- Amazon.co.jp ・電子書籍 (321ページ)
感想・レビュー・書評
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アップル社のクリエイティブ・ディレクターとしてスティーブ・ジョブズと仕事をしてきたケン・シーガルによる、アップルの成功の秘訣。それは「シンプルであること」。
非常に楽しく読みました。
これはビジネス本ですよね。アップルの成功の秘訣はなにかというのを、マーケティングの一端を担っていた広告業界から分析したものってことですね。
そして、スティーブ・ジョブズの観察記録とも言える。
私は、ビジネス書という視線ではなく、私が大好きになったアップルの歴史の裏側を見る、という角度から楽しく読ませてもらいました。
アップル信奉者ではあるけれど、スティーブ・ジョブズ信奉者というわけではなかったんですが、なるほど、私がアップルをずっと好きでいられたのは、スティーブ・ジョブズがいたからなんだなと改めて知ることができました。
私が仕事でMacをどっぷり使っていたのは、ジョブスがいなかった、混沌とした時代でした。
私の歴代Macは…
IIsi、PowerBook 180(膝が折れそうな重たいラップトップ、おまけに白黒!)、Centris610、PowerMacintosh7600、iBook、PowerBook、iMac(2011)。
一番仕事に使っていたCantrisとPowerMacintoshは、混沌時代のものですよね。外見や箱や変な名前は混沌としていたけれど、それでもMacOSは美しかった。そして、そこからの、「i」シリーズの、美しさ。
アップルを好きでよかった。
Macを好きでよかった。
さて、そろそろ新しいMacを買いますかね〜。
KindleUnimited -
Appleのパートナーだった広告代理店の著者が、Appleとjobsの仕事について記したもの。jobsのすごさは、間違いはするが、熟考の末、間違いだとわかると何の躊躇も無く全力で改善する事だと思わされる。iMacの名前を決めるとき、jobsが出した条件が、sonyのwalkmanのような親しみやすさ、他製品との明確な区別ができるオリジナリティー、だったのに、jobsが提案した名前は「Macman」。ひどい。Walkmanリスペクとし過ぎ。でも、紆余曲折を得て「iMac」にたどり着くところはさすがです。対して、Microsoftと仕事したときのだめさ加減も書かれていて面白いです。
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もっと早くこの本と出会いたかった。シンプル万歳
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Appleの味の秘密
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だいぶ以前に読んだ、スティーブン・ジョブスの本で、「ハングリーであれ」「愚かであれ」という言葉があり気にいっていた。四角大輔氏と本田直之氏の本で本田氏がこの言葉を引用したと書かれていたので、特に4月から気になっていた。この本を読み、その発言などがユーチューブで確認できるとわかり、ジョブスを見て講演の全部を見ることが出来た。アップルの実情がよくわかり面白かった。スタートアップの熱意がよく伝わり刺激を受けている。
〇〈シンプルの杖〉はアップル社内のコアバリューを象徴している。
〇シンプルの杖に打たれるよりは、それをふるうほうがはるかに楽しいのは、あなたにもおわかりだろう。シンプルさの価値を信じれば、あなたは変化を生みだす側の人間になれるし、チームのメンバーを正しい道に導けるし、会社において価値ある人間だと証明できるのだ。
〇選択肢を与えられたときに、正常な人は複雑な道よりもシンプルな道を選ぶ。
〇シンプルさはたんなる目標ではなく、スキルだということを理解してもらいたい。その力をうまく利用するためには、扱い方を学ばなければならない。
〇率直さはシンプルであり、あいまいな言い方は複雑である。
〇頭に浮かんだことを口に出し、それを相手がどう思おうと気にしないのだ。この率直さをいつでも実行したいと思う人、発揮できる人はほとんどいない。
〇スティーブは自分が実行している率直な考え方を他人にも求めた。もってまわった言い方をする人間にはがまんできなかった。
〇とにかく正直になり、出し渋らないことだ。一緒に働く人にも同じことを求めよう。
〇充分によいでは、不充分なのだ。
〇自分が100パーセント信じている仕事にだけ従い、100パーセント信じている仕事だけを承認するならば、その人は誰にも奪えない「完全性」を持つことができる。
〇金を愚かな目的のために使うことや、充分な見返りがないことをひどく嫌った。
〇実際に仕事をする人には敬意を払ったが、指揮や管理をする人にはあまり敬意を払わなかった。
〇シンプルさの親友は、有能な少人数のグループである。
〇スティーブは、「大企業らしい行動」には強く抵抗した。
メモシステムの重要性との関係はどうか
〇最高に頭がよく創造的な少人数のグループがアップルの驚異的な成功の原動力と実行力である。
〇彼がかかわる会議では、席にいる誰もが重要な参加者でなければならず、見物人などいらなかった。
〇アンセル・アダムスの風景
〇冷淡な完璧主義者に好んでなりたい人はいないだろうが、プロジェクトの正しい方向を維持するためには、ときにはタフにならなければならない。
〇考えることは大きく、行動は小さく。
〇アップルには委員会がどれだけあるか知っていますか?ゼロです。私たちは新興企業のような組織です。この星で最大のスタートアップなのです。
〇大きくなったからといってなぜ変えなければならないのか、私にはわかりません。
〇まわりにいる人間は個人的に知っていたいが、私は100人以上のファーストネームを覚えられない。だから100人以上になると、組織構造を変えなければならなくなって、今までどおりのやり方ができなくなる。
〇私は自分がすべてにかかわれるところで仕事がしたいんです。
〇彼は製品デザインの会議と同じくらい熱心に、マーケティングの会議に参加した。
〇彼はあることを重要だと思うならば、そのために時間を見つけるのだ。
〇インテルがしていることはほとんど、一般人の理解を超えている。幹部から聞いた。1種類のプロセッサを設計し、製造工場を建て、大量生産するために必要な投資と努力は、NASAが作った全スペースシャトルの建造に匹敵するという。インテルは他の企業が想像すらできないものを作ることが出来る。
〇プロセスが王様のときに、アイデアはけっして王様になれない。プロセスの段階を増やせば増やすほど、完成品の質が悪くなることは、〈常識〉を働かせればわかるだろう。
〇勤務時間を比べてみると、アップルとIBMなどの企業に差はない。どちらもきびしい仕事だ。それが労働だ。どんなにシンプルさがすぐれていても、のんびりした生活までは保障してはくれない。
〇ミニマルにする。
〇スティーブはOSの新バージョンのマーケティングをいつも大事にしていて、新バージョンが出るたびに、より多くの人にアップグレードしてもらうための戦略を考えてきた。彼が販売に熱心だった理由のひとつは、ソフトウェアがかなりの利益となるからだ。「マイクロソフトはこうやって儲けているんだ」とスティーブは一度ならず言った。「お札を刷るようなものだ」
〇ナイキの作る製品は世界最高です。あなた方がどん欲に追い求めている、とても美しく魅力的な製品です。でも、一方でガラクタも作っています。ガラクタを作るのをやめて、いいモノに集中すればいいでしょう。
〇モデルは事業部が分かれていて、それぞれが独立している。ふたつの大きな事業部は個人向けと法人向けで、両者は独自に経営をし、目標を持ち、専門的知識を有し、製品ラインアップを持っている。各事業部の幹部は他の事業部で起きていることに関心がない。
〇複雑になることは簡単だ。一方で、シンプルになるのはかなり骨の折れる作業だ。製品ラインアップをミニマル化し、ターゲットを融合するためには、みずからをいつもきびしく精査しつづけられる組織でなければならない。それは自然に起こることではない。シンプルさには擁護者が必要なのだ。
〇重要なセールスポイントをすべて盛りこみ、誰も不愉快にしない「完璧な広告」を作ろうとすると、均質化しやすくなるのだ。
〇相手にメッセージを届けるときに、鍵となるのはミニマル化である。
〇疑わしきときは、ミニマル化をする。
〇指揮者のレナード・バーンスタインはこの考えを見事に表現している。偉大なことをなし遂げるには、ふたつのことが必要だ。計画と、充分ではない時間。
〇物事を動かしつづけることによってのみ、チームは適度な集中力を発揮する。
〇ボタンはひとつ:シンプルさの正式な
〇新しいアイデアをつけ加えるならば、古いものを再提案してもいい。
〇商品のネーミングは楽しく、(願わくば)利益になるよう
〇長い文章を作るのはある意味、パズルを組み立てるのと同じだ。単語の選択やフレーズに含まれる意味について話したり、ときには、ふたつの表現の微妙な違いをあれこれ議論したりするのは興味深い。
〇人間を中心に考える。
〇アップルに戻ってからの数年間、スティーブは週に三日はアップルのCEO、二日はピクサーのCEO、そして週末は両方のCEOを務めていた。
〇クレイジーな人たちがいる。
反逆者。
やっかい者と呼ばれる人たち。
四角い穴に丸いくいを打ちこむように
物事をまるで違う目で見る人たち。
彼らは規則を嫌い、
彼らは現状を肯定しない。
彼らの言葉に心を打たれる人もいる。
反対する人も、
賞賛する人も、けなす人も
しかし、彼らを無視することは誰にもできない。
なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。
彼らは人間を前進させた。
彼らはクレイジーと言われるが、
私たちは天才だと思う。
自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、
本当に世界を変えているのだ
〇スティーブの朗読はようやくシャイアットの貴重品保管室から出て、ユーチューブにあげられた。まだ聞いたことがない人がいるなら、この動画には探してみるだけの価値がある。
〇自分はまもなく死ぬ、ということを忘れずにいること。それは大きな人生の選択をするときに助けてくれる重要なツールになります。私はこれほど重要なツールに出くわしたことはなかった。なぜなら、ほとんどすべてのもの――外部からの期待、誇り、きまりの悪さや失敗を恐れる気持ちなどは、死を前にするとすべて消えてしまい、本当に重要なことだけが残るからです。いつかは死ぬのだということを忘れないでください。それが、自分には失うものがあると考えて、抜き差しならない状態に陥るのを避ける最上の方法です。あなたはすでにもう裸になっている。心のままに従うことを妨げる理由はありません……。
死にたいと思う人はいません。天国に行きたいと思っている人でさえも、そこに行くために死にたいとは思わない。それでも私たちは皆、死ぬ定めなのです。死をまぬがれた人は誰もいません。それでいいのです。死は人生が生みだした唯一にして最上の創造物だと思われるからです。それは人生に変化をもたらす因子です。死は古いものを一掃して新しいものへの道を開いてくれるのです。
〇シンプルにすることは本当はむずかしいのに、簡単そうに見えることがあるのだ。
〇テクノロジーは人間にかかわることだという事実を見失うことはなかった。つまり、テクノロジーは人間の想像力をかき立て、人間を満足させつづけ、人間を笑顔にさせるものなのだ。
〇彼はよく、自動車王のヘンリー・フォードの有名な言葉を引用した。「世間一般の人に何がほしいかと聞いたら、より速い馬と言うだろう。」
〇他人の意見によって、自分の内なる声を溺れさせてはならない。何よりも大切なのは、自分の気持ちや直感に従って行動する勇気を持つことだ。
〇どんなリソースが利用できるかはあなただけが知っている。あなたは重要な会議の前に強い味方を作っておくこともできる。そうすれば一人きりではなく、複数のより大きな声で主張できる。また、あなたの見方を裏づける調査や証拠を見つけられれば、議論に勝てるかもしれない。あるいは、直接にCEOの部屋に乗りこんで、承諾をもらい、プロセスが行き詰まるのを事前に回避できるかもしれない。それに、火力と信用性を強化するために専門家を連れてくるのもいいだろう。
〇自分の仕事は、自分で組織のトップまで伝えるよう全力を尽くすこと。
〇アイデアを本質まで削ったときにだけ、それは誇れるものになるのだ。
〇シンプルさの原則を守ることで、ミスから立ち直るのがより簡単になるし、ときにはミスによって前より強くなれることもあるのだ。
●容赦なく伝える 意地悪になる必要はなく、ただ残酷なまでに正直になるのだ。あなたがかかわる仕事では真実を隠すようなことはしない。
●少人数で取り組む 有能な少人数のグループという概念に忠誠を
●ミニマルに徹する ふたつ以上のことを人に伝えようとすると、顧客でも同僚でも、相手の注意が分散してしまうことを忘れてはならない。あなたの言ったことを覚えていてほしくても、メッセージを詰めこめば詰めこむほど、相手は覚えられなくなる。
●動かしつづける プロジェクトでは、少し時間が足りないのが理想的なスケジュールだ。
●イメージを利用する あなたがマーケティング業界にいなくても、アイデアや、アイデアの精神を象徴するイメージを使うことで、自分の考えを具体化することができる。
●フレーズを決める すべてのビジネスがもっと努力する必要がある。言葉は強力だが、多ければより強力になるわけではない。たいていはわかりにくくなるだけだ。知的な言葉を使ったからといって、かならずしもその人が賢く見えるわけではない。人や会社をスマートに見せる最良の方法は、完璧な明快さでアイデアをシンプルに表現することだ。スーツを着て、昔ながらのやり方が必要な機会は数多くあるはずだ。だから、せめて社内での打ち合わせや、顧客との日々の打ち合わせは形式張らないものにしよう。
●不可能を疑う 他人は最初に否定的な反応をすると予想しておこう。最大限の努力をしよう。あなたのアイデアの命運がかかっているときに、もっともやってはいけないことはフェアな戦いをすることだ。すべての武器を使おう。可能ならば、自分の有利な立場を利用してもいい。そして、忘れてならないのは、自分のアイデアに対するあなたの情熱がもっとも強力な武器になりうること。
〇シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしい。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。 なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。 ―― -
アップルがシンプルさを徹底して、有能な少人数のチームで成果を出してきたことが伝わってきた。それはそれですごいことだが、それを今の自分の仕事に取り入れることができる人は日本にはそれほどいないのではないかと感じた。スティーブの伝記として読んだ方がいいかもしれない。
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アップル社が如何にシンプルを追求したか。そのこだわりが書かれた本。
シンプルの素晴らしさ、アップルの素晴らしさを理解し、共感する、そんな本です。
ただし、内容もひたすらシンプルであり、そのシンプルさへの実践的な手引き、小手先の論法は一切ありません。
形式や複雑な手続き、関係者への事前の根回しなどの大企業の中に生き、様々なことを行わないと、『シンプル』ではなく「手抜き」「雑」「配慮が足りない」と言われるいちリーマンにこの本から何か活かせるか、というとなかなか難しい。
この手の本は対象とする企業を某企業など誤魔化しているが、これはDELL、マイクロソフトなど名称を出しているのでわかりやすい。
後から、youtubeなどでこのCMのことか、と確認できる。
読みやすさ・面白さ:★★★★☆
勉強になった:★★☆☆☆ -
iPod nanoからAppleユーザーだが、テクノロジーにそこまで興味のない私でも、携帯はずっとiPhoneだし、Macユーザーだ。
顧客目線に立ったプロモーションとファンがエバンジェリスト化して口コミを拡げることを改めて体感した経験だ。
憧れはあるが手の届かない次元の違う会社、と思っていたAppleだったが、詳しい解説の結果、取り入れられる要素が少なくない。いつも複雑さに支配されている自分が恥ずかしくなった。
・容赦なく伝える
・少人数で取り組む
・ミニマルに徹する
・動かし続ける
・イメージを利用する
・フレーズを決める
・カジュアルに話し合う
・人間を中心にす?
・不可能を疑う
・戦いを挑む