どこまでも亀 (STAMP BOOKS)

  • 岩波書店
3.81
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001164190

作品紹介・あらすじ

アーザは強迫性障害に苦しむ十六歳。失踪した大富豪ラッセル・ピケットの手がかりを探しに、親友のデイジーとピケット邸に乗り込んだアーザだったが、そこでピケットの息子デイヴィスと再会を果たす。デイヴィスに惹かれる一方、アーザは常に思考の渦に飲み込まれる不安にさいなまれ……。ベストセラー作家、待望の新作。

感想・レビュー・書評

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  • 切ない。
    でも、良かった。

  • 主人公が思考の螺旋にはまっていくところや引用の部分は半分飛ばし読みしてしまった。

    結末が気になり、最後までざっと読み通してから改めて読み返すといろいろ心に響くところもありました。

  • くーっ。
    青春ものは苦手だが、この人だけは別格だ。

    • chineseplumさん
      主人公も周りの人間もごつごつしていて、おもしろかったです。
      主人公も周りの人間もごつごつしていて、おもしろかったです。
      2020/01/04
  • 身の回りの細菌に感染することへの脅迫性障害のあるアーザ。父親を亡くし教師の母親と二人暮らしの16歳。親友のデイジーは、大学進学のお金を貯めるためにバイトをしている。ある日アーザの幼馴染で大金持ちの息子のデイヴィスの父親が失踪したことがニュースで流れる。失踪の手掛かりとなる情報提供者には賞金が出るという。デイジーは賞金欲しさにアーザとデイヴィスの邸宅へと向かう。
    大富豪でありながら父親の愛情を感じられないデイヴィス、アーザを心配しながらも自分の将来のためにお金は欲しいデイジー。強迫性障害の自分とデイヴィスとの関係に揺れ動くアーザ。デイヴィスの父親の行方は気にしないようにと思いつつもデイヴィスの弟ノアのために追求してしまうアーザ。
    自分自身の障害との闘いにようやく明かりが見えてきたころ、アーザはデイヴィスの父親の消息にきずいてしまう。

    様々な愛について考えさせる。異性との恋心、親子の愛、親友との愛情。どれも確信はもてず、それでも失う事への大きな悲しみ。アーザとデイヴィスの長い人生での大きな愛を願わずにはいられない。

    ジョン・グリーンはYAを書かせると最高だ。

  • 強迫性障害を抱え、バクテリア感染の恐怖に怯えるアーザ、16歳。亡くなった父親の携帯電話を今も充電しつづけている。

    スターウォーズのファンフィクション作家である親友デイジーは、懸賞金目当てに、失踪した大富豪を探そうと必死。でもそれは、アーザの幼馴染、デイヴィスの父親なのだった。

    デイヴィスとアーザは惹かれ合う。彼に触れたい、キスしたい!でも頭の中で声が…
    「カンビロバクター菌の感染はいやだよね。」

    SNSやFace timeのような非接触空間でなら、自然でいられるのに…。

    ところどころ引用されるクールな文学に救われながら、彼らの行きづらさに触れ、共感できたなら、私たちの世界はもっと広がり、優しくなれるのかもしれない。。

  • ジョン・グリーン作で、金原瑞人さん訳なのに、読み進めるのに、読み終わるのに、むっちゃ時間が必要でした。
    いや、読みにくいとかでは、ぜんっぜんなかったんですよ。
    ただ、なんとゆーか、苦しくて。ザワザワして。
    正直、しんどいなぁ。って思ったりもして。
    でも。でもね、
    読めて、読み終わって、
    よかったぁ。って思ってます、いま。

    本を読むのって、けっこうエネルギー要るんですよね。
    心がしんどいとき、読むことで救われたりすること、たくさんあったし、本がなかったら、這い上がれなかったかも。と思うシーンは、これまで、いろいろあったし。
    けど。
    だからこそ、かな。
    万能じゃない。というのも実感で。
    心が、いくつもに割れちゃったときは、本を読むこと、開くこと、手に取ることさえできなかった。
    なので。
    あまりにもしんどいときにはオススメできないけど、
    時間かけても読み終われたら、
    よかったぁ。となれるんじゃないかと思うのです。

  • すごくよかった。出てくるみんな愛おしい。特にアーザ。強迫性障害に苦しみ友達や恋人のことをちゃんと考えられず傷つけて自分を責めて責めて彼女もまた傷ついて、それでも生きたいと叫ぶ、生を渇望する姿に涙が出た。アーザが主人公で本当によかった。あなたの物語で本当によかった。

    親友デイジーがスターウォーズシリーズのファンフィクション界隈ではそれなりに名の知れた作家(同人作家みたいなもんだろうか…)っていう設定も超好き。そしてアーザのことを名字を砕いた「ホームジー」と呼ぶのも超好き。女友達って付き合いが長くなると一周回って名字呼びになる現象ありませんか?

    アーザとデイジーは家庭環境も経済状況も考え方も全く違う、お互いにいろいろ思うことがある(特にデイジーからアーザへ)けどやっぱりコミュニケーションを諦めない、言いたいことを伝え且つ歩み寄ろうとする そんなふたりが大好きになった やっぱり不断の努力なんだ 大人になってもまだ胸を打たれる

    海外文学ではヤングアダルト分野(10代向け?)にカテゴライズされてる小説なので読みやすいし、けど内容がライトかと言えば全然そうじゃなく、30手前にしてもまだまだわたしの心のやらかい場所を今でもまだしめつける(夜空ノムコウ)いい本だった 翻訳者の金原先生からサインを頂いた本だし、いつまでも大事にしたい本だと思った。

  • YA小説なんだけど、サクッとは読み進められなかった。

    主人公が強迫性障害に苦しむ子、いつでも細菌に感染するんじゃないかと恐れている。
    親友は「スター・ウォーズ」が大好きでファンフィクションを書いてる。ここに惹きつけられてこの本を読んでみようと思ったんだけど。

    そして、詐欺罪で失踪した大富豪を探そうと幼馴染だったその息子に近づき、惹かれていく。
    この少年もクール。だけど強迫性障害のせいで不思議な距離感でいようとする。

    登場人物はそんなに多くないなかで、グルグルいろんな事がまわってる感じ。
    今どきの内容だけど、スッと入ってこない不思議な感覚。

  • 考え過ぎて終わりのない思考が螺旋状になる。私もよく陥るんだけど、心の叫びがリアルに描かれているなぁと思った。そして見放すことのない彼や親友の存在がありがたい。思いが共鳴した感覚は、未来への糧になるんだ…とラストでは示してくれた。最後がとてもいい。ゆっくり自分の足で歩いて行ってほしい…と若い人へのエールになる。

  • 「個」の確立を求められ続けるって厳しいなあ
    強迫性障害と言われる人の心のうちを少しだけ見ることができたといえるのだろうか
    主人公の心の動きを追っていくと救われなくて切なくなる
    その切なさもそれはそれでいいんだ

    微小なものから極大なものまで自由自在なスケール感とか愛について語られる部分に引き込まれる

    タイトルが唐突な感じがしたのはなぜだろう

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著者プロフィール

John Green

1977年,インディアナポリス生まれ.オタク的感性と高い文学性,エンターテインメント性を兼ね備え,2005年発表のデビュー作『アラスカを追いかけて』で2006年度マイケル・L・プリンツ賞受賞.『ペーパータウン』でエドガー賞ヤングアダルト部門賞受賞.『さよならを待つふたりのために』でTIME誌の2012年度の小説1位に選ばれるなど,今もっとも注目されている作家.弟のハンク・グリーンとYouTubeに動画を投稿する,Vlogbrothersの活動でも知られている.

「2019年 『どこまでも亀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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