キッチン (角川文庫 よ 11-8)

著者 :
  • KADOKAWA
3.84
  • (2435)
  • (2222)
  • (3067)
  • (244)
  • (55)
本棚登録 : 22952
感想 : 2181
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 衝撃的な本を読んだ時、すごい本を読んだなぁと思う。
    一つ一つの言葉を読み進めていくことが勿体無くて、言葉を丁寧になぞっていくような気持ちになる。
    ときどき自分にはまだわからない感情が表現されていて、いつかこの感情を覚えて、またこの本を読んだ時、書かれた表現そのままに痛感することがあるのかなと希望になったりする。

    この本を読んでそう感じた

  • 最近本書のことが話題になったのですが、流行った当時に読んだものの印象しか覚えておらず、内容はすっかり忘れていたので再読してみました。
    何十年も前なのに、印象は当時と変わらず、やっぱり私とは合わない作家さんだと再認識しました。
    (当時ものすごく流行っていたので何冊か読んだのですが、どれもダメだった・・・)

    優しくて美しい物語だとは思うのですが、セリフの言い回しが好みではないし、登場人物もみな少しづつ浮世離れして感じます。
    それどころか、なぜか生身の人間ぽくなくて作り物のような薄っぺらさを感じてしまうんですよね・・・
    世界数十か国で訳本が出版されているというし、今でも新作は平積みになった話題になる方なので、この違和感は相性が合わないとしか言いようがない。

    でもあの時代に、父親が、亡くなった母親役として女として生きることにしたり(整形までして!)、弟が、亡くなった恋人のセーラー服を着て登校したり、トランスジェンダーの先駆けの設定だということには感心しました。やっぱり違和感はあるのだけどさ。

  • この小説に出会ったことで、僕の生活に読書が根付いた。

  • ずっーと読みたいと思っていた吉本ばななさんのキッチン。
    結構前の本だから時代背景とかで入り込めないかもと思ったけど、全くそんな事無かった。

    文庫版あとがきの『そののちのこと』は吉本ばななさんの気持ちが書かれていて、この本が売れ過ぎて息苦しくなってしまった事。当時は色々思うことがあって苦悩したんだろうなぁと思った。

  • 思春期と大人、少女と大人の狭間
    変わってると言われたことのある子の心理がとても繊細だけどわかりやすく描かれていて共感できる気がした。

    飾ってない言葉にする前の感覚のようなものが、丁寧というか形にならないふわっとしたものとして表せられているような、でもそんなに力んで表現されていないナチュラルな伝え方で書かれている。

    読んでいてしんどくならない。
    むしろ読み急いでしまうほど。
    この著者のことをどこかで指している気がして、書いている人のことも知りたくなるし、他の作品の書かれ方も見てみたくなった。

     

  • ムーンライトシャドウは特に良かった。映画化されているようなので観てみたい。

  • 実は一度も読んだことなかった。

    これがデビュー作とはおそろしい。

    ムーンライト・シャドウは、胸がキュッとなった。
    大切な人や物を失い、それを乗り越えていく姿がとても美しかった。

  • ひとりぼっちではあるがひとりではない あたたかな場所はきっとどこでもつくれる そんな気がした

  • ずっと積読だったけど、今が読む時だったと思う。身近な人を亡くしてから読んだ本の中で1番刺さった。涙が止まらなかった。救われた。読んで本当に良かった。

  • 人生で1番、大好きな本です。
    星100個。

  • 自分の感受性の強さは嫌いだったし、今でも好きではない。大切な人、大切なもの、大切な時間が増えるたびにそれらを失ってしまう悲しみを想像して、いっそのこと大切、だなんていらないと思ってしまう。でも、少しだけ、ほんの少しだけ工夫して、自分の思うように生きていくこともできるのかもしれない。また読みに来よう

  • これ読んでたら夜の1時なのにとんかつ食べたくなってファミマに駆け込んだ。
    文章の一つ一つの言い回しが美しいです。

  • 私はばななさんがだ〜いすきで、本屋さん・古本屋さん・図書館に行くとダッシュで「や・ゆ・よ」のよ!を探し出して本を眺めます。

    そんな私ですが、キッチン、中学生の時に読んだぶりで内容が思い出せないくらいになっていました、ついに悔しくて本屋さんで購入、読み進めていくと記憶が蘇り「次はこう!次はこのシーン!」としゃぼん玉のように思い出していきました、初めての体験でとってもおもしろかった〜。

    読了後は、こんなに重たくずしずしと胸に残る作品なんだと、代表作なのも頷けると感じ いままで内容を忘れかけていた自分を叱責したくなる、そんな気分でした。

  • 再読。時を経て色あせるどころか、昔はピンとこなかった良さにあらためて気づく。それが名作というものなんだろうなぁ。

  • 大切な人を亡くしたとき、悲しみを共に分かち合える人がいたらいいなと思った。恋愛感情とはっきり言える関係ではなくて、手を伸ばせば、そこにいて、静かに見守ってくれる関係が心地いいなと思った。

  • 絶対にかなり昔に読んだはずだけど思い出せず再読しました。

    やはり呼吸をするようにストレスなく読める作家さんです。やっぱり同性の作家さんの作品は共感性が高くなるので読みやすい。

    ストーリーは次々と身近な死者が出るので非現実感は否めませんが、ゆっくりと恋に進んでゆく心情やそれを取り囲む風景はわかりみが深いです。

    派手さはないけど、静かで細やかな雰囲気がとても好きな作品です。

    4.2

  • 死と生との向き合い方を考えさせられました。
    こんなにも悲しくて温かく、ゆっくりと心に染み渡る物語は初めてでした。
    読後に今まで感じたことのない気持ちになったのも印象的です。心の拠り所にしたい一冊です。

    きっと年齢や状況によって、感想は変わってくるのだろうなと思います。
    ただ、人生の折にカツ丼を食べたくなることは変わらないと思いました。

  • その記憶の光る印象がわずかでも彼を救うといいと願う。ここのフレーズ、その記憶の光る印象っていう言い回しが好き

  • すごく素直で、経験したことは無いけど分かりそうな気がして……引き込まれた。



    ○phrase
    ・言葉はいつでもあからさますぎて、そういうかすかな光の大切さを全て消してしまう。
    ・私は彼女の早とちりも、恋にだらしないことも、昔は営業マンで、仕事についていけなかったことも、みんな知っているけれども……今の涙の美しさはちょっと忘がたい。人の心には宝石があると思わせる。
    ・ああ、月がとてもきれい。
    ・本当のいい思い出はいつも生きて光る。時間がたつ事に切なく息づく
    ・人との間にとったスタンスを決して崩さないくせに、反射的に新設が口をついて出るこの冷たさと、素直さに私はいつでも透明な気持ちになった。
    ・彼女は私の心に虹を見せた。

  • 兄に借りて読んだけど好みだった
    なんだか心が浄化される感じだった

全2181件中 81 - 100件を表示

著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉本ばななの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×