道 [DVD]

監督 : フェデリコ・フェリーニ 
出演 : ジュリエッタ・マシーナ  アンソニー・クイン  リチャード・ベースハート  アルド・シルヴァーナ 
  • アイ・ヴィ・シー
3.90
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感想 : 128
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4933672226095

感想・レビュー・書評

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  • 栄えある2021年初劇場鑑賞作品は本作。

    最後に劇場で鑑賞できたのはいつだったのだろうとカレンダーをさかのぼると昨年2月中頃のようす。実にまる14ヶ月かかったことになる。自身の劇場鑑賞優先主義に基づけばこれは由々しき事態であり、残り短い一生の中ではこうしたことは二度と起こってほしくないし起こしたくもない。

    本作は上質なイタリアンオペラを観せてもらったような気分にさせてくれる。自分にとっての「上質なイタリアンオペラ」の定義がなんなのかはとりあえずどこかに置いといて。

    鑑賞後、最寄り地下鉄駅のUptown側が週末メンテの影響で閉鎖されているであることは来訪時に気づいていたので、動揺することもなく北へ一駅歩くことにした。

    久々のWest Village界隈、程なく歩いて思いついたのは長年足繁く通わせていただいた居酒屋の跡地を訪ねること。その店はコロナ禍のあおりを受けて昨年末閉店となってしまった。幸か不幸かその場所には後続のテナントはまだ入っておらず、旧テナントのロゴもそのまま残っていた。その姿をスマホに収めてみたり。

    そういやフェリーニが気になったのはこの居酒屋のトイレに「甘い生活 La Dolce Vita」(1960) のポスターが飾ってあったのが発端だった。この作品が同じ界隈にあるIFC Centerで上映されていることを知って観に行ったのは何年前のことだったのだろう。二階の待合いスペースに上映中作品の貴重な関連ポスターを展示するのが恒例だったのだが、そのときには「道」という字が入った日本版フェリーニのポスターが貼ってあったこともほのかに覚えている。その映画を14ヶ月の病気療養期間を経て鑑賞する機会を得た…。そんなこんなに思いを馳せたのは帰ってこれを書き出してから。なんだろ、この巡り合わせは。行き先のわからぬ螺旋階段をのぼるような感覚。

    上映前の近日上映予告には「8 1/2」(1963) と「カビリアの夜 Le Notti di Cabiria」(1957) が含まれていた。今回の鑑賞を通して主演女優のジュリエッタ・マシーナが気になってしょうがなくなってしまった自分にとっては彼女主演の後述作品ははずせないとして、この螺旋のゆくさきを見極めるためには前述も欠かさずに観る必要がありそうだ。

    いままで気にもしなかった「主張するマスク」でも探してみたくなった。監督名とかが入ったやつでもカスタムオーダーして、それをつけて劇場に行ってみたいというささやかな望み。

    そんな土曜のよる。

  • 「道」フェデリコ・フェリーニ。哀愁ある曲。ぴったりな話。たった1万リラ(3万円らしい)で旅芸人ザンパノに売られた知的障害のあるジェルソミーナ。夫婦のように暮らすのにザンパノは決して「好き」と言ってくれない。

    「私は役立たず」と嘆く彼女にザンパノのケンカ相手が言う。「この世の全てのものに役割がある。小石にだってある。俺は無学で小石の役割を知らないが神様は知ってる」ケンカ相手は乱暴者のザンパノに誤って殺されてしまう。眠るジェルソミーナの傍らに唯一吹けるトランペットを置いて行く所が好きだ。

    観てる時じゃなく、見終わって数分経ってから涙が込み上げてくる映画でした。
    ニーノ・ロータの音楽。

    「道」。ダンナは筋だけ教えてくれれば良いと言って、一緒に観なかったのだが「とにかく曲が良いよ」つったら「ニーノ・ロータの映画音楽は良いことで有名」と教えて貰う。wiki見たら太陽がいっぱい、ロミオとジュリエット、ゴッドファーザー<愛のテーマ>等知ってる曲満載。そうだったのか!

  • 内容(「キネマ旬報社」データベースより)
    大道芸人が白痴の女を奴隷として買った。男の粗暴な振る舞いにも逆らわず、彼女は一緒に旅回りを続けるが、やがて捨てられる。ある日男は、彼女の口ずさんでいた歌を耳にする…。人間性を蘇らせるまでを描いたフェリーニの名作。



    1954年製作・公開のイタリア映画。
    お互いに孤独な者同士だと 一瞬気が付いたかに思えた場面があったと思ったんだけどなぁ...
    大切な人なのだと亡くしてから気づく...人間の哀れさがとても伝わってくる。
    大切な人の存在の大きさに気づき 海辺で泣き続けているザンパノのラストシーンがホント哀れです。

    • yhyby940さん
      小学生の頃、NHK教育で観ました。年老いたザンパノの号泣が、62歳になった私には切実にわかるような気がします。演出ではもちろんないですが、モ...
      小学生の頃、NHK教育で観ました。年老いたザンパノの号泣が、62歳になった私には切実にわかるような気がします。演出ではもちろんないですが、モノクロの映像がより哀愁を帯びているように思えます。
      2021/11/03
    • hiroさん
      yhyby940さん、コメント有難うございます。
      歳とともにわかる事って多いですよね。考え方も変わっていきますし...
      ホント、モノクロがザ...
      yhyby940さん、コメント有難うございます。
      歳とともにわかる事って多いですよね。考え方も変わっていきますし...
      ホント、モノクロがザンパノの哀れさを引き立たせていると思います。
      2021/11/04
    • yhyby940さん
      コメントありがとうございます。ジュリエッタマシーナのジェルソミーナの無邪気さ無垢なところが余計に哀れを誘います。テーマソングも良かったですね...
      コメントありがとうございます。ジュリエッタマシーナのジェルソミーナの無邪気さ無垢なところが余計に哀れを誘います。テーマソングも良かったですね。また、観たくなりました。
      2021/11/04
  • BSプレミアムシネマで。
    旅芸人の相棒になった女性の話。
     辛い事ばかりだけど旅芸人についていく。
     最後は捨てられて。
    女性が死んだ事を聞かされ悲しむ旅芸人。

  • 映画メモ。

    ここのところ古い映画をいくつか見ているけれど、キャラクターが現代の映画よりも一つの方向性に突き詰められているなあ、と感じることが多い。
    この『道』もそう。
    ザンパノはひたすら粗暴、ジェルソミーナは献身的、綱渡り芸人はうっすら恐怖を覚えるほど捕われず自由。
    ザンパノが自らの罪深さに気がついた時、たぶん彼の人生の中で最もジェルソミーナを必要としているんだけど、既に彼女は彼自身の振る舞いによって亡くなっているのが、ただただ悲しい。

    • りまのさん
      snowdome1126さん

      おはようございます。はじめまして!フォロー頂き、ありがとうございます。
      「道」という映画、悲しく、切ない映画...
      snowdome1126さん

      おはようございます。はじめまして!フォロー頂き、ありがとうございます。
      「道」という映画、悲しく、切ない映画でした。私は若い頃、「道」の、ジュリエッタ・マシーナに似ている、とある人に言われ、複雑な思いをした事があります。
      、、、それでは、今日も暑くなりそうです。熱中症に、気を付けて、良い一日を、お過ごしくださいね (*^^*)
      2021/08/04
    • snowdome1126さん
      >りまのさん

      こちらこそ、はじめまして!
      コメントいただけて嬉しいです。
      「道」、心に残る映画ですよね。
      ジュリエッタ・マシーナ...
      >りまのさん

      こちらこそ、はじめまして!
      コメントいただけて嬉しいです。
      「道」、心に残る映画ですよね。
      ジュリエッタ・マシーナは、目の表情がとても魅力的な女優さんだなあ、と感じます。
      本当に、暑いですね〜(笑)。
      おたがい、体に気をつけて過ごしましょう^^
      2021/08/04
  • 高評価がなされているのがあまり理解できない、冗長だし、美しい場面もないですし、最後も救われないので
    皆さん、これまでの評価に乗っかってるのでは?と思えたり
    私はカッコをつけずに評価する(笑)

  • 1954年イタリア。
    フェデリコ・フェリーニの名作といわれる。音楽も有名。
    乱暴な旅芸人の男が、少女を買って相棒として連れ歩く。
    やがて悲しい結末。
    どうも感情移入できませんでした。

  • 力自慢の乱暴者の旅芸人のザンパノがジェルソミーナという知恵足らずの女を相棒として買ったことで、彼の人生は変わる。それまで相棒としてきた少女達はどこで死のうが逃げようが対して気にしてこなかった彼だが、健気に付き纏う彼女の純粋さに、戸惑って、つっけんどんにした挙げ句の果て……なんとも不器用で切ない人間劇だった。

  • 監督フェデリコ・フェリーニ
    主演俳優アンソニー・ホプキンス
    主演女優ジュリエッタ・マシーナ
    主題曲ニーノ・ロータ
    https://youtu.be/9wGqevjzxMQ

    名作映画紹介などで粗筋は知ってしまっているし、フィギュアスケートで曲も知っているけれど、観たのは初めてです。

    フィギュアスケートだとこうなります。
    https://www.youtube.com/watch?v=X6AnaTmyarg

    以下映画ラストまでネタバレしています。
    ***
    海辺の貧しい村に住むジェルソミーナは、旅周り芸人のザンパノに助手兼下働きとして買い取られる。ジェルソミーナの家は貧しく父は死に子沢山。かつては姉のローザがザンパノに売られたが、彼女が死んだので身代わりになったのだ。
    もう大人の年齢だが、知能に障害があるジェルソミーナは、家族の役に立つし、芸も教えてもらえるならと喜んで旅に出る。
    たがザンパノはジェルソミーナを乱暴に扱う。ついに逃げ出そうとするジェルソミーナは、辿り着いた町の祭で、陽気な綱渡り芸人と出会う。
    だがジェルソミーナはザンパノに連れ戻され、暴力を受けることになる。
    ザンパノとジェルソミーナはサーカス団に合流する。そこには町で会った綱渡り芸人がいた。彼の陽気さは、享楽的でその綱渡り芸と同じように危なっかしく、"キ印"の呼び名を持っていた。彼は常に一人で、自分はいつか落ちて死んで誰からも忘れられるのだという。
    芸人同士の知り合いであるザンパノを見るとつい必要以上にからかいたくなってしまうが、その行き過ぎた挑発は、ザンパノを更に暴力的にさせ、ついに二人共警察に捕まってしまう。
    一人残されたジェルソミーナはサーカス団員たちから、あんな男から離れて一緒に来るように誘われるがどうしてよいかが分からなかった。
    一人夜を過ごすジェルソミーナの元に、先に留置所を出た綱渡り芸人が訪れる。
     私は何の役にも立たない。なぜ生まれてきたのか。サーカス団に誘われたけれど、一緒に行ったって自分が何の役にも立たないということは変わらない。
    そういうジェルソミーナに、綱渡り芸人は言う。 
     道の石ころだって役に立つ。自分でそうとは分からなくても。この世に必要ないものなんてあるものか。
    綱渡り芸人はジェルソミーナにトランペットのメロディーを残して去る。
    ザンパノを待つことにしたジェルソミーナだが、留置所から出たザンパノは相変わらず粗暴だった。どうせ一緒にいるならあなたと結婚してもいいわ、というジェルソミーナの言葉にも心を動かさず、親切にしてくれた修道院では盗みを働き、ジェルソミーナを傷つける。
    そして旅の最中にたまたまあの綱渡り芸人と鉢合わせる。怒り心頭のザンパノは綱渡り芸人を酷く殴りつけ、ついには殺してしまう。
    その様を見たジェルソミーナは精神は壊れる。
    助手としても女中としても役に立たなくなり、うわ言を繰り返すジェルソミーナをザンパノはついに置き去りにして去って行く。

    数年後、相変わらず旅周りの怪力芸を続けるザンパノは、海辺の町に立ち寄る。
    彼の耳に入るメロディー。それは、かつて綱渡り芸人がジェルソミーナに教えた曲だった。
    ザンパノはその曲を口ずさむ女に声をかける。
    曲の由来を聞かれた女は答える。
     この曲は、4.5年前にここにいた女の人がトランペットで吹いていました。彼女は海辺を流離い、ここに連れて来たけれど、何も話さずに死んでしまいました。彼女の身元はついに分かりませんでした。
    その夜ザンパノはひどく酒に酔い暴力的になった。
    海辺で流離うザンパノは、倒れ込んで嗚咽を漏らす。
    それはザンパノが初めて見せた人の情だった。

    • nejidonさん
      淳水堂さん、こんばんは(^^♪
      この映画を観れるなんて、お若いんですね。
      私はとてもとても辛くて正視できません。。
      フェリーニは一番...
      淳水堂さん、こんばんは(^^♪
      この映画を観れるなんて、お若いんですね。
      私はとてもとても辛くて正視できません。。
      フェリーニは一番のお気に入りだったそうですが。
      日本公開は1957年5月25日雨の日曜日、日比谷スカラ座は満席で、
      立見客もたくさんあったそうですよ。
      一般200円、学生150円。でも今よりはずううっと高価格なんですって!

      綱渡りの男イル・マットに教わってジェルソミーナが吹いていたラッパの曲も
      ずいぶん流行ったようで。
      まだまだ貧しかった当時の人々の心に染み入るものがあったのかもしれません。
      ところでザンパノがジェルソミーナを買いとる1万リラは、当時の
      為替レートでは5千円にも満たないのだそうで。いやぁ、切ない話です。
      つまらないことを長々と書いてすみません。
      一生懸命見た頃を思い出して書きこみました。
      今年もどうぞよろしくお願いします☆☆☆
      2020/01/05
    • 淳水堂さん
      nejidonさんコメントありがとうございます!!

      いやいや、私ももう戦争もの、収容所ものは読めません…
      これは私の「死ぬまでに観な...
      nejidonさんコメントありがとうございます!!

      いやいや、私ももう戦争もの、収容所ものは読めません…
      これは私の「死ぬまでに観なければリスト」に載せてる映画なので、テレビ放送されてたので観ておきました。

      一万リラはそんなに安かったんですね。
      それで大喜びしていたジェルソミーナの家族…
      ジェルソミーナの出会った人たちは、ザンパノ以外は彼女に優しいんですよね。それでも留まったジェルソミーナ。
      これで2時間弱ですから、凝縮されていますよね。

      去年のブクログ見直して、登録数が少なかったので(観たけど登録しなかったものもあるけど)、
      今年はガンガン読んだり観たりしていきたいです。
      今年もよろしくお願いします!
      2020/01/06
    • しずくさん
      「いいね」をありがとうございました!
      私もブクログには載せていませんが、前から書いているブログに「道」のレビューを書いています。思いがけず...
      「いいね」をありがとうございました!
      私もブクログには載せていませんが、前から書いているブログに「道」のレビューを書いています。思いがけず名作に触れ、私なりの感想でした。
      お暇な時に読んで戴ければ幸いです。URLは
      http://amegasuki3.blog.fc2.com/blog-entry-263.html 
      2020/01/17
  • 不思議な映画。
    妙に魅力的なヒロイン。そう、ピエロみたい。

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