    「雪の日に」
    毎日、雪ばかりで嫌になったら(北国に住んでいますから)この詩を思い出すといいかもしれないですね。
    「奈々子に」
    これも、親でなくても、誰かに言われたら、大切にされているのを嬉しく思うでしょうね。

    他の詩も素敵なものばかりです。
    解説は茨木のり子さんです。

  • ブクログ通信で知った本
    「祝婚歌」YouTubeで合唱を聴いてみた
    メロディにのせた方が少しは良さがわかったような・・・ この手の詩への感情は人より薄い・・・

    好みの詩は
    「夕焼け」電車でおとしよりに何度も席をゆずらなくていけないような状況におかれたやさしい心の持主の娘
    やさしい心の持主は他人のつらさを自分のつらさのように感じるから。
    やさしい心に責められながら・・・
    「奈々子に」
    作者から娘さんへおくりたいもの
    健康と自分を愛する心
    「風が吹くと」
    風が吹くとお池の水にシワが出来るのね
    なにが吹くとおじいさま
    おでこやほっぺにシワが出来ちゃうの
    ~子どもらしいかわいいつぶやき

  • ◆きっかけ
    『この声をきみに』
    ◆感想
    図書館。冒頭の「祝婚歌」がドラマのなかで読み上げられているのを耳にして、文字で、他の作品と共に読みたいと思って。
    以前借りて読んだ『贈るうた』に掲載されていたものも多く含まれていた。
    祝婚歌、一言一言が、染み入る。それを心にいつも留めておきたい。購入して手元に置きたい。「愚かでいるほうがいい 立派すぎないほうがいい」「非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい」「正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだ気付いているほうがいい」
    「生命は」の「めしべとおしべが揃っているだけでは 不十分で」の部分を読んで、最近読んだ『春の数えかた』で、そのまま分裂して増えていけばいいところを雌花と雄花にわざわざ分かれているのは、世界に異変が起きた時に対応するため、突然変異をして生き残るためだというようなことが書かれていたことを思い出した。
    親子、母子の詩も多かった。「奈々子に」は、そっくり、娘への気持ちと重なって響いた。「ひとが ほかからの期待に応えようとして どんなに 自分を駄目にしてしまうか お父さんは はっきり 知ってしまったから。 父さんが お前にあげたいものは 健康と 自分を愛する心だ。」
    「創世記」の臍の緒のエピソード、長女の出産を思い出した。助産師さんに取り上げられた娘の、水を含んでパンパンな顔。想像より白かったへその緒。もうすぐ息子が誕生する。どんな出会いになるんだろう。
    「虹の足」他人に見えて、自分には見えない幸福…。
    「ほぐす」これも、ドラマの中で読まれていた。「結ぶときより、ほぐすとき すこしの辛抱が要るようだと」
    「I was born」
    巻末の、茨木のり子さんの解説も良かった。祝婚歌についてのあれこれ。銀婚式にも合うねという話。両親の還暦祝いと共に送ろうかと思って、目上の人に送るのもどうかなと思ってやめた。
    2018/1/9
    文庫の『吉野弘詩集』を購入したのでこちらの購入はやめよう。2018/3月

  • 吉野弘の詩から「愛」と「いのち」にかかわるものを集めています。著名なものは収録されています。装丁もきれいで読みやすく、人に差し上げるのに最適です。

  • あまり響かなかった。むしろ苦手な部類だった。

全58件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1926-2014 詩人。山形県酒田市生まれ。代表作は「夕焼け」「祝婚歌」など多数。校歌・社歌も多く作詞。詩集に『贈るうた』『夢焼け』『吉野弘全詩集』など。読売文学賞詩歌俳句賞、詩歌文学館賞受賞。

「2015年 『吉野弘エッセイ集 詩の一歩手前で』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉野弘の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
茨木 のり子
村上 春樹
三浦 しをん
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×