- とりあえずウミガメのスープを仕込もう。
- 宮下奈都
- 扶桑社 / 2018年5月25日発売
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宮下奈都さんのエッセイ、すごく読みやすくて読みごたえがあって大好きだなあ。
神さまたちの遊ぶ庭に続いて、こちらを読みました。
食事ひとつにしてもそこに含まれる物語が優しくて、だけどスパイスで切なさと笑いがあって、宮下さんのあたたかさが伺える日常がとっても素敵。
食べ物は自分の体だけではなく、そこに附随するエピソードから過去や未来にも大きな影響を与えていて、私ももう少しゆっくりと食事の時間に向き合いたいなあと思いました。
2023年4月23日
- 偽恋愛小説家、最後の嘘
- 森晶麿
- 朝日新聞出版 / 2021年10月7日発売
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童話・雪の女王になぞらえた殺人事件を紐解いていく小説家と編集者。
事件を通して月子と夢センセの思いがゆっくりと雪解けていく終着点にあたたかさを感じました。同時にふたりが歩み出したその先の物語も気になる。一歩踏み出したふたり、見たいなあ!
登場人物の関係性だけではなくミステリ要素もある内容で、物語の裏の裏まで緻密に考えられている作品。この物語にも森先生の裏のお話やメッセージがあるのかなって思わず深読みしちゃう。それくらい童話の設定を丁寧に分析されていて実際の童話も読みたくなっちゃった!
恋愛ミステリ、素敵な分野です。
2023年2月9日
- 噛みあわない会話と、ある過去について
- 辻村深月
- 講談社 / 2018年6月14日発売
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どこか少し「分かる」という印象を受ける、すぐそばの日常にあるような家族の歪みや友人関係の短編集。恋人ができたら人付き合いが変わってしまう友人も、どこか窮屈な実家も、ひとつ間違えばこうなっていたんじゃないかとひやっとしてしまう怖さを感じました。
自分の言動には責任を、とよく言いますが、まさにその通り。何が相手を喜ばせて、何が相手を怒らせてしまうのか、些細なことにも気を付けたいな…と省みます。
2023年1月31日
人の心の闇が他者へじわじわと伝染していく様子がすごくリアル。様々な闇、登場人物がどうやってまとまっていくのかと思ったけれど、しっかりとひとつの終着点に向かう過程が気持ちいい。
最後のページの注釈にドキッとしたのは私だけじゃないはず。
ホラーに苦手意識があるけれどこれはもっと早く読みたかった!ホラーだけども人の心の闇を深堀していて新しいホラーという印象。
2023年1月29日
2023年1月29日
2023年1月29日
- 麦本三歩の好きなもの
- 住野よる
- 幻冬舎 / 2019年3月7日発売
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三歩の好きなものに囲まれた毎日とそこにあるちょっとしたスパイス。私らしく生きることって悪いことじゃないし、なんなら私の人生だから好きなものに溢れた方がいいじゃない?と後押ししてくれる。私の好きなこと、自分らしさをゆっくりと考えたいときにおすすめ。
2023年1月29日
2023年1月29日
2021年11月15日
- 舟を編む (光文社文庫 み 24-2)
- 三浦しをん
- 光文社 / 2015年3月12日発売
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文字、言葉というのは時間が経つに連れてかたちを変えていくものですが、その意味はきちんと語り継がれて生きているということが身に沁みました。
普段の生活に馴染みのない古文も漢文も形容詞も、ひとつひとつに意味があり、確かな存在意義を感じます。
言葉は記憶。なんて素敵な響きなんでしょう。
2015年8月9日
- 永遠の0 (講談社文庫)
- 百田尚樹
- 講談社 / 2009年7月15日発売
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終戦日が近くなると、戦争に関する本を自然と選ぶ傾向にあります。
でも、特別な日だから戦争の本を読むのではなく、普段からその苦しみや悲しみを知っておかなければならないと思いました。
私の祖父は終戦した年の11月に特攻隊員として選ばれていました。今では現実味を帯びない「特攻隊員」。その話を聞いた当時は、戦争終わって良かったね、行かなくて良かった、といった漠然とした思いしか抱けなかったことをふと思い出しました。
国のためになら命を捨てることができる、確かに彼らにはその思いもあったと思います。しかしそれを美徳とするには、彼らはいくつもの思いを押し殺したのでしょうか。その点宮部は、当時としては珍しく素直に自分の意見を述べたことに対して反感を得ていますが、それも恐らく時代の流れや思想の反映が描かれていてすっと物語に引き込まれていきました。
結末は想像通りだったのですが、文章が読みやすかったです。
戦争について考える時間や命の使い方についてじっくりと考えることができて、あらためて祖父が特攻隊員にならなくて良かったと心から思います。とても素敵な本でした。
2013年8月6日
- スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)
- 辻村深月
- 講談社 / 2010年1月15日発売
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私が読んだ本の中で一番、とびきり、大好きな本。
一度読んでから是非とももう一度読んでほしいなと思います。
実はたくさんの伏線があって、再読するとそれに気が付いて「ここでも実は!」という場面が多々ありました。
最終章はもう何度読み返したか分かりません。全ての愛情がこの章に込められているような気がします。愛は執着、その言葉がずっしりと心に響きました。愛の形は人それぞれだけど、確かに執着しない愛は少ないかな、と思います。
コウちゃんは相変わらずかっこいいなあ。
2013年3月1日
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再読了日:2024年1月23日
- 和菓子のアン (光文社文庫 さ 24-3)
- 坂木司
- 光文社 / 2012年10月11日発売
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単行本の時に一目惚れして以来、ずっと文庫本を待っていました。
相変わらずふにふにしているアンちゃん、個性あふれる同僚たち、ちょこっとした事件を持ち寄ってくるお客様。
登場人物がみんな坂木先生の愛に満ちていて読んでいてにこにこしてしまいます。
和菓子の知識が全くなかったのですが、季節のお菓子の説明や専門用語も分かりやすく説明してくださっていたのですらすらと読むことができました。
お菓子はただおいしいだけではなく、そのひとつひとつに歴史や逸話があるということでそのことについても調べてみたくなりました。
そしてそして、アンちゃんと立花さんの関係の行方をとても気になっていたのですが続編が始まっているということです。
和菓子のアンの続きの単行本化を楽しみにしています。
2012年12月31日
- 京都時代MAP 幕末・維新編 (Time trip map)
- 新創社
- 光村推古書院 / 2003年12月1日発売
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この発想はとても面白いです。
確かに今までに何度か、昔と今の場所を比較したり詳しく知りたいと思うことがありましたが、為す術なく放置していました。
が、この本は見事にこの欲求を満たしてくれました!
重ねるだけで新旧比べられるので手間が全くかからないのがいいですね。
個人的には、尾張徳川屋敷と土佐山内屋敷、会津松平屋敷は現在京都大学関係施設になっていることがびっくりでした。
龍馬暗殺の実行犯も、この人だ!と特定するのではなく、可能性を多く取り上げていて好感が持てました。
新選組についてもおおまかに取り上げていているのでこれから学びたいと思う方にも楽しめると思います。
これを一冊自分用に購入して京都をまわってみたいです。
2011年12月26日
- 神様のカルテ (小学館文庫)
- 夏川草介
- 小学館 / 2011年6月7日発売
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以前読んだ本です。文庫本が出たようなので買っちゃいました。
http://booklog.jp/users/surrealisme/archives/4093862591
地域医療が抱える問題は大きいな、と再読しても考えました。
私自身、地域医療に興味を持っているので実際に働く現場はこんな感じなんだろうなと想像できます。
案の定安曇さんのお話の時にうるっときました。
こんなに優しい患者さんは中々いないと思いますが、感謝の気持ちを述べられたらきっと嬉しくなって、医療従事者の方たちは次へ繋げていくことができるのだと感じました。
そしてやっぱり栗原先生のような医師が理想像だと思います。
2011年12月1日
- 伝統を知り、今様に着る 着物の事典
- 池田書店
- 池田書店 / 2011年4月4日発売
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着物のことが好きなくせに、詳しい部分はきちんと理解していなかったなぁと反省して、着物のこと全般が書かれている本を探していました。
着物の各部の名称、しまい方、小物など着物に関する様々な知識を得ることができます。
この1冊で、着物についての基本的なことを全て学べるのではないでしょうか。
また、着物を着ているときの所作、購入に至るまでが書かれているので実用的だなと感じます。
個人的には記載されている着物がとっても綺麗で、見ているだけでドキドキしてしまいます。
今の着物+昔の帯、昔の着物+今の帯などの合わせ方も、斬新なアイディアで面白かったです。
2011年10月19日
- ぼくのメジャースプーン (講談社ノベルス)
- 辻村深月
- 講談社 / 2006年4月7日発売
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初めは、超能力者というお話ということで読むことに抵抗がありました。
どちらかというと、現実的で、だけどどこか僅かに非現実的。そんなお話を多く読む傾向があるので、超能力という非現実なお話を読むに至るまで時間がかかりました。
だけど実際に読んでみると、すらすらと文章に引き込まれていきます。さすが辻村先生。
今回お気に入りなのは、ぼくと先生が復讐について語り合っている場面すべてです。
先生の言葉にはとても重みがあるように感じました。
言葉に力がある、ということは本当のようです。
ずっしりと、復讐について語る先生の言葉がとても胸に響きました。
小学生のぼくが復讐について語っているのは、とても大人っぽいなぁ、そんな考えするのかな?と少々思ってしまいましたが、ぼくがふみちゃんを思う気持ちは子ども相応に感じます。
この時期の男女は一緒にいると冷やかされたりして中々一緒にいることが少なくなる時期だと思います。
それが細かに書かれていて、自分が小学生だった頃を思い出しました。
ぞくりとして、だけどどこか胸が温かくなるお話だと思います。
2011年10月2日
- ビジュアル 幕末1000人
- 世界文化社
- 世界文化社 / 2009年12月12日発売
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1000人という数の多さをよく紹介してくれたなぁという印象が強いです。
写真が多く使用されていて、幕末に興味を持った人が初めて読むにはちょうどいいと感じました。
1000人、というので写真も人だけかなと思っていたのですが、その人にゆかりのある物や場所、石碑やお墓も多く紹介されていたので、見ていてとても楽しかったです。
志士だけではなく、志士を支えた女性も登場してくるので一見の価値はあると思います。
ところどころ、んん?と思う場面もありましたが、とても面白かったです。
個人的に会津藩士の柴司がとても好きなのですが、紹介されていなかったのが少々残念でした。
2011年9月22日
- 花宵道中 (新潮文庫)
- 宮木あや子
- 新潮社 / 2009年8月28日発売
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前に図書室でハードカバーの方を読んでから、今度は文庫本を購入しました。
最初に読んだ時よりも、二度目の今回の方が話の内容や人物の関係がすんなりと頭に入ってきました。
いかんせん時間軸や人物が多様過ぎて初見の時にはページをよく戻っていたのも懐かしいです。
やはり私は十六夜時雨が1番好きなようです。
もちろん他のお話も好きですが。
八津の揺れる心情や生に対しての考えが細かく描写されていてお話の中に取り込まれていきました。
最後の大門切手はある意味どんでん返しが待っています。
2011年8月24日
- 愛してるよカズ: 小児ガンと闘った母親と息子の愛の記録
- 光武綾
- 長崎文献社 / 2008年5月1日発売
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愛しているよ、という言葉の重さがよく分かります。
あとがきにもあるように、この本は闘病記でもあり、なおかつ育児書でもあります。
小さなしあわせを大切にする家族のお話でした。
2011年5月18日
なんでもっと早く読まなかったのか!と、読了後に後悔しました。
読んでいる最中、にやにやするのを隠すのが大変なくらい。
そして同時に、さやかずるい!と思いました。
イツキがかっこよすぎます。料理上手で話し上手だなんてさやかになりたいくらいです。
お話の中に出てくる草の名前も、由来から説明されていたり、巻末には作中に出てきた料理のレシピも公開されていて、豆知識が増えたような気分です。
特に好きなシーンは、さやかがイツキに自分の気持ちを爆発させてしまうシーンです。
さやかのセリフには、そうなんだよ!そうなのよ!と納得してしまうセリフもあり共感できました。
また、イツキも隠していた気持ちを爆発させて、2人が見ているのも恥ずかしくなるくらいのラブラブっぷりにはにやにや。
最後はきちんとハッピーエンドで終えられていたので、本物の恋愛小説だなぁと感じました。
2011年1月26日