科学エッセイというものを初めて読んだ。
こんな本があったなんて…!科学というものはこんなにもおもしろいものなんだと気づかせてくれる一冊でした。天体から倫理、生命論まで渡って綴られていて、飽きがこない。知らない知識がたっぷり詰まっている一冊でした。
私は文系の人間ですが、筆者の文章が柔らかい文章なのと、着眼点が文系の人間でも想いを馳せてしまう科学の不思議ばかりで、サラサラと読めてしまう。1日の長さは毎日0.000017秒ずつ伸びている?銀河の中心には超巨大ブラックホールがある?SF小説や漫画で触れてきた知識に改めて想いを馳せられました。

装丁ももちろんですが、構成もすごく素敵で、全部で22夜(話)に別れています。一日1夜、短い文章をあったかいコーヒーやハーブティーとかお気に入りのいっぱいとともに飲んで過ごす夜はとてもくつろぎのある最高の時間でした。そんな1日のおともにぴったりな一冊です。

2021年1月4日

読書状況 読み終わった [2021年1月4日]
カテゴリ 大好きな本

早川耕と出会った最初の1冊目。
分厚さに最初読み終わるか…と思っていたが、壮大な世界観に圧倒され、香港からマカオまで、本当に旅をしているような気持ちとともにとともにあっという間に読了していた。
ミステリに分類するほどのあっと驚く仕掛けはない。けれど古典のマクベスになぞらえながら、数学やミステリや恋愛が全てぎゅっと濃縮された展開は次から次にページをめくってしまう面白さがあった。
この本をまだ読んでいない人がいるのが羨ましいぐらい。おすすめの一冊です。

2021年1月4日

読書状況 読み終わった [2019年12月31日]
カテゴリ 大好きな本
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「人間だった最後の日、彼は世界を寂しいと思っていた」

もしもこの短編集の始まりが、「思い出す人」じゃなかったら私はこの本を買わなかったと思う。それぐらいこの一編のもつ話の魅力が私にとっては大きかった。
癒す人、指輪、燃えるスカートの少女…、ふしぎだけれど、話の中にぎゅっと胸をつかまれるような一行をみつけてしまい、忘れられない。おおきな意味があるような話じゃない。でも、忘られない短編がごっそり詰まってる、そんな本。

2011年6月5日

読書状況 読み終わった [2011年5月1日]
カテゴリ 大好きな本

学問は王道であり、その王道から逃げちゃいけない。
この本には勉強する学生が指針としたい言葉が最初から最後までつまってる。
「「いい経験でした」なんてその程度の経験しかしてないのか」
そんな先生の言葉が胸に刺さって苦しい。
本を読みながら胸を刺すような言葉がたくさん詰まった、大事な一冊です。

2011年6月5日

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読書状況 読み終わった [2011年5月1日]
カテゴリ 大好きな本

ボリス・ヴィアンの複雑な原作をすごく上手に岡崎京子の世界に消化させてる。この本にあえてよかった。

2011年6月2日

読書状況 読み終わった [2011年6月2日]
カテゴリ 大好きな本

秀逸な短編集でした。
どれもしっかりと読み応えがある。
さすが森絵都さん、児童文学から、一般文学へと移行しても、しっかりとみせてくれる。

経験していないことを、リアリティをもって伝えられている。
それがすごいことなのだとおもいます。

表題作、「風に舞いあがるビニールシート」
読む前は、タイトルから、どこかさわやかなものを想像していました。
まさか、そのビニールシートの喩えが「命」だったとしったとき、ふるえました。
風に舞いあがるビニールシートのように、軽やかに、簡単に吹き飛んでしまう命……
映像のようにまぶたの裏に思い浮かぶことができました。
本当に秀逸な一本だと思います。

ぜひ、読んでほしい、そんな一作でした。

2011年8月22日

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読書状況 読み終わった [2011年8月20日]
カテゴリ 大好きな本

「お願いだわ」と私は言った。「若い若いってそんなふうに片付けないでよ。私、できるだけ若さを少なく利用しているんですもの。青春が全ての特権や、言い訳の権利を私に与えてくれるとは思わないわ。私、青春には重きを置いていないのよ」

2011年8月22日

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読書状況 読み終わった
カテゴリ 大好きな本

初めてこの本を手に取ったのは小学生のときでした。
おすすめの棚に並んでたから。
でもさすがに早すぎた、理解できなくて、それから江國香織の本を自分からすすんでよまなくなった。

次にもう一回この本にであったのは高校生のとき。
なんだか針のように刺さっていたかった。
でもやっぱり、好きにはなれなかった。

20歳をすぎてこの本にもう一度あった。
三度目の正直かな。
笑子の純粋さになんだか泣きたくなって
みんな、幼い頃は笑子のように歌いたいときに歌って、泣きたいときに泣いていたんだとおもう。いつからそれをすると「おかしいひと」になってしまったんだろう。

本棚にならんでいるたくさんの恋愛小説、その中でも本当に「純粋」な恋愛小説だと思う。
そして、こんな恋愛は女性にしかかけないでしょう。
男性には理解できないかもな、って思いながら三度目を精読しました。

2011年7月9日

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読書状況 読み終わった [2011年7月9日]
カテゴリ 大好きな本

物語に力がある小説というのは、よくも悪くも余韻がある。
読み終えた後に、何度も何度も物語の意味を考えたり、登場人物の書かれていない行間に潜めいた感情を思ったり、物語の中に取り残される。
この話にはそんな力があると思います。
読んで数日、私はこの物語のことばかりを考えてしまいました。
幸か不幸かはこの物語は大して重要じゃない。
読み終えた後、もやもやする方も、意味が分からないと匙を投げたくなる方も、切なさや悲しみを覚える方も、結局の所この物語が持つ引力に引き込まれたのでは。
そんなよくも悪くも「嵌って」しまう魅力がある一冊です。

多くの情報を入れずにこの話を読むことをお勧めしますが、
個人的には、「ノーフォーク」という場所のエピソードが胸に刺さりました。
ノーフォーク、遺失物保管所。
亡くしたものが必ず見つかる場所。
彼らが失ったものは一体なんだったのか、見つけたものは何だったのか。
見つけたものは思い出のテープだけなんかじゃなかったし、彼らがノーフォークで本当に取り戻したかったものはそんなものでもなかった。

日本の小説とは違い、細部まで抑制の利いた語りすぎない物語です。
個人的にはいつも海外物で気になってしまう訳し方も気にならず、素敵な文章でした。
映画とセットで見るのもいいと思います。
映画を見てから小説にたどりつくのも悪くない。
この映画の風景を取り出しているすばらしい映画だったと思います。

ぜひとも自分なりの出会い方で出会ってほしい一冊。

2012年9月1日

読書状況 読み終わった [2012年8月28日]
カテゴリ 大好きな本

ジョゼと虎と魚たち、が本当に秀逸なんだけれど、個人的にはこのなかの恋の棺が田辺聖子の短編の中でもベストに入るぐらい好きです。

2011年6月2日

読書状況 読み終わった [2011年5月2日]
カテゴリ 大好きな本

この本のすてきなところって、タイトルのお話が実は中身にはないこと。
最初びっくりして、どこかに隠れてるのかと思ったけど、ありません。
ひとりの夜に、あったかいココアでものみながら読みたくなる本、っていうことで。

2011年6月5日

読書状況 読み終わった [2011年5月2日]
カテゴリ 大好きな本

名作だと思います。
こんな風に前向きで誠実な小説はなかなかありません。

誠実になることはときどき馬鹿を見るけれど、
それでも人間にとって大切なことなのだと教えてくれる小説。

2011年9月19日

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読書状況 読み終わった [2011年9月19日]
カテゴリ 大好きな本
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