- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041099155
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
表題作の「女生徒」が一番好き。主人公の少女が何かするたびにあれこれ考え事をする。クルクルと考えていることが目まぐるしく変わっていくところは、思春期だった頃の自分と重なって共感した。たまに考えているうちにどんどん脱線していって、どうしてこれを考えているのかわからなくなったり。でも、そんな時間が楽しかったりしていた。
「貨幣」は女性の百円紙幣の視点で語られていて、とても心温まる最後だった。貨幣に性別をつけるという発想はヨーロッパ系の言語の女性名詞、男性名詞からきているのかしら。
太宰治の文章は流れるようで、上品で美しいと思った。どんな年齢にも、性別でも、貨幣にさえなりきれる太宰には感心した。この時代の作品はどれもキラキラしている。 -
好きな感じだった
-
自分のなかの女性的な部分とこの短編集が共鳴してしまい。ずっと手元に置いて大切にしたいと感じてしまいました。「誰も知らぬ」という作品が1番好きです。
-
もっかさん
はじめまして。フォローありがとうございます。
太宰治の、「女生徒」は、最近再読したばかりでございます。新潮文庫の、短編集、「走れ...もっかさん
はじめまして。フォローありがとうございます。
太宰治の、「女生徒」は、最近再読したばかりでございます。新潮文庫の、短編集、「走れメロス」を読んでいるのですが、なかなか読み進まない。この本の中には、太宰作品の中で、一番好きな、「駆け込み訴え」が載せてあるので、レビューにあげたいのですが、とても難しいです。
これからどうぞよろしくお願いいたします!2021/01/09
-
-
10代の頃から幾度となく読み返してきたバイブル的作品。
「何故こんなにも私のことが分かるのだろう」この物語を愛するひとの多くがそう感じるのではないだろうか。
ひりつくような世界への鋭い眼差し。
この少女の心情は、同じ女性でも皆が皆もっている感覚でもない気がする。
有明淑という女学生の日記が元になってはいるけれど、男性である太宰治が、この感性を物語へと立ち上げようとしたことがやっぱりもの凄いことだと思う。気高い美意識に支えられた硬派な乙女小説だと思います。
"それよりも、この空は、美しい。このお空には、私うまれてはじめて頭を下げたいのです。" -
生まれては消えていく日常の瞬間瞬間の儚い思考の物語。
-
燈籠
女生徒
葉桜と魔笛
皮膚と心
誰も知らぬ
きりぎりす
千代女
恥
待つ
十二月八日
雪の夜の話
貨幣
おさん
饗応夫人 -
太宰治の書く女の心の描写、わかる、、となってしまう