きっと、夢にみる 競作集 <怪談実話系> (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041031056

感想・レビュー・書評

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  • アンソロジーを読む理由として、まだ読んだことのない作家さんの発掘があげられる。今回は初めての作家さんが多くて楽しみにしていたが……夢がテーマであるからか、着地が何となく不安定なものが多かった気がする。そしてものすごく惹かれるものもなかったので、少々残念。

    <収録>
    『真昼の川辺で、太陽が照りつける中』中島京子、『だまだまマーク』辻村深月、『鏡の男』朱野帰子、『そらみみ』添田小萩、『偶像の聖痕』小中千昭、『琥珀』沙木とも子、『恋ひ塚』内藤了、『おかいこさんのエレベーター』淺川継太、『花笠の人』小島水青、『メタ・ドリーム』皆川博子

  • 十名の作家による“実話”アンソロジー。今回のテーマは『夢』もしくは『夢見』。
    悪夢の話、夢にみそうな話、夢にまつわるバラエティ豊かな内容となっています。

    ホラーやダークファンタジーは好きなジャンルですが、私自身は霊感めいたものが
    一切ないので「ほんとーに実話なの!?」と疑ってしまう気持ちも少しありますね。

  • それほど怖くはない。『鏡の男』と『そらみみ』が良かった。

  • ○タイトル通り、夢に出そうだし後ろに誰かいそう。そういうリアルさ。
    10名の作家の競作集。全部評を書くのは大変なので、一部気になったものや知っている作家さんのものだけ書くことにしました。

    ○2つめ「だまだまマーク」辻村深月
    幼稚園にあがった息子の春歩が急に「だまだまマーク」という言葉を話すようになった。本人に聞いてもわからない。他の園児も言っていない。疑問に思っていたわたしが三田先生にそのことを聞くと、毎年一人いるのだという。
    不思議に思っていると、運動会が終わったあとでふと顔を向けると・・・

    子供の感受性。

    ○3つめ「鏡の男」朱野帰子
    引っ越した私の部屋の、風呂の天井の蓋をあけたら、大量のバブがあった。
    そのうちできたわたしの彼は、小さいころ夢遊病だったらしい。だから、彼の飲んだ後に表すなにか違う人格は、そのせいかと思っていた。
    でも、"捨てますか?それともこのまま一緒に生活しますか?""ぎっしり詰まってるあれですよ……あなたが誰にも言えないあれ"(p76~77)と聞かれたとき、おかしいな、と思った。
    あるとき、彼が同じように違う人格になって腹を立てて追い出した後、鏡を見るとそこには・・・

    深く考えれば考えるほど深みを増す、バブ。

    読了後、自分たちの横に存在するかのようなリアルさが、気持ち悪さを呼ぶ。
    鏡の男は、もう少し続きが読みたい気もする。
    でもその短さが、読者の想像を増幅させてちょうどよいのかも。

  • 10人による、怖い話。

    題名通り、夢で見たり、白昼夢だったり。
    うっかり思い出してしまわないためにも
    日が高いうちに読んだ方がいいかもしれません。
    いや、思い出すような読み方をしなければ大丈夫?

    ぎょっとする終わりなのは、そらみみ。
    これが現実なのか、あちらが現実なのか、と
    思わせるような最後の一言。
    非常に混乱させられます。

    目的だった、辻村さんは…子供のせいか
    やたら無邪気に怖い。
    世の中、知らない方が…気がつかない方が
    幸せ、という選択もあると思われます!

    言ったら相手に移る夢、かと思っていたのは、琥珀。
    さすがにそれはない内容でしたが
    とり憑かれたと表現するのがぴったりな感じでした。

    どれもこれも、読んだのを忘れた方がよい話。

著者プロフィール

1964 年東京都杉並生まれ。小説家、エッセイスト。出版社勤務、フリーライターを経て、2003 年『FUTON』でデビュー。2010 年『小さいおうち』で第143 回直木三十五賞受賞。同作品は山田洋次監督により映画化。『かたづの!』で第3 回河合隼雄物語賞・第4 回歴史時代作家クラブ作品賞・第28 回柴田錬三郎賞を、『長いお別れ』で第10 回中央公論文芸賞・第5 回日本医療小説大賞を、『夢見る帝国図書館』で第30 回紫式部文学賞を受賞。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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