女生徒 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.10
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感想 : 256
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099155

感想・レビュー・書評

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  • 自分の文学の路が開いたともいえる作品。
    もう一回読んだら感想載せたい。

  • オーディオブック聴き放題。
    1938(S13)女性読書から送られた日記を題材に14才女生徒の朝起床から夜就寝までの一日を描いただけの作品なのに太宰治の女生徒の心理描写が凄すぎて美少女大好き川端康成も大絶賛。

  • 誰もわかってくれない、社会に馴染めない、変わり者、こういう思考って強すぎる自己愛からくるものなんですね。人間失格読んだ時も思った。誰も他人の気持ちなんてわからなくて当たり前だし、みんな特別だとも言えるし、誰も特別じゃないとも言える。みたいなことをみんなもうすでに気づいてて、それで社会に馴染んでたりする?だとしたらみんな凄すぎる。なんか自分らしさがどうとか言って、暗く生きるのはやめようと思った。笑(特に「恥」)

    褒められると卑屈になってみたり否定したりするのに、貶されると腹が立って相手を責めたり自分で自分を正当化しなきゃいけない気持ちになったり
    美しくない、一貫性のない、汚くて恥ずかしい感情たち。めちゃくちゃ面白かった

    女生徒
    こんなくだらない事に平然となれるように、早く強く、清く、なりたかった。

  • 母の本棚から。購入日のメモを見るに母が女生徒だった頃に買ったもの。

    時代も、文化も、性別も、いろいろ違っても一人称の語りに気付けば自分が同化している感覚。

    有名作なのに未読だったなと思ってのひさびさの太宰でしたが、やっぱ良い。

  • 思春期の女の子の葛藤や憂鬱がリアルに描かれている。文章全体の雰囲気は梅雨っぽくて、雨が降っているようで、薄暗い。おんなのこがずっと脳内で喋り続けている。ああ私みたいだ、と傲慢ながら思ってしまった。そんな彼女が最後、幸福は一夜おくれてくるのだと気付いてくれたことにどれだけ救われたか。幸福は一夜おくれてくる、本当にそうなんだと思います。生きよう。

  • 「ぽかんと花を眺めながら、人間も、本当に良いところがある、と思った。花の美しさを見つけたのは、人間だし、花を愛するのも人間だもの。」

  • 2022/09/26
    太宰治の書いた本を久々に。文豪と呼ばれるだけあって短編なのにとても濃い。そして今回の文庫は女性が主人公で描かれている話。それも登場人物の女性が一癖も二癖もある感じ。
    「え、普通そんなことしなくない?」「え、普通そんなこと思わなくない?」というように読んでて思ってしまう内容が多かったけど読み応えというのはそういうところから生まれるのかなーとも思いました。
    短編ですが描かれた時代の違いもあり戦争中の人々の生活感あふれる様子などが詳しく読み取れ、現代の生活や文化、慣習との違いを実感しながら読み進めることができます。

  • 気になったやつからパラパラ読んでるけど、少し古い言い回しも句点なく続く長い独白も気にならず、スルスルと身に言葉が入っていく感覚。たまに刺される。

    太宰の男主人公は女々しくて時々イラつくけど、斜陽しかり、女性語りは読んでて心地良いまである。

    まだ読んでない短編も全部読んでみたい。

    魔笛の一転二転展開が変わるのと、畏怖にも見える希望の仄めかし方が好きだった。

    女生徒は歳を重ねて読むと感じ方が変わって、羞恥に共感してたのが微笑ましさを感じた。どこか遠くからの視点で読めたことが寂しくもあった。
    あれを三十路のおじさんが書いたの天才。

    皮膚と心、あ、もう読んでるだけで痒い、辛い。でも幸福の在り方がわかる。

    どの女もみんな刹那の中で生きている。
    未来や過去を生きるより、女は今。
    今この瞬間の幸せを求めて生きているから、何もないことで悩んでいる男のことが馬鹿らしく可愛らしく見えるのかもしれない。

    太宰は俺にしか、私にしかわからないっていう感情を掬って書くのがうますぎる。時代問わずみんな夢中になるわけがわかる。

    自分を可哀想だと思った時、可愛いなって思った時、読み返してその気持ちを熟成させたい。

  • 太宰の女性の告白体小説には古き良き時代の家族の有り様が見て取れて一種懐かしいような感じがします。家族間での言葉遣いもとても丁寧で相手を思いやる心がけが見て取れます。今は何かに追われていて心に余裕がないのでしょうか、家族間、他人との関わりもあじけないものになっている気がします。これも丁寧語があまり使われなくなったことからくることなのでしょうか.....

  • 改めて読んでみて、恐ろしく読みやすい
    スラスラというよりも、スルスルと行った感覚で読んでしまう
    読んでいて不思議な感覚
    詩を読んでいるよう

    しかし、内容が薄いと言うことは全くなく、思わずハッとして読み返してしまう
    まさに読ませる文学

    あとこの本の装丁めっちゃ好き

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著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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