イーロン・マスク 下 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。同著者の『スティーブ・ジョブズ』『レオナルド・ダヴィンチ』よりも現在進行形だからかもしれないが冒険談みたいな人物伝だった。
    スペースX、スターリンク、テスラ、ニューラリンク、オプティマス、twitter→Xを同時進行でやっていく。真面目に人類の火星移住を考えているらしい。

    Xは能登地震では悪影響も…
    “現実歪曲フィールド”、“シュラバ”を宣言→障害を吹っ飛ばして成功させる、平穏な日々が続くといらだつ、ワークライフバランスなどは知ったことではない。
    頭がすごくいいが人当たりは最悪な現場監督、くそ野郎。
    人類にとって必要な人間なのだろうけど、私は絶対に仕事を一緒にはしたくないですし、周りにいて欲しくははいですね(笑)。
    ビジョンを持って、且つ、成功しているので認めないわけにはいかない。

  • 圧倒的な熱量と行動力。世の中を変えるとはこういうことかと。やるからには本気で立ち向かえと自らの行動で示していることをひしひしと感じた。

    石橋を叩いて渡るようでは新しいことはできない、失敗してもいい、修正しながら高みを目指すんだと、さすが違う。

  • 幼いころのマスクにとって『銀河ヒッチハイク・ガイド』は愛読書だった。そして、このSF小説によって培われたマインドは、「いまの世界をさらなる未来へと推進させる」という壮大なビジョンへと繋がっている。人工知能やロボット産業に手を出しているのもその一環であり、TwitterをXへと変え、スーパーアプリとしてマルチプラットフォームにすることを目指しているのも、根っこの部分は同じなのだろう。

    私はSFが好きな人間なので、なんとなく彼が目指していることがわかる気もする。きっとマスクは純粋なのだ。言い方を変えれば幼稚なのだ。しかしだからこそ彼はこれからも前へ進み続けるだろうし、進むことをやめないだろう。
    少しだけいつもより創造的に、少しだけいつもより積極的に。そうしないことには何も変えることは出来ず、のうのうとした人生を歩むことになる。だからこの本が誰かにとって、何らかの刺激となってほしい。この本を読むことでちょっとだけ未来について思いを馳せてほしい。本書からは著者のそういう想いが伝わってくる。
    飽くなき探究心から生まれるイノベーションと、未来を指向する精神力。そんなものを感じさせてくれる本だった。

  • 下巻は2020年~2023年の話。火星に行くというスペースXのミッションを達成するための営利事業としてスターリンクを立ち上げる話からスタート。スペースXで大型ロケット「スターシップ」を建造するプロセス、テスラのオースティン工場の立ち上げ、テスラのロボット開発、脳で直接動かすコンピューター「ニューラリンク」開発、ウクライナに対するスターリンクの無償供与をめぐるエピソードが切れ目なく続く。
    そして2022年に入りツイッターの買収に関して、一度は買収から降りようとするが結局同社を買収し、テスラやスペースXで行ったのと同様の「シュラバ」を作って事業/組織を根本的に転換していく2023年4月時点までの話。

    イーロンマスクの頭脳が常人離れしていることは否定しがたいが、あまりにも狂信的な仕事ぶりや物の考え方と進め方を知ると、彼という一人の人間に今の社会がこんなに振り回されていることが阿保らしくなってくる。

    本書ラストから現在(2024年4月)までの約1年で、世の中ではOpenAIのChatGPTが公開され、TwitterがXに社名変更した。EVは米大統領選の政争の具となり、テスラはBYDとの販売台数鈍化にさらされて販売台数が低下。テスラ株価が低迷する中でマスクに対する風当たりは強い。一方でスペースXは2024年3月についに軌道飛行実験に成功した。好むか好まざるかはともかく、マスクが現役である限り、彼が経営する複数の会社が、世界を変えるサービス・商品の提供を続けるのだろう。

  • 上も面白かったが、結局下も面白い。
    正直上で、イーロンの生き様は十分伝わった気がするが、それが終始貫かれているだけではあった。w

    ただ、
    - スペースX
    - Twitter買収
    - 自動運転、AI関連
    などどんどんスケールが大きくなっているのが
    読んでて伝わってきたので、楽しくワクワク読めた。

    イーロンになりたいともなれるとも思っていない、
    ただ、イーロンはカッコいいとも感じた。

    # イーロンのコア(私見)
    - 幼少期、やばい父親からの影響大
    - 銀河ヒッチハイク・ガイドが好き
    - 自閉症、アスペルガー傾向あり
    - 常にオール・インして、勝つまでやり続けるスタンス
    (買ってもやり続ける)
    - 大きく(一見無謀な)ヴィジョンに邁進する
    - 自分にも、他人にも120%(限界突破)を求める
    - 人を切ることを厭わない

  • 想像していたよりヤバイやつだな。
    周りで一緒に仕事できている人がすごすぎる。

  • ・マスクはSF(サイエンスフィクション)からFのフィクションをとるのが好き
    ・ツイッターをマスクはテクノロジー企業だと思っていたが、実のところは人間の感情や関係に基づく広告メディアである

    イーロンマスクは、子供時代からのめり込んだSF世界を原体験に未来を描いている。地球が滅亡しても人類の意識を存続させるため、複数惑星にまたぐ文明をつくるため、本気で人類を火星に送り込もうとしている。結果、NASAを超える民間ロケットのスペースXだけでなく、テスラ、ニューラリンク、オプティマイズ、オープンAIの初期創立、ツイッター買収などを主導し、それぞれが人材交流含めて有機的に機能し、未来志向の世界を創り出している。
    1人の人間がこれほど先進的な企業を主導している事が驚愕。その実現に至るまでのマスクの生い立ちや人脈、人付き合いが下手で、躁鬱、大きなリスクを好み、冷徹でブラックな働き方を進めていく側面など、
    イーロン・マスクという人物を包み隠ず記され、本人の確認・監修なしで創刊された上下巻。

  • 上巻はイーロン・マスクの生い立ちを紐解きながら、考え方や行動特性を知りたい人向けで、
    下巻は昨今のTwitter/Xを取り巻く狂騒の舞台裏を知りたい人向け(Amazonのベゾスとの宇宙開発競争や、OpenAIのサム・アルトマンとの確執に関するエピソードも面白い)と位置付けてもよいのではと考える。

    彼の目指す未来の方向性(人類の宇宙進出関連)に関しては、自分も同じ想いを持っていたので共感したが、一方彼自身のパーソナリティに関しては
    今のところ成功しているが、いつ周囲からの信頼を失ってしまうのか分からず、そうなった時に人類の進歩がどれだけ停滞してしまうかと、心配してしまう。もう少し周囲への共感性を育んで欲しい(自分の頭にニューラリンク謹製のチップを埋め込んででも)。

    本書自体の構成、筆致、演出などなどについては文句なしである。筆者の2年間、相当数のインタビューの苦労を思うと涙が出る。

  • Teslaの今後が気になって読みました。Twitterの買収や、ニューラリンクの創設、スペースXとの繋がりなど、個々のニュースではわからなかったマスクの真意、方向性がわかって良かったです。
    トラブルに突っ込んでいく性格、強すぎるリーダーシップ、協調性を排除する姿勢。一方です、母や兄弟、息子達をいつも大切に、そばに寄せている。
    ものすごく頭がいいというよりは、とにかく凄まじい熱量で挑戦と失敗を繰り返している人なんだな〜というのが感想です。

    下巻の手抜きと思える翻訳文が気になってしょうがなかったので星4つ。

  •  現役ばりばりの人が評伝を書かれるのは、まだ早いんじゃないかという気もする。毀誉褒貶が定まってないから。でも、ここまで乱高下する人物として考えると、いまさら人の評判なんてどうでもいいじゃん、という気もしてくる。

     本書を読んでみようと思ったきっかけは、日経の週末の書評欄だったと思う。スペースXで3回失敗してくじけずに4回目で成功させた一方で、ツイッターの買収ではいつまでもくよくよと悩んでいるなんて話が出てたんじゃなかったっけ。

     今、下の終盤で、まさにTwitterを買収してくよくよしているあたり。

     Twitterという会社は、もともと心理的安全性に配慮し、働く人が安心して働ける環境づくりを大切にしてきた。

     マスクは、それをぶちこわす。

     マスクにとっては、安心など敵。たぎるような不安こそが、起爆剤であって、常に本気で全身全霊を打ち込むことを求める。

     ワークライフバランスなんてものは、全否定し、テスラ、スペースXでいい関係を気づいてきた能力の高い人でも、そのあたりのかけちがいで離れて行ったという人もいた。

     心理的安全性を提唱したエドモンドソの『恐れのない組織』は俺も読んだし、ひとつのセオリーとして職場環境をつくる立場にいる身としては、配慮しなければならないポイントだと思う。

     一方で、マスクのようにここまでそれを全否定してかかってくるのをみると、むしろすがすがしいね。

     たぶん一生それで過ごすことはできない。

     俺がうちのシャインさんたちにマスクが求めるようなことを求めたら、全員やめるか、俺がクビになるかのどちらかだろう。

     職種もあるしね。

     ただ、心理的安全性というセオリーがあって、それを守るべき規範みたいにとらえていたなかで、まったく違う見方があって、しかもそれがけっこう業績をあげていると聞くというのは、大きな刺激になるな。

     あぁ、違う世界ってあるんだ、ちょっとくらいあってもいいかも、とかね。

     人に求めようとは思わないけど、自分の中では本気モードが前面に出る場面は、もっとあっていいかな、なんて思ったね。

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著者プロフィール

ウォルター・アイザックソン【著者】Walter Isaacson
1952年生まれ。ハーバード大学で歴史と文学の学位を取得後、オックスフォード大学に進んで哲学、政治学、経済学の修士号を取得。英国『サンデー・タイムズ』紙、米国『TIME』誌編集長を経て、2001年にCNNのCEOに就任。ジャーナリストであるとともに伝記作家でもある。2003年よりアスペン研究所特別研究員。著書に世界的ベストセラー『スティーブ・ジョブズ』1・2、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』上下、『ベンジャミン・フランクリン伝』『アインシュタイン伝』『キッシンジャー伝』などがある。テュレーン大学歴史学教授。


「2019年 『イノベーターズ2 天才、ハッカー、ギークがおりなすデジタル革命史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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