マリアビートル (角川文庫)

著者 : 伊坂幸太郎
  • KADOKAWA (2013年9月25日発売)
4.06
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  • レビュー :730
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041009772

作品紹介・あらすじ

酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲。

マリアビートル (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 伊坂さんの物語の魅力は何といっても登場人物の造形にある。
    独特の世界観に加え、登場するひとりひとりが本当に活かされてる。
    「グラスホッパー」の続編ということで、顔見知りの人物が出てくるのも嬉しかった。
    いったい何人の殺し屋が出てくるのか。
    早々に姿を消す狼。
    トーマス大好き人間の檸檬と相棒の蜜柑。
    あの「お前の捜し物は、鍵は、盛岡のコインロッカーにある」はよかった。
    何というかグッときた。
    小狡くて冷酷で俺様で頭でっかちの王子。
    世界中の運のなさを一手に引き受けているような天道虫。
    こっそりと背中を押し続けている槿。
    誰にも知られずに一刺しで相手を葬る蜂。
    そして伝説の寝起きの悪い最悪な殺し屋。
    鈴木に引き続き登場していて、彼特有の雰囲気が物語を転換していくきっかけにもなっていた。
    それにしても、本物を怒らしちゃダメだろ…と。
    どんなに優秀だろうと、頭の回転が速かろうと、王子は所詮子供だ。
    多くの経験を積み、あらゆる修羅場を生き抜いてきた者には叶わないのは当たり前だ。
    運の良さだけである程度のところまで来れたとしても、それは王子の実力ではない。
    殺し屋なんだけれど、ずっと前に引退した老兵なんだけれど、木村のおじいちゃんとおばあちゃん。
    半端なくカッコ良かった。

    閉ざされた空間でのやりとり。
    タイムリミットが迫る中、それぞれの事情を抱えた殺し屋たちが動き回るストーリーはスピード感もあって少しも飽きさせない。
    次にこの殺し屋たちに会えるのはいつになるだろうか。
    次回作でまた鈴木に会えるだろうか。それを楽しみに続編を待ちたいと思う。

  • *酒浸りの元殺し屋「木村」。狡猾な中学生「王子」。腕利きの二人組「蜜柑」「檸檬」。運の悪い殺し屋「七尾」。物騒な奴らを乗せた新幹線は疾走する! 『グラスホッパー』に続く、殺し屋たちの狂想曲*

    再読。初読時は悪魔のような「王子」の残忍さに耐えられず、ささっと読み飛ばして終了してしまいましたが…改めてじっくり読み返してみると、登場人物も設定もセリフ回しも全てが魅力的で、面白過ぎる。文字通りの疾走感も抜群で、章ごとのハンコもお洒落で効いています。これぞ伊坂作品!なきらめきがぎっしり詰まった秀作。

  • 東京発、盛岡行き。東北新幹線の車中だけで展開する殺し屋シリーズ第二作。
    新幹線の疾走感に負けず劣らずのストーリー展開。散りばめられた伏線、後半での回収。お見事です。
    「てんとう虫はマリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。」
    明らかにされていない王子の生死について。峰岸息子、狼、スズメバチ、檸檬、蜜柑、白衣の男、峰岸を含めて死体は七つ。ただ、個人的には木村夫妻はきっとやっていると思う。白衣の男はカウントしないのかな。ここに関しては深読みしすぎ?
    天道虫こと七尾はもちろん、蜜柑と檸檬、好きだったから残念だったけれど、「ほらな、復活したろ」のラストで気分が晴れた。

  • この新幹線、降車できない――。

    東京発盛岡行きの東北新幹線〈はやて〉。それぞれの目的を持ち乗り込む(元殺し屋)木村、二人組みの殺し屋、檸檬と蜜柑の果物コンビ。そして背中に七つの星……ではなく七つ以上の不運や悪運を背負っているような、気弱な殺し屋天道虫。さらにほかの業者までもが入り込み、天使的容姿を持つ悪魔的少年、王子が首を突っ込み、中学生ながら大の大人であるはずの業者たちを向こうにまわして事態をひっかきまわす。
    しかもこの中学生、殺し屋相手に「どうして人を殺してはいけないの?」と問いかける。その問いは、決して正義感や善悪からくるものではないところが憎たらしい。

    最高時速300キロで北へと疾走する密室のなか、一般の乗客の気づかぬ間合いで、業者同士お互いの思惑と隙とを探り合う思惑と殺気がぶつかり合う。

    乗客のなかには、なんと『グラスホッパー』の主人公であった鈴木もいた。前作からはや数年、妻を喪った痛手から立ち直りつつある様子。しかし巻き込まれ体質は相変わらずで、周辺には殺し屋業の面々が集ってしまう。

    禍福は糾える縄の如し、とはよく言ったもの。幸運も不運も、人生でのトータルは±0。不運が続いても嘆くことなかれ。幸運が続いても、驕ることなかれ。
    駆け引き、取り引き、殺し合い、騙し合い、運を味方に、運に見放され――盛岡に到着するまで、息をつかせぬ怒涛の展開、そこにどこかほのぼのとした幕間をはさみつつ疾走する、『グラスホッパー』に続く殺し屋シリーズ第2弾。
    この小説、一気に読んだほうがいい。

  • グラスホッパーが面白かったので読んでみた一冊。
    グラスホッパーとつながっているということを知らずに読み始めたけど、知ってるキャラクターが登場して、さらに興味をひかれる。
    物語も新幹線という狭い空間でずっと展開するのに、テンポ良く飽きさせない流れで最後まで。少年があまりに"悪"すぎてもやもやした感覚をずっと抱えるけど、その流れからの終わり方も、いろいろ想像させて面白かった。

  • 「怒ってるなんて言葉じゃ足りねえんだよ」(木村)

    息子の復讐に燃えるアル中の元殺し屋、木村。
    好青年の皮を被った悪魔の心を持つ中学生、王子。
    優秀な殺し屋二人組、文学好きの蜜柑とトーマス好きの檸檬。
    何をするにも運が悪い殺し屋、七尾。

    舞台は東京発-盛岡行の東北新幹線内の約2時間半。

    登場人物は全員物騒だけど、どれも個性的なキャラクターばかりで面白い。ハラハラドキドキしながらあっという間に読める。
    またグラスホッパーやAXと世界観は同じで鈴木や槿、蜂も登場。

    読後、檸檬の影響を受けてトーマスの曲を初めて聴いたけどこんな曲があるのかとビックリした。
    『事故がもし起きたら、落ち込まなーいでー』

  • 中盤あたり、それぞれの話が交錯しだしたあたりからどんどん面白くなり引き込まれました。
    殺し屋が何人も出てくる物騒な話なのですが、コメディ要素もかなりありました。
    ページ数は結構あるのですが文章の読み易さのせいか一気読みでした!

  • 「ついていないから笑う」読みたさに再読。うん、読んだことあったわ(笑)七尾くん好きだなぁ。この、運が悪いことを享受する様が素晴らしいww私も洗車するときには傘を持とう←いえ、夏は日傘に、それ以外でもいざ用に、通年晴雨兼用折畳み傘を持ち歩いてますけどね

  • 登場人物のキャラクターも濃く、スピード感もあり、章ごとに先が気になる展開が続く良書。読む前後に新幹線で出掛ける用事があったので、読みながら想像を掻き立てられ、とても楽しめた。話の内容的には、良い意味でも悪い意味でも軽い感じがするが、主要人物の一人が繰り返す「どうして人を殺してはいけないのか?」という問いに関して、それに答える様々な大人の意見を通して、自分の腑に落ちる答えを見つけられると思う。

  • 新年1冊目は長編を、と思って選んだ本。前作は既読だけど内容はほぼ覚えていない。かろうじてこの人の名前聞いたことあるな…と引っ掛かるくらい。その程度の記憶でも全然問題ないけど、こんなに面白いの読んじゃったら前作も読み直したくなる。
    個性的な登場人物達、次々に起こる事件、伏線もキレイに回収して、、さすがだなー。どこかフワフワしているような台詞の掛け合いも面白かった。舞台が新幹線の中というのも緊迫感があって、物語を盛り上げていたと思う。今度新幹線に乗る機会があったら絶対にこの話を思い出すだろう、、
    登場人物の中でも印象に残っているのは、やっぱり王子かな。悪を一手に引き受けているところがあるけど、普段見ない振りをしている部分を見せつけられているようで、何とも苦い感じ。でも最後に言い返してくれる人が出てきてくれたのは嬉しかったな。あと冴えている時の天道虫くんも好きだった。彼は長生きしそうだ、、

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