新選組興亡録 (角川文庫 し 3-52)

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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043671021

感想・レビュー・書評

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  • 司馬遼太郎目当てで読んだけど作家によって隊士のイメージ、性格が違うようで、興味深かった。

  • 司馬遼太郎・子母沢寛をはじめ、錚々たるメンバーが著した新選組に関する短編の傑作集。新選組の歴史になぞらえるように時系列で掲載されている。あまり物語の主人公としては上がってこない、芹沢鴨と共に殺害されたお梅や伊藤甲子太郎一派の佐野七五三之助(しめのすけ)の視点で描かれたものが珍しく、面白かった。

    なかでも、局長の近藤勇が下総流山で官軍に投降する日を描いた、子母沢寛の「流山の朝」はさすがといった感じだった。時勢がもはや近藤勇を近藤勇以外の者にしてはくれず、無名の田舎道場の主であった頃を懐かしみながら敗走を繰り返し、流山に至った。そして投降の朝にしてようやくしがらみから解かれ、かつてのありのままの自分を取り戻した安堵感を覚える描写が、逆にそれまでの新選組局長としての重責や葛藤や閉塞感といったものを色濃く物語っていて、ファンとしては胸が締め付けられるようだった。また投降の刻限が迫るほどに、諦めというか納得というか悟りというか、心が凪いで透明さを増していくような情景が美しくもあり悲愴であった。

  • 色々な作家さんの短編集。色々な土方歳三、近藤勇、沖田総司がいました。中には読みにくい作品もありましたが、すべておもしろかったです☆彡個人的には3章目の「降りしきる」の土方歳三がせつなくて良かった☆彡芹沢鴨や、清河八郎なども出てきて、興味深く読みました。幕末の動乱時代を、侍より侍らしく生き抜いた、土方歳三が大好きです☆彡イケメンだし(笑)

  • 司馬遼太郎、草森紳一が面白かった。
    シボサワはうーん、物足りない感じ

  •  読了。

     新撰組に関する短編を集めた歴史・時代アンソロジー。(司馬遼太郎/柴田錬三郎/北原亞以子/戸川幸夫/船山馨/直木三十五/国枝史郎/子母沢寛/草森紳一)
     正直、司馬遼太郎さんのお名前に惹かれて買ったようなものなのですが、他の作品もそれぞれ楽しめました。

     北原亞衣子さんの『降りしきる』がちょっと印象深かったです。芹沢鴨が強引に押し倒した結果、芹沢に惚れて屯所に通いつめるようになった商家の娘・お梅が、一方では土方歳三のことをずっと気にしていながらも、意地を張ってその気持ちを伝えられないでいるうちに、芹沢を暗殺するために部屋に押し入った土方に、斬られて死んでしまうという悲恋のお話です。
     現代女性の価値観で読むなら、身勝手な男たちにぷんすか怒るべきでしょうか。それとも芹沢鴨の女でありながら土方歳三に気持ちの向いている主人公に、気の多い女だなあとあきれるべきでしょうか。いまとは価値観の違う歴史ものの、それもフィクションの部分に、自分の尺度を当てる無粋よりも、素直に物語の情感を楽しむのが正解かなと思います。女の意地がいじらしいような、かわいそうなようなで、ええなあと思います。悲恋系のストーリーを読むなら、ファンタジーか歴史モノがいいです。現代女性の悲恋ものだと、なんだか必要以上に感情移入したり、即物的なツッコミを入れたくなりますので。

     うーん、それにしても、一時に色んな作者さんの近藤像・土方像・沖田像を並べて読むと、興味深いような、混乱するような、不思議な気分になります。やっぱりイメージがちょっとずつ違いますねえ。
     歴史小説って、ある程度のところまでは史実(資料や当時を生き延びた人の談話)に基づいて書かれているけれども、細部については結局のところ、作者さんの想像で補うしかないわけで、同じ出来事が、別の作家さんの手にかかるとまったく違う色合いを帯びて描写されるというのが、面白いような気がします。

     土方歳三の最期なんて、司馬遼太郎さんの名作『燃えよ剣』では、死に場所を求めて戦いに戦った挙句、敵に囲まれて馬上で射撃されるという、渋いけれども派手なシーンでして、それがいかにも、凄絶な男の死に様というふうで、もちろん悲しいシーンではあるのだけれども、痺れるようなカッコよさなんです。
     それが、このアンソロジーに収録されている草森紳一さんの『歳三の写真』では、敵情を探ろうと屋根の上で双眼鏡を覗いているところを、撃たれて屋根から転げ落ちたという、ちょっと間の抜けた構図で、最初に読んだほうのストーリーの印象が強いだけに、あれっという感じ。
     ……と、後者も、ほんとうに間抜けな感じに書いてあるわけじゃなくて、これはこれで、前段における土方と写真についてのエピソードが、時代のうねりと取り残された旧時代の価値観の対比が、哀愁を感じさせて、いいラストです。

  • 新撰組のアンソロジー。
    「雨夜の暗殺」、「甲州鎮撫隊」、「流山の朝」が好きです。

  • アンソロジーって言うんですか、色んな作家さんの短編集。当たり外れありますが、まずは司馬さんの話はとても良いです!総司が主人公。あと「降りしきる」って話も好きです。

  • 新選組をテーマとしたアンソロジー。作家の個性の違いをまざまざと感じた・・・位で特に良いわけでも無し。【所蔵】

  • 「降りしきる」が好き。

  • あたりはずれが少しありました。私は北原さんの「降りしきる」がとても好きです。今まで、新撰組の幹部三人の立場にたったお話ばかりを読んでいたため、違った視点の「新撰組」を見れてよかったです。

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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