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感想・レビュー・書評
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己の生涯で重ねた罪の全てを白日のもとへ晒すこと、これは並大抵のことではない。文の一つ一つに、己が精神世界の全てを曝け出すのだという執念を感じる。ここに書かれているどの程度が実話でどの程度が虚構なのかは定かではないが、あまりに痛々しい切実さによってしたためられたこの手記は、読む者の心をぐらつかせるのに十分である。
いくらでも引用したくなる文が見つかるので、困りどころである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が主人公だったらもっと上手に生きていくだろうにと思わずにいられない。
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俳優 仲代達矢さん朗読のオーディオブックを聴いていて、本も手持ちして活字で読んでみたくなりました。この本の思い出というと高校の国語の先生が授業のたびに”太宰治”はいいとか好きだとか、連呼していたので高校の図書館で読んだのが最初だったかな。しかし、太宰治はなぜ、このような小説を書いたのか、そして、なぜこのような小説が戦後のベストセラーになったのかまだよくわかっていない。
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又吉氏のお勧めで・・・
人間の内面のことが書かれてあっていろいろ考えさせられる・・・。レビューを見てると賛否両論あるようですけど、そのとおり賛否両方考えてしまう。時間をおいてまた読んでみよう。。。 -
ペンネーム:mii
"「恥の多い生涯を送ってきました。」というセリフだけを知っており、ちゃんと読んだのはこれが初めてでした。
葉蔵と同じように自殺未遂を繰り返していた太宰治のことを考えると、生き辛かっただろうな、頑張っていたんだろうなと、とても苦しくなりました。
人間を人間とするものは、自分自身の捉え方ではなく周りとの繋がりそのものなのではないかなと思いました。人間失格と聞いて、最初は精神崩壊を起こしたような人をイメージしていましたが、葉蔵の言った人間失格とは、周りのように上手に生きられなかったことや、葉蔵なりの生き方が認めてもらえなかったことを指すのではないかと思いました。
私は、葉蔵の悩みこそが人間らしいと感じました。1番最後に、「神様みたいないい子でした」というセリフを葉蔵が聞くことができれば、少しでも救われたのではないかと思いました。このセリフはきっと太宰治自身も誰かにそう思って欲しかったから出てきたのではないかと思いました。"
青空文庫→https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/301_14912.html
姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/SS00024985 -
30代になり初めて読んだ。繊細すぎる主人公。神童のような一面と、自尊心の低さに大きなギャップがある。容姿が良くても、自尊心が低くては何も上手くいかないのだとわかった。外的な要因ももちろんあるかとは思うが、自ら不幸を招いているような印象を受け、とても不憫に感じた。幸せは望まなければ訪れないのだ。
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なぜ、このタイトルをつけたのか?
作者の、問いになってるような気がする。
本当にこの主人公は人間失格なのか?と。
さすが、太宰治とでも言うべきか!
内容が重すぎて、、
読み終えたら、1キロ痩せた気がした。
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「絶望」
彼の人生もそうだし、
それと比較した自分の人生も。
人間を信じられない部分は
親近感が湧いた。ここまでではないが。