ノーベル賞授賞式開催!カズオ・イシグロさんの受賞講演、書籍化&Kindle化!

『私の20世紀の夕べ―そして、その他のささやかな発見たち』 My Twentieth Century Evening and Other Small Breakthroughs Paperback

2017年度のノーベル賞授賞式が12月10日(日本時間11日早朝)に行われました!ノーベル文学賞を受賞された、カズオ・イシグロさんはじめ、多くの人々が受賞スピーチを述べています。

カズオ・イシグロさんは英語でスピーチをしていますが、「ノーベルショウ」「ヘイワ」など日本語を使いながら述べていました。5歳のころ母親から日本語で、「ノーベル賞は平和のための賞だ」と教えられたのだと(受賞の知らせを聞き、91歳の母に電話した、とも)。ノーベル賞は私たちが自らを分断する壁を越え、ものを考えられるように助け、人間として共に闘わねばならないことが何かを思い出させてくれる賞、と力強く語っています。12月10日に行われた受賞式後のスピーチは、毎日新聞などで翻訳が掲載されています。

カズオ・イシグロさん、おめでとうございます。なお12月7日にカズオ・イシグロさんによる記念講演「My Twentieth Century Evening - and Other Small Breakthroughs」(私の20世紀の夕べ―そして、その他のささやかな発見たち)が行われましたが、このときの内容が全文ノーベル賞の公式サイトで公開されています(英語)。

nobelprize.org “The Nobel Prize in Literature 2017 Kazuo Ishiguro”

現在Kindleで記念講演を購入することができ、書誌情報から書影を見ることができます。

Kindle版のほうが発売日が先ですぐに入手できますが、紙の本として洋書で発売されることも決まっていました。Amazon.co.ukなどで書誌情報を見ることができます。この書籍が日本語で訳される日はくるのでしょうか?楽しみですね。

Amazon.co.uk : “My Twentieth Century Evening and Other Small Breakthroughs”

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カズオ・イシグロさん

From wikimedia Commons/File:Kazuo_Ishiguro_by_Kubik.JPG, 09:00, 16 September 2016, Author:Mariusz Kubik
License=CC BY-SA 2.5

1954年11月8日、長崎県長崎市生まれ。5歳のときに父の仕事の関係で日本を離れて、帰化し、現在は日系イギリス人としてロンドンに住んでいます。日本語は聴き取ることはある程度可能ですが、ほとんど話すことができないそうです。ケント大学卒業後、イースト・アングリア大学大学院創作学科に進学。批評家・作家のマルカム・ブラッドリの指導を受けています。
1982年のデビュー作『遠い山なみの光』で王立文学協会賞を、1986年『浮世の画家』でウィットブレッド賞、1989年『日の名残り』でブッカー賞を受賞し、これが代表作に挙げられています。映画化もされた代表作、2005年『わたしを離さないで』は、Time誌において文学史上のオールタイムベスト100に選ばれ、日本では「キノベス!」1位を受賞しています。直近の著作は、2015年発行の『忘れられた巨人』です。

カズオ・イシグロさんの作品一覧

参考リンク

nobelprize.org “The Nobel Prize in Literature 2017 Kazuo Ishiguro”
Amazon.co.uk : “My Twentieth Century Evening and Other Small Breakthroughs”
Knopf Doubleday Publishing Group “Media Center: Kazuo Ishiguro Nobel Lecture Published by Knopf”
毎日新聞「ノーベル文学賞 イシグロさん記念スピーチ 全文」(2017年12月11日)