職業としての学問 (岩波文庫 白 209-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (92ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003420959

感想・レビュー・書評

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  • いみじくも学問を志そうと欲するものは、何かの理想を思い描いてる暇があればザッヘ(仕事)へ帰れ!
    学問とは、この世の真理をつまびらかにしてくれるわけではない。なぜなら、この世が存在するに足るものかという前提において、学問は何らの解答も用意できないからである。ならば現在において、学問とはどのような意味を持っているのか。なんてことをね。トルストイの人生の解釈が大変興味深かった。

  • 学問を職業としていく上にはどういった資質が必要なのか。
    それは、ザッヘ(労働)に従事することだという。
    個性を求めず、ただそれに従事することが、結果として、
    個性につながる。

  • ヴェーバーがこの講義をした時代背景というのが、この本を読む上でとても重要になってくる。時代病に流されるのではなく、指導者を探すのでもない。「日々の仕事に帰れ」というメッセージはわからないながらも胸に突き刺さった。
    理想ばかりを追い求めていてもしょうがない、自分が今できることを精一杯やるべきである。
    原文訳を読んだだけではさっぱりわからなかったというのが本音。「職業としての政治」よりもさらに難解にみえるようなっていた。なので、最後に書かれていた訳者あとがきや序のおかげでわたしはレビューを書けるのだと言ってもおかしくないです。それくらい読んでる最中はさっぱりだった。

  • 「第一次大戦後の混迷のドイツ。青年たちは事実のかわりに世界観を、認識のかわりに体験を、教師のかわりに指導者を欲した。学問と政策の峻別を説くこの名高い講演で、ウェーバーはこうした風潮を鍛えられるべき弱さだと批判し、『日々の仕事(ザッヘ)に帰れ』と彼らを叱咤する。それは聴衆に『脅かすような』印象を与えたという。」

    全体的に戒め感が強いのは、やはり当時の世相と聴衆に拠っているのだろう。無骨なまでの一意専心を主張するあたりがドイツっぽい。

    講演中では既に学問の高度専門化を話題としているが、その先にある学際性ということまでは出てこない。やはり専門性を極めてこその学際性ということなのだろうか。

    神との関係において学問を論じているところは、イメージが掴めずよくわからなかった。

  • 最初の所がいい。ドイツとアメリカの大学を比較している。「問題は、ある教師のところへばかり学生が集めるということの原因が、多くのばあい、その人の気質だとか、または単なる声の調子だとかいうような、外面的な事柄にあるということである。」

  • ウェーバーの講演。ドイツとアメリカの大学教師の待遇の差異からはじめ、学者としての適性(没個性的に専門に埋没せよ)が語られ、大学教員のキャリアが僥倖に支配されていることを指摘する。学問の使命として、「真理への道」「神への道」などが消滅したあと、責任ある行動をさせるように自ら考える人間を育てることだと説かれる。現代の大学にもタレント教員がおり、ザッヘに埋没していないことが却って持てはやされている場合があるが、こうした風潮に対しても示唆に富み、かつ教育論・学問論としても読めるものである。ただし、当時の学生が教師ではなく指導者をもとめ、事実のかわりに世界観をもとめているという指摘はなかなか分かりずらい時代の雰囲気というものであり、何か具体的な例があれば分かりやすかったであろう。もっともウェーバーは当時の学生を相手に講演しているのだから、書かなかったのもやむをえないのだが。

  • 恥ずかしながらマックスウェーバーの著書を読むのが初めて。だけど至るところで引用される社会学の父の考えをもっと知りたい。

  • 教室における、自然と当為の峻別。教壇の上から自分の意見を述べるべきではない。大学で教壇に立つ人は一度読むべき。

  • 難しい。けど結構好きだ。

  • 学問とは何か?
    講演なので、ちょっと話の流れが見えにくい部分もありましたが…
    今に共通する部分もあり、違うと反論したくなる部分もあり。
    ウェーバーってこう考えていたのか!というのが知れて
    面白かった。

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著者プロフィール

1864-1920年。西洋近代について考察したドイツの法学者・経済学者・社会学者。代表作は、本書に収められた講演(1919年公刊)のほか、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(1920年)など。

「2018年 『仕事としての学問 仕事としての政治』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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