セロ弾きのゴーシュ (角川文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041040027

感想・レビュー・書評

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  • セロ弾きゴーシュの話は、面白い話だと思っていました。
    楽しいという印象はありませんでした。

    セロ弾きゴーシュのアニメで楽しく見ることが出来ました。
    アニメを見てからだとセロ弾きゴーシュを楽しく読んだり、新しい観点を持って読むことができるようになりました。

  • 音楽は多くの動物で技で作られている。そう考えると、いろいろなジャンルはそれぞれの国独特の動物の技であり、これこそが文化の多様性なのだろう。

  • 宮沢賢治、小学校だか中学校だかの教科書での出会いの第一印象があまり良くなかった。
    それ以降、事あるごとに対峙するのだが、あまり芳しい印象はない。今回は河合隼雄『猫だましい』からの流れで読んでみて、作品によって全く印象が違うことには気付いた、程度まで進んだ。しかし、宮沢賢治は猫苦手?ゴーシュのもとにやって来た猫にも、猫事務所の猫たちにも、どうも作者の愛情を感じられない。狐や狸やその他の生き物には作者の慈しむ目線が感じられるのだが。猫贔屓の身としては承服しかねるわけで…。
    基本的に、宮沢賢治ワールドは私にはまだ読みこなせないのかもしれない。いつかあるかも知れない再読に期待。

  • 幼稚園生だった時によくこれのアニメ版にお世話になったため、なつかしくなって今更原作を購入。
    当時はなにも考えずに観ていたけれども、宮沢賢治だったのね…

  • 「雪渡り」
    人間はなにかってえとすぐ自分の失敗をきつねのせいにする
    きつねたちは屈辱を強いられているんだ
    だから「ああいう大人になってはいかんよ」という趣旨の教育的イベントを
    開催し、人間の子供たちも何人か誘い出したりする
    団子も出るのだ

    「氷河鼠の毛皮」
    毛皮を身にまとっていい気になってる人間たちに
    どうぶつの秘密警察が魔の手をのばす

    「オツベルと象」
    象を労働者として使い、大儲けするオツベル氏
    両者の関係ははじめのうち良好だった、しかし
    やがてなぜか低賃金・重労働が強いられるようになる
    まあなんだ
    下の人間(象だけど)が「楽しく」仕事をやっているのを見ると、
    バカにされたような気分になる、という人は実際いますよ

    「猫の事務所」
    猫の事務所にも陰湿なイジメ・パワハラが横行してるようです
    それを見たライオン氏は
    義憤にかられて猫たちの仕事場を解散させてしまうのだ
    作者はそれに「半分だけ」共感する、と

    「シグナルとシグナレス」
    信号機だって恋をする
    しかし足がないんじゃ話にもならない
    風に言葉をのせてささやくことぐらいしかできない

    「北守将軍と三人兄弟の医者」
    身体が健康になると世俗的な欲望も抜けてしまうという話

    「朝に就いての童話的構図」
    まさかのズッコケオチ

    「グスコーブドリの伝記」
    自己犠牲ばかりクローズアップされがちであるが
    それによって、おそらくブドリはヒーローになったことだろう
    そのことについて考えないわけにはいかない
    作者の人間臭さが珍しく前面に出た作品であると
    個人的にはそう思う

    「ペンネンノルデは今はいないよ……」
    「ネネム」にも名前は出ていたが、たぶんニーチェの影響は受けてると思う
    グスコーブドリにつながる創作メモみたいなものであるらしい

  • グスコーブドリの伝記が収められている短編集。

    ブドリに最後の決断をさせたのはなんだったのか。

    読み終わったあと、銀河鉄道の夜の「僕はもうあのさそりのように、本当にみんなの幸せのためなら、僕の体なんて100回焼いてもかまわない」という、台詞を思い出しました。

    愛する人を守るための決断。優しく強くないとできないなぁ。

    詩のようであり、童話であり、大人になってから読むとまた違う印象を受けました。

  • 「グスコーブドリの伝記」が映画公開ということで再読。

    「セロ弾きのゴーシュ」のようなスカッとする物語もいいけども、やはり、「グスコーブドリの伝記」のように、つらく切なくなる、けども希望の持てる物語も好きだ。

    「銀河鉄道の夜」にあるように、みんなの幸い(さいわい)を願うこと、そして犠牲が存在すること、そして、その願いが個から抜け出しているところに感動。

    映画「グスコーブドリの伝記」は、1985年の映画「銀河鉄道の夜」作成スタッフと同じらしい。今回も登場人物がネコという同じ設定なので非常に楽しみだ。

  • かわいいね。狸のところがなんか好きです。

  • なんとなく久しぶりに読んでみた。 子供のころ読んだのとは違う感想をもった。 『猫の事務所』の最後、上長である獅子が言った言葉に、「私」はなぜ、「半分」だけ賛成したのか?とか。

  • グスコーブドリの伝記 がすき

  • 優しい気持ちになりたいときに読む本です。

  • 10月23日読了。iPhoneの青空文庫リーダーアプリにて。宮沢賢治の古典。楽団でセロがうまく弾けないゴーシュ、毎夜遅くまで練習をしていると、毎日動物たちが部屋を訪れだし・・・。かんしゃくを起こしたり動物に当り散らしたりと、ゴーシュが単なる真面目なセロ弾きでないのがいい。それだけにラストの呟きがじんと染みる。

  • 童話たちは光り輝いて青春にきらきらと零れた。

  • ファンタジックな世界観も好きなのですが、独特な文章(擬音とか)が特に好きです。読んだことがあるお話も楽しく読めました。

  • 話の意味をすべて理解しようと思いながら読むより感覚的に読みすすめる方が楽しめる気がする。

  • 自信がないとき、セロ弾きのゴーシュは勇気くれます!!

  • 宮沢賢治の短編集です。どくとくの形容の仕方などが印象的です。どこかセンチメンタルで寂しさのある物語が多いような気がします。

  • 楽団のお荷物だったセロ弾きの若者・ゴーシュが、夜ごと訪れる動物達とのふれあいを通じて、心の陰を癒しセロの名手となっていく表題作をはじめ、賢治が生前に新聞・雑誌に発表した名作、代表作の数々を収める。

    ここに収録されている童話はとてもおもしろかった。『やまなし』は小学校のときに国語の教科書でやった記憶がある。
    賢治作品はタイトルを聞いたことがあっても、ちゃんと読んだことのないものが多かったので、今回初めて読んでみて、その良さが少しはわかったような気がする。
    『セロ弾きのゴーシュ』は、とてもあたたかい気持ちになれた。

  • 家にあったやつ

    何回も読んでる宮沢賢治
    この本ははじめてかな〜

    おもしろい宮沢賢治
    はじめて読んだのもあったり

    先生が森の?学校?で授業する話が読みたい

  • 『注文の多い料理店』が自然を見つめた童話集なら、この『セロ弾きのゴーシュ』は人間社会を見つめた童話集ということができるかもしれません。
    美しい音感に鋭い洞察。
    宮沢賢治の芸術的・思想的魅力がたっぷり詰まった一冊でした。

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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