電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010年4月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887598089
感想・レビュー・書評
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2010年の電子書籍予想図
AmazonがiPad対策でプライムユーザーにKindle1を無料で送ったって話
まるでどこかのkoboTouchみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
電子書籍の歴史に近い。
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遅ればせながら電子書籍の世界での名作を読む。3年以上も前に書かれたと思わせないほどのディテールと有用性、しかしそう思わないのは電子書籍市場がそれだけ進んでいないことでもある訳で、いやはや。
国会図書館の電子アーカイブ実験って言って7冊だけ公開している場合じゃないですよ、本当。 -
ipodのように、小さな端末にたくさんの本が入ることは、読書家にとっては便利なこと。
学生が分厚い辞書を持たなくなったのと同じ。
ただし、辞書の市場は国内年間250万台ほとで飽和している。
amazonはkindle用にも紙の書籍と同じ卸値で、
1冊につき3ドル赤字を出し安く販売していた。
競合ipadの出現で、版元の望むエージェント料30%で、売価は出版元が決める。
というappleの方法に沿うが、
むしろ利益は増えるし、さらに、kindle3万円が要らないipad用のアプリも出す。
どちらが勝者になるかはまだ分からない。
ソニーはネット販売のないことを逆手に取り、家電販売店や書店での攻勢をかける。
ただし、機器のエンジン(LSI)は同じもの。
さらにODMにより機器自体は台湾中国で調達するコモディティ化も近い。
それまでは先駆ユーザーから大きな利益を得て、
体力勝負になれば、ビジネスプラットホームでの優位さを利用し、生き残る。
そもそも著者、版元、流通の利益で、最も大きいの流通である。
これは書籍だけでない。生み出しているものの方が利益が少ない。
小作農と地主の関係となっている。
kindleの特徴は、いくつかあるが、
ソニーにない最大のものは通信機能をこっそり内蔵したこと。
PCのamazonで購入するとkindleにebookが入っている。
ケーブルをつないだり、面倒な接続設定は不要。
ただし、本書終盤は、
ソーシャルメディアでコンテキストを構築という論理になっている。
娯楽としての書籍はそうであってもいいのだろうが、
より主体的なもの、あるいはビジネスや人生上の教養として
の書籍なら、別の論理になろう。 -
2年前に書かれた本ですが、今の現状をよく把握していたと思います。途中、著者が書いていたように音楽中心の話になりますが、前半部分は電子書籍の未来を予言しているかのように書かれていました。
特に、このブグログ、パブーのようなサイトができたことは電子書籍の一般化に向けて大いに貢献していると思います。
私も電子書籍のタブレットの購入を検討しています。Kindleの発売を待っての様子見ですが、日本の出版業界でどれだけAmazonの力が発揮できるかが勝負になっていると思います。
活字離れをしているわけではないということを知る上でも参考になりました。 -
思ったより面白かったし示唆が含まれていた。
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電子書籍の数年前までの動き、日米の比較は興味深く読んだ。
ただ、俺はこの本を「読者」として読んだので、殆どの部分で共感できなかった。
誰でも出版できる、ということをこの人は賞賛しているのだけれど、「マス向けのコンテンツをこき下ろして草の根活動してるアマチュアを賞賛」という類の考えには俺は全く賛成できない(だって読みたくないもの)。
参加型、SNSを活用した、とか言われても、それは売る側が感じる魅力であって、読む側からするとだから?という感じ。
電子書籍について最近よく感じるのは、売る側のメリットはよく言われる反面、
電子書籍にすることで、本好きの俺はどう幸せになるの?
ということがイマイチピンとこないんだよなぁ。 -
2010年発行で、タブレット端末が発売されて、タブレットをネット端末よりも、電子書籍端末としてとらえているが、基本的にはしっかり時代の波をよんでいるのではないだろうか。
前半は音楽業界の盛衰の歴史と、iTunes store を絡めて、同じような波が出版界にも来ているとしている。そのうえでプラットフォームと、コンテンツの量が重要なキーになると考えている。
今後の出版界はセルフパブリッシングになると考えている。元月刊アスキーにいただけあって、編集だけではなく、IT関係の流れもよく知っているようであった。 -
紙の本で読んだ。
電子書籍を読むためのデバイス(iPadやキンドル)についてやアップルとアマゾンの電子ブックをめぐるプラットホーム戦争については、興味のある人は読んで損はないと思う。
日本の出版文化のダメさや流通の問題点はよく知られていることなので、読んでいて新鮮さはなかった。興味のある人はどうぞ、といったところでしょうか。
個人的に気になる、というか興味があることが。
電子書籍を読むための機器(デバイス)について。
ここでは主にiPadとキンドルについて解説されていた。注目するところは電子書籍によって本はアンビエント化=環境化するという。
アンビエント化とはいつでもどこでも自分が読みたいと思う本を瞬時にデバイスからひきだして読むことが出来るということ。
紙の本はなくならない(と思うけどさ)だろうけどほとんどの書棚と紙の本が消えた後に僕らが失うものはなんだろうか?
そんなにネガティブに考えなくてもいいかもしれないけど、紙の質感やインクの香りや頁をめくる感覚や大量の本が詰まっている本棚の前で未知との遭遇を望むように佇む感覚に愛着を感じる旧世代として、そこらへんがすごく気になる。
失うものがなんなのか具体的には分からないけど。あるいは失ってみて初めて気づく何か。
時代の流れとしては、これからは電子書籍とわずかな紙の本のハイブリット型で本を読んでいくことになるんだろうなー、と読後に薄っすら感じた。 -
二年前に書かれた本だからか、導入部分はあまり興味をひくようなことは書かれていなかったが、中盤から後半は興味深く読んだ。
電子書籍の衝撃というよりも、ソーシャルメディアの衝撃という印象を強くもったのは、iPadやKindleを利用していないせいかもしれない。
ソーシャルメディアのコンテクストの中で、いかに「自分」というコンテンツをセルフパブリッシングしていくか。
カタカナで書くとよくわからないけど、要はやりたいことを思いっきりやれる時代なんだということ。そして何かに迎合していたんじゃあ、生き残ってはいけないよ、ということ。
著者のメルマガを読んでみようかな、という気にすらなった本でした。