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近世日本の国家形成と外交
- ロナルド・P.トビ
- 創文社出版販売 / 1990年10月1日発売
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「鎖国」という言葉一つで徳川時代の対外関係を片付けようとする暗黙の前提に対し、膨大な歴史資料の読み込みをもって挑戦しようとする好著。
特に、第4章で描かれていた幕府の対外情報収集網や第5章で描かれている「日本型世界秩序」は、今まで知らなかった説だったので非常に興味深かかった。
2010年1月17日
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街道をゆく 40 (朝日文芸文庫 し 1-43)
- 司馬遼太郎
- 朝日新聞出版 / 1997年5月1日発売
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The Art of Not Being Governed: An Anarchist History of Upland Southeast Asia (Yale Agrarian Studies Series)
- James C.Scott
- Yale University Press / 2009年9月30日発売
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The Great Transformation: The Political and Economic Origins of Our Time
- KarlPolanyi
- Beacon Press / 2001年3月28日発売
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Seeing Like a State: How Certain Schemes to Improve the Human Condition Have Failed (The Institution for Social and Policy Studies)
- James C.Scott
- Yale University Press / 1999年2月8日発売
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経済の文明史 (ちくま学芸文庫 ホ 9-1)
- カール・ポランニー
- 筑摩書房 / 2003年6月10日発売
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矢内原忠雄帝国主義下の台湾精読 (岩波現代文庫 学術 62)
- 矢内原忠雄
- 岩波書店 / 2001年8月17日発売
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生きるための経済学 〈選択の自由〉からの脱却 (NHKブックス)
- 安冨歩
- NHK出版 / 2008年3月26日発売
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ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書 299)
- 安冨歩
- 光文社 / 2007年4月17日発売
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教養の再生のために: 危機の時代の想像力
- 加藤周一
- 影書房 / 2005年2月1日発売
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大学院進学にあたってもう一度リベラルアーツの意味を考えたくて、読んでみた。
何をもって「リベラル」というのか、今まで感覚的にしか考えたことがなかったが、「機械的・奴隷的である状態」ーつまり特定の目的に縛られた状態ーから「自由」であるために「リベラル」な学問と呼ばれるのだ、という定義を読んで、納得がいった。
専門領域の境界を柔軟に行き来できるような「自由人」でありたいという自分の思いを確認しつつ、そのためにはまず専門領域をしっかりと学びそこから生まれた疑問を大切にしなければならないと思った。
自分の立ち位置を見失ったときに読み返したい一冊。
2009年5月9日
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日本と中国: 相互誤解の構造 (中公新書 1966)
- 王敏
- 中央公論新社 / 2008年9月1日発売
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身体を診る医師と心を説く僧侶。その二つの立場をあわせたところに、「僧医」という存在がある。
「僧医」とは筆者の造語かと思っていたが、日本史の書物に登場するように、昔から存在したようだ。
僧侶も医者もそれぞれプロフェッショナルな仕事だが、専門化がすすむとその領域にはカテゴライズされない問題が生まれ、誰も手を着けられないという状態となる。終末期医療の問題はまさにその一つであり、筆者はそれに対して真摯に向き合うために、僧侶と医者の二つの立場を併せ持った「僧医」を目指そうとしている。
ところどころ仏教用語が解説なく使われているため分かりにくい箇所もあったが、自分なりのアプローチで問題を解決しようとする真摯さ、専門領域を飛び越えようとする勇気に心を打たれた。
2009年5月4日
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Kicking Away the Ladder: Development Strategy in Historical Perspective (Anthem World History)
- Ha-JoonChang
- Anthem Pr / 2002年9月1日発売
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卒論の指導教官に勧められて読んだ本。
この本に出会ってなかったら、と思うと恐ろしいほど。
途上国開発の政策論になんやかんや口を出すよりもまず、先進国の発展の経験を十分に吟味して発信すべきというスタンスにはかなり共感した。
英語もかなり分かりやすく、薄い本なのですぐよめる。
2008年12月23日
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非対称情報の経済学: スティグリッツと新しい経済学 (光文社新書 49)
- 薮下史郎
- 光文社 / 2002年7月1日発売
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情報の非対称性という概念を知りたい、と開発経済の先生に聞いたらお勧めしてくれた本。
薄いし、読みやすい。
「新しい経済学」とよばれるこの分野が、スティグリッツやアカロフといった開拓者の途上国での経験をもとに生まれた、という原点を知って、
いままでの経済学で説明できない不可解なことがらは新しい経済理論をつくって説明しようとするのが経済学者なんだなぁ、とわかった。
そして自分のとりたいアプローチは経済学ではないなということも直感できた。
2008年12月23日
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行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)
- 友野典男
- 光文社 / 2006年5月17日発売
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卒論を書くために読んだ一冊。
時間的非整合の概念がとてもやさしく説明されていた。
英語文献だけでは理解しきれなかった、hyperbolic discounting (双曲型割引)の考えもよくわかった。
経済学はもともと心理学と一体だったという事実に驚き。
2008年12月23日
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走ることについて語るときに僕の語ること
- 村上春樹
- 文藝春秋 / 2007年10月12日発売
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村上春樹の手にかかると、走るというなんの面白みもない行為もとてもクールな営みのように思えてしまう。
人間存在の根本にある毒素のようなものと向き合わなければならない作家という仕事をしている以上、
その毒素に対抗できる「自前の免疫システム」を作り上げ、それを維持するエネルギーを求めなくてはならないという彼の説には納得がいく。
作家としての、そしてランナーとしての村上春樹を自身が語るという形は今までになかったものなので、ファンににはたまらない一冊。
2008年8月17日
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格差はつくられた: 保守派がアメリカを支配し続けるための呆れた戦略
- ポール・クルーグマン
- 早川書房 / 2008年6月1日発売
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貧困の終焉: 2025年までに世界を変える
- ジェフリー・サックス
- 早川書房 / 2006年4月1日発売
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長くて、読みにくい。
でも「臨床経済学」という考え方がどうしても知りたくて読んでみた。
「経世済民」を信じ、奮闘しているエコノミストがいるということを知れてよかった。
貧困ギャップモデルの限界を論じていないあたり、どうなんだろう?と疑問だが、
開発疲れが蔓延する世の中に、一つの明るい見方を打ち上げたことは評価すべきと思う。
2008年8月17日
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さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白
- 高橋洋一
- 講談社 / 2008年3月19日発売
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逆立ち日本論 (新潮選書)
- 養老孟司
- 新潮社 / 2007年5月25日発売
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いろいろ言いたい放題いってて「日本論」という核はあまり見えてこないが、
内田さんのいう「第三の身体」という武道の考えはおもしろい。
武道では、相手を「倒す」のではなく、自分の身体と相手の身体を二つながら含む「第三の身体」をどう動かすか、考える。
それと同じように、新しいファクターが加わったときに、それを邪魔者だとか懲らしめてやろうだとか考えるのではなく、
お互いなんとか折り合うようにするシステムを構築するにはどうしたらいいか考えるようにすれば、少しは肩の力が抜ける気がする。
人間関係、仕事、人生、いろんな悩みに応用の利く考えかたなのではないかな。
2008年8月17日