- Amazon.co.jp ・電子書籍 (157ページ)
感想・レビュー・書評
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星の子つながりでこの著者を知り、読んでみた。
むらさきのスカートの女は、初めはミステリアスで何かある?と思わせるが、なんだか不倫しちゃう俗っぽくてただの女って感じで「わたし」のほうがよっぽど怖い。ここまで執着するのはなんだろう? なんとも不思議な読後感 -
若林さんが勧めてた!
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作者を調べたら「星の子」を書いた方で、納得。
タイトルや主人公の気味悪さのわりに、特に大きな事件・ドラマは起きません。
でも何かが気になる。
タイトルは「むらさきのスカートの女」、主人公は「黄色いカーディガンの女」なのに、表紙は「白い水玉のスカートの女」なのも気になる。 -
初めて読んだ著者の本。芥川賞受賞作だったというのも、読み始めるまで知らなかった。
でも惹き込まれる。「あ、なるほど、こうなるのか」「おお、それからそう来るか」みたいに、物語が進む行き先を一行一行見せてくれる著者の「道案内」に従いながら、時には意外な、時には期待通りの新たな景色に思わず声が漏れる、みたいな。
こんな小説を、29歳から小説を書き始めた人が書ける。しかもそれで芥川賞まで獲ってしまう。その離れ業にも感嘆!
他の著書も読んでみなくては。 -
ひたすら不気味。
読み終わった後、一人でトイレに行けなくなってしまった。 -
紫がヤバいと思ったらむしろ黄色がヤバい…と思ったらやっぱり紫がヤバい…けど黄色はもっとヤベエ!!!
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読後感を言語化するのが非常に難しいお話です。
とはいえ、小説自体はとても読みやすいので、普段本を読み慣れていない方でも、あっという間に読了できるのではないでしょうか。
タイトルでもある『むらさきのスカートの女』を、主人公の女(自称 黄色いカーディガンの女)がつぶさに観察しているという、非常にシンプルな構造のお話です。
冒頭部分で『むらさきのスカートの女』の容姿や行動などが語られていますが、実はその時点から少しずつ、後々あれ?……と首を傾げるような、主人公の女に関わる情報も開示されていたのが面白かったです。
隠された仕掛けが明らかになったとき、私もすごく驚きました。
大きな事件らしい展開がないのに、どんどんおかしな方向へ転がっていく不思議な物語で、例えようのない独特な魅力があると思います。
この面白さを共有できる方が、もっと増えたらいいなと思える小説でした。 -
近所に住む謎の「むらさきのスカートの女」に関心を持つ語り手の女は、彼女を自分の同僚にする工作に成功し、その日常を観察する。徐々に「むらさきのスカートの女」の様子が明らかになり、謎めいたところは薄れてゆくのだが、その代わりに不穏な感じが立ち上ってくる。物語は予想外の着地を見せ、自分はいったい何を読んでいたのだろうかと、最初から読み直したくなる。怖い小説だ。