人間失格 [Kindle]

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  • 2012年9月27日発売
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感想・レビュー・書評

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  • どうしようもない人間はいつの時代もどうしようもないのだな、と思った。 
    主人公は自分がどうしようもない人間だと思いながらも一般的に生きることへの希望を捨て切れず、もうどうしようもないと諦めきれなかったために流され続けてしまったのだな〜、と

  • 引き込まれる文章と友人や親族に対するえげつない悪口が最高。

  • うーむ、判断が難しいが、どうも太宰治は自分には合わない様な気がする。思春期に読んだら違ったのだろうか?

  • 主人公の孤独感が、現代でも評価される要因なのか。

  • 日本人が書いたものだが外国の小説にも感じる

  • 太宰治の内的、精神的なことを綴った自叙伝。
    ”人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間でなくなりました。”
    真実を追求しすぎる故に崩壊し、ついには人間でさえなくなる自己を描いた現代の疎外状況を象徴していました。
    自閉的な孤独な疎外された現代人の普遍的な人間像を見事に捉えている作品でした。

    太宰治の生涯文学を理解する上で、下記3点を抑えて置くことが重要です。
    ①津軽で生まれ育ったこと
    →日本中央から離れ、方言だけでなく、性格考え方が日本とはかけ離れていた。
    ②実家が大地主であったこと
    →自分の家に対する貴族感が幼い頃からあった。またそれは、農民・友人などからの搾取から成り立っていることを知っていた。
    ③6男坊であったこと
    →父長制度により、長男以外は目にかけてもらえないことから、父母の愛を知らなかった。
    ※詳細割愛しています。

    この本を読むのは、2回目となります。
    1回目は、4年前大学時代バイト前に手にとって、眺めていたのですが、その当時は何を書いているのかさっぱり・・・
    今回は、自分の読解力が向上したのか、内容がスラスラ入ってきて、時代背景も考えながら、読むことができました。

    正直、『人間失格』を読んだ人は、理解できる&共感できるor全く意味がわからないのどちらかだと思います。
    それでも彼が亡くなり、約70年、『人間失格』がいまだ人気であるのは、現代人が常日頃おもっていることを叙述しているからだと思っています。
    個人的には、”欺き合いながら清く生きることが人間の難解でしかない”というフレーズが本音と建前で悩む自分には印象的でした。
    ”呻吟、道化、霹靂、懊悩、妙諦・・・”語彙力乏しい自分は常に、辞書を片手に読みすすめる次第でしたとさ。。。
    3回目もいつかはチャレンジします!

  • 信じることの難しさ、辛さがわかります。
    「世間とは個人である」納得しました。

  • 気分が落ちてる時は読まない方がいいだとか暗すぎるって口コミがあったからどんなものか恐る恐る読んだけど、太宰治の自伝と思ってスーッと読めたし嫌いじゃないなー

    この本のキーワードでもある「お道化」はすごくわかる。
    心と裏腹のお道化。

    この本は人間の弱い部分汚い部分を包み隠さず書いているから、共感する部分もあって、だけど普通は人には絶対悟られないようにしている部分だからこそその内容に引き込まれるのかも。


    ただ、知識不足ゆえ何度も単語とか調べたからスムーズには進まなかった〜

  • 恥の多い人生を送ってきました
    自分の幸福の観念と世のすべての人たちの幸福の観念tがまるで食い違っているような不安

    自分は隣人とほとんど会話ができません。何をどう言ったらいいのかわからないのでう。そこで考え出したのは道化でした。

    何が欲しいと聞かれると、とたんに何もほしくなくなるのでした。

    ほとんど完全に近く人をだまして、そうして、あるひとりの全知全能の者にみゃぶられ、木っ端みじんにやられて、死ぬる以上の赤恥をかかせられる。それが尊敬されるという状態の自分の定義でありました。

    自分にはあさむき合っていながら清く明るく朗らかに生きている、あるいは生き得る自身を持っているみたいな人間が難解なのです。

    下男下女に犯されていても言い出さなかったのは、人間を信用していないから

    わざ、わざ 見破られる 一日中監視していたい

    あるいは情熱とは相手の立場を無視することかもしれませんが

    弱虫は、幸福をさえおそれるものです綿でケガをするんです幸福に傷つけられたこともあるんです

    所有欲がない
    のちに、自分の内縁の妻がおかされるのを黙っていていたこともあった

    自分は神にさえおびえていました。神の愛は信ぜられず、神の罰だけを信じていました。

    世間とは何でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実態はあるのでしょう

    「世間というのは、君じゃないか」

    よし子が汚されたということよりも、よし子の信頼が汚されたということが、自分にとってそののち永く、生きておられないほどの苦悩の種になりました。

    果たして、無垢の信頼振は罪の源泉なりや

    その妻はその所有している稀な美質に依って犯されたのです、しかもその美質は夫のかねてあこがれの無垢の信頼心というたまらなく可憐なものでした

    自分の不幸は、拒否の能力のないモノの不幸でした

    すすめれて拒否すると、相手の心にも自分の心にも永遠に修繕し得ない白々しいひび割れができるような恐怖に脅かされているのでした。

    神に問う。無抵抗は罪なりや?

    ただ、いっさいは過ぎていきます

  • ジメジメして陰湿な文章、読み終わったあとも胃が重たくなる感じ。
    人間誰でも自分自身にさえ嘘をついて生きてる気がする。
    葉ちゃんはHSCだったのかな。

    (それは世間が、ゆるさない)(世間じゃない。あなたがゆるさないのでしょう?) (世間とは個人じゃないか)この一文は共感。
    旦那と喧嘩した時に、さとがゆるせないだけじゃないって言われたことがあって忘れられない言葉なんだよなぁ。
    そう、正に、世間とは個人で、自分の中の常識やルールから反するとゆるせないってなっちゃうんだよねえ…。

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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