- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784036518807
感想・レビュー・書評
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”この世界でいちばん、たしかなもの”。竜と闘うというから派手なアクション冒険ものなのかと思いきや、中心に据えられているのはむしろ観念的な”問い”の部分。エンデの「はてしない物語」とか「モモ」とか、そっちらへんに似た匂いを感じた。偕成社文庫の装丁ゆえの先入観かしら?笑
児童文学をよむと、その「一つしかない答えにすとんと着地する」感に感動する。たどりつくべき地点にたどりつく、正しさの感触。それはこの話におけるダレカの謎かけ”この世界でいちばんたしかなもの”にも当てはまる。
ただしこの答えが知れるラストシーンで、主人公・悟がみごとに答えの読み替えを行い、自分とかおりの絆をも証してみせたところに、この話の妙がある。小手先の発想転換と見る向きもあろうが、竜のとんち合戦とは本質的に違い、もともと禅問答に近い問いかけなのだから仕方ない。
竜のいる世界で(つまり、物語のほとんどで)重要な位置を占めるかおりが、元の世界に帰ったとたんその巫女のような特別性を失ってしまうように見えるのが玉に瑕。しかしそれは悟の最後の台詞を深読みして解決できるだろう。「そのつもりになれば、いつか話すよ。」そのあと二人はどうなったのかなー? と思いをめぐらした読者は大勢いるんじゃないかしら(*´ω`*)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2010/6/27
小学生の時に読んだ以来の作品。
「選ばなかった冒険」も岡田淳さんが書いていると知り、同作者に大きな興味を持った。
ただの子供向け小説ではなく大人が読んでも十分だと思う。
問題の場面や、剣の事を知る場面は鳥肌がたつ。
時間と揺るぎないものを描いている。
子供にも読ませたい。 -
「ダレカ」が誰なのか、あるいは何なのか、探し出し捕まえなければ元の世界に戻れなくなってしまった少年。現実世界の二分間の間に少年はダレカを探す冒険に出る。子供にとっても、大人にとっても、何かに気付くまでの過程そのものが大きな冒険である。一番確かなものは何なのかという問いと、少年の見つけた答えは哲学に通ずるもので、その難題を少年の目線で語り物語の中に編み込みながら読者に伝えている。
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イニシエーション
実は誰もがこんな冒険の旅に出ていた -
岡田淳さんの本の中でも大好きな本の一つ。
最後の結末が何回読んでも驚きます! -
「びりっかすの神様」著者の岡田淳の作品はやはりおもしろかった。理解しやすく、読みやすい。巻末の解説良い。
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わたしが小学生のころにはまった本です。
どきどきわくわくの冒険物語。
ぜひみなさんも二分間の冒険へ!
―K.S.先生
主人公の悟が迷い込んだ不思議な世界で繰り広げられる冒険物語。
元の世界に戻るために謎を解く
ワクワク感が味わえます。
ーK.A.先生 -
展開が面白かったです。
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児童文学の名著。良くできた世界観であっという間に読めた。面白い!
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身近にあるドキドキを再確認されてくれる学生のSF冒険小説。
話は全体的に子供っぽいがそれが良い味を出している。
小学生中学年から中学生、もしくは子供心を思い出したい大人におすすめ。