こころ (岩波文庫 緑 11-1)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101117

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった後で、先生の全てを知ることができる。悲しすぎるけれど、人間とはこういうもの。

  • 06.11.17

  • 「こころ」は、すごく真剣に向き合った唯一の本。

    人のこころの強さと弱さ、それぞれの登場人物が持つプロテクター。

    時代背景を意識して読むと、沢山のインプリケーションが散りばめられている事に気付く。

    わかり易い方程式が、現実の複雑さの中から読みとれるようになっていて、
    一見やるせない世界が、一本一本のしっかりとした糸から織りなされている事がわかる。


    精読という事を初めてしました。
    一年間という信じられない時間を費やしてこの一冊をテーマにしてくれた、高校の国語教師に感謝。

  • Kが……Kが大好きで仕方のない人はどうすればいいのでしょうか(どうもせん)

  •  文学作品として深く心に残ったのは、この作品が初めてだったように思える。高校2年生の夏休み課題図書として配布されたのがこの岩波文庫版で、その時はじめてこの作品を知り、通読した。◆文学作品といえば、これ以前にもアンドレ・ジッドの『狭き門』や井伏鱒二の『黒い雨』(これは1年生の時の夏休み課題図書だったと思う)などを通読してはいたが、前者はいかんせん自分が幼すぎたのか、「頭が良すぎる2人の恋愛は、失敗に終わる」などという身も蓋も無い、かつ正しいかどうかすらも怪しい感想(この正否については、同作品を再び通読しなければならないが)のみを抱くにとどまり、後者は夏の炎天下で読んだためか、原爆投下直後の熱い悲惨さのみが心に残ることとなった。◆そうした2作品とは異なり、『こころ』は明治期日本の世相や風俗といった巨視的な知識から、自我を通すことによって他を押しのけねばならないという、悲しくも普遍的な“人間の業”めいたこと、そしてそこより生じる“孤独”ということについての思索までを、示してくれたように思う。◆当時の自分の意識について、もはやほとんど記憶にはないが、部活に委員会にと比較的忙しい毎日を過ごしており、その中でかえって自分は孤独であると感じる夜もあったように思う。本作品の「先生」の言った幾つかの言葉は、そうした心理状態にあった自分を、問題を同じくする先達として、同病相憐れむという感覚で励ましてくれたように思われる。◆高校生だったころから幾年も経つが、人間の孤独ということを考える機会は、いや増してきている気がしている。同じように感じている人がいるとするのならば、本作品の役割はまだまだ摩滅してはいないということなのだと思う。(2005/05/19)

  • 先生の友人Kが自殺をして、そして、それ以来、人生の見方、生き方を変えてしまった先生のお話。大人向きのお話だと思います。子供にゃわかりませんね。

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著者プロフィール

1867(慶応3)年、江戸牛込馬場下(現在の新宿区喜久井町)にて誕生。帝国大学英文科卒。松山中学、五高等で英語を教え、英国に留学。帰国後、一高、東大で教鞭をとる。1905(明治38)年、『吾輩は猫である』を発表。翌年、『坊っちゃん』『草枕』など次々と話題作を発表。1907年、新聞社に入社して創作に専念。『三四郎』『それから』『行人』『こころ』等、日本文学史に輝く数々の傑作を著した。最後の大作『明暗』執筆中に胃潰瘍が悪化し永眠。享年50。

「2021年 『夏目漱石大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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