電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.71
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本棚登録 : 2517
感想 : 421
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887598089

感想・レビュー・書評

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  • なかなか衝撃的な内容。電子。書籍の特性、受容する出版業界とソーシャル化する社会。出版業界批判が多いのは発行所故か。
    批判は全くのものにも見えるが、既得の権益に組み込まれている人が多いのもまた事実。いかに動いていくべきか、考えさせられた。
    またこの本は良書、文学という概念に酷く懐疑的。本当にそうなのか。これは社会が決めることなので、これからの動きによるのだが、その視座を得られたらことは大きな収穫だった

  • スマートフォンで初めて購入した電子書籍がこの本。

    内容は思っていたよりもアカデミックな印象を受けました。社会学的な視点を多く用いて、書かれていたので、結構おもしろく読むことができました。音楽業界との対比も興味深かったです。

    日本ではまだまだこれからだと思いますが、ポテンシャルは高いと感じました。個と個とのつながりが益々強まる現代においては、著者と読者の関係が、より狭く深くなっていくこと、電子書籍がそれに寄与していきそうなこと、そんなことを教えてくれました。

  • 電子書籍関連の本の総本山的な内容でした。
    電子書籍に纏わる新書を読みたいのであれば、この本を先に読んでみるのはありだと思います。

  • iTurns/ipodの音楽業界に与えた影響も知りことが出来る。出版業界でも、今後、同じようなことが起こるのか、注目して行きたくなった。

  • 2011/4/30読了。
    電子書籍という新たな流れが、本の世界をどのように変えていくのかということを、一足先に電子化が進んだ音楽業界が辿った変遷をもとに考察していく。電子書籍は本の流通や読まれ方を大きく変えるであろうが、それは単に出版文化の破壊といった負の変化ではなく、新たな価値を提供するだろうという主張である。
    日本における本の流通システムは、当時の情勢に於いては画期的で、有益なものであったかもしれないが、その成功に固執したことでシステムがこう着し、結果として良書を生み出す土壌は崩壊しつつある。この行き過ぎたシステムへの固執が後に腫瘍となってしまう現状は、官僚主義として日本のいたるところに見られるものであるが、テクノロジーの進化(ウェブの発展やSNSの台頭)によって変化せざるをえない状況になるのではないかと期待してしまう。

    本全体の構成に流れが感じられ、説明や例示も丁寧であるため、非常に分かりやすいと感じた。また、著者の数冊の著作を拝読して、プラットフォームの変化を出発点にした考察に興味を抱くようになった。

    ○良いプラットフォームの条件は、「多様なコンテンツが豊富にそろっている」「使い勝手がよい」「アンビエントである」の3つ。
    ○電子書籍の円環
    ①電子ブックを購読するのにふさわしいタブレット
    ②タブレット上で本を購入し、読むためのプラットフォーム
    ③プラットフォームが促すセルフパブリッシングと、本のフラット化
    ④コンテキストを通して、本と読者が織りなす新しいマッチングの世界

    ・アンビエント:遍在の意。私たちをとりまいて、あたり一面にただよっているような状態。
    ・マイクロコンテンツ化:コンテンツが細分化、断片化されて流通する状態になること。
    ・マイクロインフルエンサー:自分にとって最も良き情報をもたらしてくれる人。

  • 佐々木さんの文書構成力が凄まじいと思ってしまう。拡散と収斂ですね。ちゃんと読者がついてきているかを確認しながらの文章でとてもわかりやすかったです。そしてKindle欲しくなりましたw

  • せるふぱぶりっしんぐはまだ世間から認知されにくい。
    それを踏まえた上で、どうしたら私の小説が売れるのか考えてみよう←

  • 出版業界で働きたいと考えている人はぜひ読んだほうがいい。電子書籍に関してだけでなく、出版業界の現状分析にも役立つ。終わりのほうに出てくる「マイクロインフルエンサー」に関する記述は次作の『キュレーションの時代』を予感させる。
    また、電子書籍についての本にも関わらず、技術の変革によって人々の意識がどう変わるのかなど、情報社会における思想書としても読める良書。一方で、著者のマスメディアに対する嫌悪感といったらもう…w

  • 結局、電子書籍をどうしようか。私は現物派であるけれども、電子書籍はもう今更止められない。毛嫌いするだけではなくて、ちゃんと比べないと。

  • なかなかわかりやすいまとめの本かと。iPadとキンドルの比較かな?と思ったら、そういうわけではなかった。※もしそうだったとしたら的外れだよなかつての音楽業界と今の出版業界を重ね合わせて、道筋を想定して書かれている。筆者は出版業界にいて、かなり内状に詳しいし、現在の出版業界を切って捨てる見方をしている…。ばら売り・オンライン販売が当たり前になった音楽業界。出版業も末路はそこにあるのでは、と筆者は大筋みている。いくつか懸念点はあっても、個々人が出版あるいは編集し、とてもマクロにフィットしたテキストが、もっとダイレクトにユーザーの手に渡る時代が来ると。確かに理想形だし、いまや基盤が整った音楽業界を見ると、けっこう納得してしまいます。一部の例外を除き、ほぼテキストは何らかのデバイスで見るものになりそう。この本を読んでそんな風に思ってしまった。僕も仕事ですこし出版系の話を聞くけど、Webに身を置く僕としては「古い」としか思えない体質。すでにあき時間の使い方がiPhoneでブラウジング、アプリで各種メディアをざっと見する僕のスタンスを考えると、業界の条件が整えば、すくなくとも僕はすんなり移行できそうな気がしてます。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2022年 『楽しい!2拠点生活』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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