犬の力 下 (角川文庫 ウ 16-5)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年8月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042823056
感想・レビュー・書評
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登場人物が多く名前を覚えるのが大変なので、とっつきにくい。が、上巻のラストに待ち受ける残酷なシーンから盛り上がり、下巻はもっと読みたいが、終わって欲しくないという矛盾した読書体験。大傑作。
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5月20日読了。「犬の力」とは……(訳者あとがきより抜粋して引用)……人倫を踏み外した行為。人心の奥底にひそむ凶悪な牙。悪であり、その悪と戦うためのちから、武器。
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上巻で読むのをあきらめるな、すべては下巻で繋がり、もつれ、そしてラストシーンに突入する。
壮大だ、こういう物語だったんだ。もう一度、登場人物と実際のニュースを整理して読みたい。 -
下巻に入ってから、用語や背景に慣れたのか一気に読めました。
暴力表現が苦手な人にはおすすめ出来ませんが、30年に及ぶ麻薬戦争を背景にした、登場人物達のドラマの展開は目が離せなくなる面白さです。 -
怒涛のクライムサスペンス!
前巻からの勢いもそのままに、圧倒的な筆力をみせつけられます。
大麻薬犯罪を描きながら、殺し屋や運び屋、マフィアをけして英雄の様には書かず、
しかし彼・彼女らの人間的な一面を描く、その技法に脱帽です。
主役はあくまで捜査官であるアートだと思うのだけど、
その他にもたくさんの魅力的な登場人物がいて、
メキシコやアメリカの経済事情にいかに麻薬が密接しているかを浮き彫りにしている作品。
ラストは私はある意味大団円だと思ったけれど、
おそらく読む人によっては意見が分かれると思う。
かなり骨太な作品であるため、未読の方は、覚悟して作品の世界に飛び込んで行って欲しいと思う。 -
たくさんの登場人物にエピソードと長すぎたような、しかし30年にも及ぶ麻薬戦争を描くには短すぎたような。
最後まで息もつかせぬハードな展開は素晴らしいスピード感と迫力でした。
国、政治、マフィアといった壮大な視点で捉えるよりも主人公の執念深い私闘として楽しめました。 -
後半もまったくテンションが落ちない。どんどん物語は加速し、謎がまた新たな謎を呼ぶ。複雑に張り巡らされた伏線と、誰が味方か分からない裏切りの連続。魅力的なキャラクターが多くてどのエピソードも面白い。読み終えるのが勿体ないほど楽しませてくれる。
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下巻は一気に一日で読みきってしまった。それだけの物語の力がある。上巻からおよそ30年に渡るストーリーを、麻薬戦争や反共戦争などの政治的な事柄をつなぎとしながら見せきる腕はすごいです。しかし一方で拡大していくばかりの血と怒りと悲しみは読んでいて辛い。もちろんこの血みどろの争いの中に「犬の力」は潜んでいるんだけど。
正義も悪も関係なく闘い続ける男たちの物語である一方、ノーラという女性が翻弄されながらも強く生きていく物語でもあって、そこがすごく好きです。 -
メキシコの麻薬戦争は壮絶さを増し、その背後には超大国の思惑も……。もはや正義も悪もない血みどろの抗争が圧倒的筆力で描かれる。主人公たちが一人減り、二人減りしてゆくさまは、まさに怒涛の展開で最後まで目が離せない。
上・下巻で1000ページ超を一気読み。サイコー ♪