アメリ [DVD]

監督 : ジャン=ピエール・ジュネ 
出演 : オドレイ・トトゥ  マチュー・カソヴィッツ  ドミニク・ピノン 
  • パンド
3.92
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  • (38)
本棚登録 : 5896
感想 : 1075
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4941565301477

感想・レビュー・書評

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  • 不思議な世界の映画。表現が楽しい

  • 人間というのは皆一様ではなく、それぞれ他人とは違った癖、習慣というものがある。それらは一見すると奇異な風景かもしれないが、本人にしてみれば真面目にしているのであり、彼の日常の中によく溶け込んでいるのだ。
    アメリもそんな女性で、常日頃から周りを観察し、妄想をふくらまして愉しんでいる。そしてバイトをしながら、買い物をしながら、家にいながら出会い、発見した物事に対して何らかの変化を起こそうとする。そうすることで彼女は徐々に他人の人生に少しだけ介入することに愉しみを見出してゆく。これは実はアメリにとってものすごく意義のあることで、子供のころから孤独でコミュニケーション不足だった彼女が見ず知らずの人とかかわりあうこと自体、まさに未知への遭遇なのだ。
    だが、後半でも彼女はそれに気づかず、他人を幸せにしても自分自身は結局何も変わっておらず、空虚さを感じ、涙する。その時、ドアが開かれる。彼女が恋した男の登場だ。単調である一方で心躍らす音楽が終始流れ、特にここでは雰囲気を頂点へと盛り上げる。そして、本当に彼女が人と向き合い、愛し合えることで物語は終結するが、彼女の人生はこれから新しく進み始める。

  • 請求記号:02D043(館内視聴のみ)

  • 人の感想をきくと「かわいい」「おしゃれ」とのこと。いたずら好きな女性が主人公とは知っていたものの、こんなにシュールだとは思っていなかった。

    色彩についてはとてもこだわりを感じた。各シーンが絵になるように細部まで気を遣っているのがわかる。
    全体を通して赤と緑が多用され、ときに補い合うようにまたシーンが移るにつれ全体の占める座を譲り合っていく。赤・緑がかって見えるフレームを使っているのかな。
    車にはときどき青が使われる。宝箱の持ち主を探すシーンの塀や瓦礫の薄茶色が全体を覆う中の青いビートルはとてもきれいだった。
    音楽もノスタルジックで視覚の雰囲気ととても合っている。

    ストーリーは基本的にシュールだ。
    神経質な親に半ば虐待的に育てられ、社会的な発達に問題があり妄想癖の強い主人公が、神経質だったり孤独だったりと問題を抱える周囲の人たちに陰からのおせっかい(または報復)を実行する。
    一方で肝心の自分はというと、黒子のように隠れて間接的に現実に関わるのは得意だが自分が対象と相対して何かをするのを極度に避けてしまう。そうした傾向から自分の恋はうまくいかないところを主人公が克服していく。
    登場人物たちの性質とその描き方、また登場人物が少し良い方向に進んでいくことは、全てを受け入れ、人生を肯定するようだ。多くの人が自分の不完全さを重ね合わせながら応援するように観るのではないか。

    ストーリーのシュールさについてこのままだと気が済まないのでもう少し書くと、それは冒頭から炸裂していた。
    主人公が生まれたときに同時に周囲に起きたことを記述するよくある描写の代わりに受精卵ができた様子とその後の妊婦の腹の膨れの経過を見せたり、母が飛び降り自殺者にぶつかって死んだりするのは作り手側は奇抜で面白いと思ったのだろうか。工夫自体はいまいちでただただ趣味が悪いと思った。
    (母の死はその前にアメリの目の前で男の子を望んで祈ったことへの罰と、神に祈って皮肉にも女性が天から降ってきたこととかけているのだろうが…)

    このシュールさは、突飛なことを言って個性的な雰囲気を出そうとする薄っぺら平凡な発想かというとそうでもなく、本当に発想がいかれている(そういう意味では評価してもいい)。登場人物の好きなこと嫌いなことを説明するナレーションは半ば病的なものが多い。町を見下ろしながらこの瞬間にオーガズムに達した人の数を想像するなんてアメリもたいがいである。考えるだけならまだしもカメラに向かってにやりとしながら「15人」って。この事もなげな狂気の描写には脱帽した。

    後半はシュールさに私が慣れたのか、面白い描写が多かったと思う。予告したとおりにカフェに来ない理由の想像がおかしなところへ向かっていくところはクスリと笑えた。アメリの人生についてテレビが表現するのも面白かった。厳格な表情で「不幸になる権利を持っている」というのも笑った。

    シュールさにこれだけ愚痴と賛辞を書きたくなるところもすでに術中に落ちている気もする。

  • ヒットしたらしい。適当に小洒落てるし、ちよっとエキセントリックな主人公もキュートで、「あっ、これ私じゃん!」みたいな女子がたくさんいたんだろうか(笑)
    丁度いい個性感、有り体に言えば、許容できる範囲のエキセントリックさに収まっているから、キュートと受けとめられたとも言える。下手するとただの妄想電波女だし。語り口は正直うるさい。メタムービー的な主人公が観客にアイコンタクトする古臭い演出や、堤幸彦風?の個性全開の映像、色彩処理は正直ウザい。毒気のないテリー・ギリアムみたい。これなら「地下鉄のザジ」の方が好きかな。細かなエピソードを丁寧に積み重ねる点は評価する。CMとかやってた人なのかな?エリック・サティ風のBGMは(笑)

  • 良い。
    ユニーク。アメリ、魅力的。

  • 本もいいけど、たまには映画でも。
    というわけで、今回はこの一本を見てました。

    フランスで最も興行収入が高かった映画。

    <映画の紹介>
    『デリカテッセン』『ロスト・チルドレン』で知られるジャン=ピエール・ジュネ監督が、モンマルトルの街で夢見がちに生きる若い女性の軽やかな日常を描いた、ポップなヒロイン・ムービー。
    22歳のアメリ(オドレイ・トトゥ)は、ある日“他人を幸福にする喜び”に目覚めて密かな悪戯にひたっていくが、やがてひとりの青年に恋したことで、メルヘンの世界から現実へ踏み出す必要へと迫られていく…。
    どこかお人好しでお節介、そのくせ自分からはなかなか翔び立てない小悪魔アメリのキュートな可愛らしさは、特に若い女性客に好感と共感を持って受け入れられた。遊び心たっぷりの映像と音の演出も小粋で楽しい。フランス本国、そして日本でも驚異的大ヒットを記録し、「観た人を幸せにする映画」という監督自身の弁を見事に裏付けることにもなった快作である。

    この映画は飾らない日常っぽい感じが良かったです。
    テンポのいい映画だなーと思いました。

    世の中的には「ちょっと普通じゃない」って思われてても、その人たち個人を見ればいいとこもいっぱいあるし、そういう人たちだからこそ気づくことや人に優しくなれたりして、「普通ってなんなんだろ」って思いもちょっと抱きました。
    普通にならなきゃって強迫観念で頑張って疲れちゃうより、ありのままの自分をそのまま表現できる幸せってあるんじゃないかな、とか。

    あと、自分の本心をなかなか表現できなくても、絵の中の人物としてとか、歌詞に乗せてとかなら言える、そんな心情も共感を持ちました。

    「本当のことは歌の中にある いつもなら照れくさくて言えないことも by斉藤和義」

    ビジネスの場は別として、になるけど、うまく表現できなくたっていい。
    表現しようとするなら、そいつは相手にきっと伝わると思います。

    元気になる映画でした。

  • 繰り返し観る映画。
    初めて観た時の恥ずかしさと衝撃とラストの幸福感は忘れられない

  • かつて映画館で観たが、フランス旅行を前にレンタル。
    人間と関わって生きていくことを恐れないで。。。
    素敵な作品。

  • 運命の人

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