ししりばの家

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 539
感想 : 91
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041054826

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の怪異と思われたものが、実は現実だったのが何とも恐ろしい。

  • 「ししりば」とは一体どんな物だったのだろう。砂が迫ってくる描写の方が勝ってしまって、よくわからなかった。 また怖さよりも、終始砂の不快感で息苦しくしんどかった。 琴子さんの能力を持つきっかけがわかったけど、結局は銀の活躍が大だったってことで、物足りなかったなぁ。 しばらくはこのシリーズでいくのかな?

  • 比嘉シリーズ。琴子のルーツが明かされます。
    登場人物それぞれの目線で物語が進みます。
    今回もミスリードがすごいー!
    しかし人が死ぬことより後味が悪い結末もあるんですね。後味悪いというより釈然としないというか
    それこそ砂を噛むようなモヤモヤ感がありました。
    しかし映画とかもそうですが用事などで席を立ったり時間が経ったりすると続きをみる気になれない事って結構あるんですよね。
    でも面白いものだと何回中断しても手が空いた時に目が行ってそれを見る読む時間になる。
    そんな本は久々でした。楽しいな。

  • 笹倉さんの奥さんが一番かわいそう。

  •  この本には、様々な家が出てくる。
     「ししりば」に支配された砂だらけの家。
     引きこもりの息子のために、母と父が働く家。
     赤子の遺体を放置する家。
     子供を死者として扱う家。
     どれが異常で、どれが普通なのか。
     全て、その家の中では普通のことであり、住人は普通だと思っている。
     怪異に支配された家でも夫が浮気すると悲しみ、浮気相手の生霊には怯える「普通」の一面を覗かせるのもまた怖い。
     「家」という、他人からは見られない内に閉じた世界では、正常と異常を区別することが難しい。
     例え異常だと理解しているつもりのことでも、異常だと意識しておかないとすぐに「普通」に変わってしまう。
     果たして、自分の家は他者から見たら普通なのか。
     自分は普通なのか。
     自分が異常なのか普通なのか気づけない、そんな怖さが背筋を登ってくる本だった。
     
     
     

  • 目で読んでるのに
    なんだか耳に残るのよ・・。
    あと、口にも。
    こわいこわいこわいーっ。

  • 前2作に比べると割りと平凡な構成のホラーだが、主人公が陥る不条理で生理的に『厭』なシチュエーションが伊藤潤二的で良い雰囲気。

    読者をひと時も安心させない技法にかけては天下一品だと思う。

  • 面白かった。
    映画化できそうな、できなそうなチープ感。

  • 琴子が覚醒する原因になったバケモノとの因縁対決。時系列はぼぎわんの前。
    砂に浸食されていく描写が巧みでひたすら気持ち悪い。
    ただ、最初読んだ時は呑み込めなかった事象もあった。

    琴子たちが遭遇した時代に住んでいた橋口家では死んだとされた妹はネグレクトされていたということだった。
    ししりばは犬に弱いとのことで、橋口家が犬を飼っていなかったら妹が虐げられていることを見逃さなかったのだろうか。
    もうひとつ不可解だったのは、平岩家が生霊に苦しめられていたこと。
    呪詛の品が「アンインストールされた」から「物理破損されたので無効化」となったのはししりばの仕業なのだろうか。
    半年経ってから解決したが、平岩妻に子供ができたから守るシステムが発動したということなのかな。

    怪異が終わったと思ったら別の原因があり、そちらの方が大きかった、というのは怖さが更新されて良かった。
    指笛で老犬が駆けつける場面などはワクワクしながら読めた。
    だが、このパターンに慣れてきたせいか、今ひとつ怖さやバケモノ対決の派手さがなかったように感じる。
    もっと比嘉家の活躍が読みたいのでこれからも期待したい。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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