本をめぐる物語 小説よ、永遠に (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026137

感想・レビュー・書評

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  • 本好きにはたまらない、本好きのための本!

    本の中で本を読んでる人たちの話。

    最後の新刊小説が撲滅されるやつとか、、、読んでて、
    いやだ!いやだ!いやだ!そんなのは嫌だ!

    昔の小説も全て読破したいと、野望があるけど、それでも、、、新刊小説が出ないなんて!!!!
    なんか、悔しくて涙がでそうでした、、、、

    ホント、、、、

    わたしはこれだけ本が好きなんだから、もっともっともっと応援していかなくちゃならないよな!!!!と、思った。。。

    さすがに月30冊は買えないので、せめて数冊でも新刊買ってく!!!!!!!!!!

    全力で本屋さん支えて行きたい。。そんなふうに思う一冊でした。

    千早茜さんの短編は切なくて、、他の本も読みたくなりました!!!

  • 「赤と青の物語」と「あかがね色の本」が印象に残りました。この2作品は再読したい。

  •  このアンソロジーに収録された、藤谷治の「新刊小説の滅亡」のみ読んだ。
     ツイッターで小谷野敦が「これに芥川賞をあげたいくらい」と絶賛し、栗原裕一郎もホメていたので読みたくなったのだ。

     なるほど、これは傑作。しかも、「現役の小説家がこんな話を書いて大丈夫なのか?」と心配になるような「ヤバイ傑作」だ。

     近未来のある日、日本の文芸誌、小説誌がいっせいに廃刊する。のみならず、出版社がいっせいに新刊小説の刊行をやめる。
     なぜなら、新刊小説を刊行しても何の意味もないし、文学にとって有害だから(!)。

     ……と、そのような度肝を抜く設定の短編である。

     新刊小説の廃止が決行されてから起きる出来事の数々に、ぞっとするリアリティがある。
     各出版社は過去の名作に注目が集まることでむしろ潤い、才能ある作家たちは他のコンテンツ業界で引っ張りだこになるから、無問題。才能なき作家たちが淘汰されて消え去るのみなのだ。読者の側も、新刊小説が出ない世界にすぐさま順応する。
     要は、新刊小説など出なくても誰も困らないのだ。

     文芸業界をめぐるタブーに踏み込んだエンタメ小説としては、東野圭吾の「小説誌」という傑作短編(『歪笑小説』所収)があるが、それに勝るとも劣らない。

     藤谷治の小説を読むのはこれが初めてだが、ほかの作品も読んでみよう。 

  • 今回は私好みのSFっぽい話が多くて面白かった!(^^)でも読み終えてみたら、青春甘酸っぱ系だった千早茜さんの「あかがね色」が一番好き(*^^*)

  • 8人の作家による「小説」をテーマにしたアンソロジー。色んな切り口で切り刻まれた「小説」や「物語」を小説で読むことで、物語の深みに勝手に囚われたり、メタ的なゾワゾワ感に包まれたりする。小説って面白い、と実感。

    秀作が揃っているが、ワシは、物語の禁じられた世界で物語を知覚し出会う男女を描く「赤と青の物語」(加藤千恵、著)と、物語を創り出すAIの成長とブレイクスルー後の世界を描いたSF要素もある「ワールドエンド×ブックエンド」(海老沢めろん、著)が、特にお気に入り。

  • 作家陣も表紙も、10代向け直球。中堅作家が並んで、平均点以上は約束されている。知らない作家を発見する喜びはなかったけれど、どの作品もお話を読む楽しさを提示してくれ、安定感があった。

    奇しくも「いじめ」がからんでくるものが8本中3〜4本あり、いじめにあってる子が本を読んで本の世界に救いを見いだすという図式が、かなり一般的なようである(本といじめって親和性高いんだなあ…)。

    神永学で軽やかに入り、一番よかったのが千早茜、そして藤谷治の問題提起で終わる。小ぶりながらよくまとまったアンソロジーだった。

著者プロフィール

2003年『赤い隻眼』でデビュー。改題した「心霊探偵八雲」シリーズでブレイク。様々なエンタテインメント作品を発表し続けている。

「2023年 『怪盗探偵山猫 深紅の虎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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