- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043898046
作品紹介・あらすじ
『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる…。表題作はじめ、『空の中』『海の底』の番外編も収録した、男前でかわいい彼女たちの6つの恋。有川浩がおくる制服ラブコメシリーズ第1弾。
感想・レビュー・書評
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『〝クジラ〟強調月間始めました!』2
第2回は、有川浩さんの『クジラの彼』です。
2007年の作品で、陸海空自衛官に関わる6つの恋愛短編集です。「制服ラブコメシリーズ」第一弾で、番外編として「自衛隊三部作」の『海の底』から2編、『空の中』から1編入っているとのこと…。
「いやぁ、やっぱり有川さんは昔から有川さんですねぇ(?)」「キュンですぅ。萌えますぅ」「ハイ、妄想いただきましたぁ」と、多くの声が聞こえてきそうです。
潜水艦をクジラと喩えた「クジラの彼」だけでも十分に楽しめましたが、6篇全ての設定が絶妙で、良質な独立した短編です。
文字通り、恋愛の中にコメディー要素があり、胸キュンと愉快さが有川さんらしいのですが、単なる甘ったるいラブコメではなく、自衛官の仕事の厳しさ、そこで働く方々の覚悟・矜持(カッコいいんだなぁ、これが)なども取り込み、物語に深みを与えてくれています。
明日への希望と浪漫を与えてくれる、万人へおすすめできる一冊です。 -
表題作「クジラの彼」を含む全6篇の短篇
私達の知りえない自衛隊の仕事や恋愛の話がわかりやすく描かれている
自衛隊という厳しい職業でありながら女性というギャップ、男勝りな性格だけど恋愛に関しては一途で女性らしい面を持ち合わせていたり
そんな甘い恋愛物語 -
表題にもある潜水艦乗りとの恋愛を描いた「クジラの彼」をはじめとする恋愛短編小説です。
おじさんが読んでもこんな恋愛いいなぁと思う素敵なお話が満載です。オススメ! -
有川浩ならではの自衛隊もののラブコメ短編集。
プロ意識と切ない思いがせめぎ合う展開~甘い満足感にひたれます。
「クジラの彼」
「海の底」の番外編。冬原の彼女の視点で、潜水艦乗りの恋人になるとめったにメールすら来ないという付き合い。
時には辛くなるけど‥?
「ロールアウト」
航空設計士の女性が自衛隊機を見ての困惑と努力。
経費節減のためトイレの場所をどう作るか?そんな悩みから出合うこともあるのです。
「国防レンアイ」
陸上自衛隊の女性隊員はなかなか恋愛に恵まれない。
自衛隊仲間とは転勤で終わり、民間の男性には偏見を持たれ‥
いや身近に良い男がいるんですよ。
「有能な彼女」
「海の底』の番外編。夏木の場合は?
「脱柵エレジー」
自衛隊では隊員が脱走することを脱柵と呼ぶんですね。恋人にせがまれて、自らも経験した人物が、新人を指導する立場に。
「ファイターパイロットの君」
「空の中」の番外編。
パイロットの女性が結婚したが、その生活は‥?
取材を生かして専門的な問題をさまざま取り入れた展開。
男前な彼女達とがっつり組むお似合いの男達。
持って行き方が上手いです☆ -
【注意】この1冊は、自衛隊シリーズ3冊を読んだ後にお読み下さい。
お互い、相手を大事に思うが故に擦れ違い揺れ動く心。
でも、それを有川浩さんの絶妙な描写で、見事にハッピーエンドに導く。そんなラブストーリーが6編。
それにしても、なかなかどぎつい表現が随所にあるよねぇ。
『(自衛隊では)ぶっちゃけ穴さえ開いてりゃ女神である』
とか。でも、話の流れで、極めて自然なんだよね。 -
一回、図書館で借りで読んでみました。
その時は、単行本でしたが…。
そして、表紙がとても綺麗なことが印象的で文庫本を買いました。
クジラの彼も凄く好きですが、ロールアウト!が好きですね。
内容が、トイレについての話だったので初めは驚きましたが読み返すにつれて「なるほど・・・」と考えさせられる点がいくつかありました。
クジラの彼は、≪海の底≫の続きで、有能な彼女も海の底の夏木さんと望ちゃんの後の話です。
そして、ファイターパイロットの君。この為に、買ったようなものです。
親となった、≪空の中≫の高巳さんと光稀のその後ですね。
先に、≪空の中≫ ≪海の底≫を読むことをお勧めします。
単行本と文庫本の表紙が少し違って素敵だなあ・・・、と思いました。 -
「いい年した大人がベタ甘ラブロマ好きで何が悪い!」とは、俺の事?と思ったら、有川さんの言葉でした。
まったくもって、有川さんには参る。恋愛物なんぞ、今さら読んでも・・・と思ってたオジサンの気持ちをあっり覆した自衛隊3部作や、図書館戦争シリーズ。俺、ベタ甘に飢えてんのか?(ココは突っ込まず、スルーして)
自分の風体から、「有川さんのベタ甘、好きなんだよね」とは間違っても会社では言えませんが・・・
国防ラブコメの短編集です。
自衛隊3部作「空の中」のその後、
高巳と光稀がどうなったのか!を描いた1編、「ファイターパイロットの君」
同じく「海の底」のその後、
夏木と望は?を描いた「有能な彼女」
えっ、じゃあ冬原は?を描いた「クジラの彼」
が収録されています。
他3編も、どれも長編にして欲しいと思える国防ラブコメ短編です。
「ロールアウト」とか、
「国防レンアイ」とか、
「脱柵エレジー」とか、
特にいいですね。(全部だべ!)
国防と言う「堅く厳しい環境」と恋愛の「緩く曖昧な感覚」のさじ加減が絶妙なんでしょうね。
期待通りのおもしろさでした。
(と感じていたら、文庫版の解説で同じような事が書かれていました。同じ感覚だったので、かなり嬉しい)
さて、いよいよ有川さんの自衛隊物を読みつくしてしまった・・・と思った所、続編に当たる「ラブコメ今昔」が存在するらしい。
http://booklog.jp/item/1/404100330X
「国防ラブコメ」をもう少し味わうことが出来そうです。
ウシシ!
自衛隊3部作の第1部「塩の街」のレビューはココ
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898037
第2部「空の中」のレビューはココ
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898010
第3部「海の底」のレビューはココ
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4043898029
3部作とは別な、「国防ラブコメ」最新刊の「空飛ぶ広報室」のレビューはココ
http://booklog.jp/users/kickarm/archives/1/4344022173 -
こんなに一気読みしたのは久しぶりかもしれない。
特に表題作の「クジラの彼」で冬原のかっこよさに痺れた。
さすが有川先生。
きゅんきゅんが止まりません。-
2023/01/26
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陸上、海上、航空自衛官の、それぞれの恋愛模様が描かれた作品。国防という、普通の会社員とは違った仕事に従事しているだけあって、自衛官たちの恋愛事情はなかなか複雑だ。また、自衛官と付き合う側もかなりの根気と覚悟が必要になってくる。そんな彼らのひたむきな恋愛模様に、心を動かされることは間違いないだろう。さらに今作には有川浩さんの他作品である『空の中』、『海の底』の番外編も収録されていて、既読の読者にとっては懐かしく感慨深いものとなっている。
著者プロフィール
有川浩の作品






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いつも、いいね、ありがとうございます。
私も、最近のクジラブーム気になっていました。先を越された感じです。先日、...
いつも、いいね、ありがとうございます。
私も、最近のクジラブーム気になっていました。先を越された感じです。先日、一頭読みましたし。
いつも、素敵なレビューを書かれていて、本がお好きなんだなと。
また、本棚参考にさせて頂きます。
コメントありがとうございます。
独断のクジラ強化月間も、徹底追究する気はなく、ゆる〜い感じで進めたいと思ってい...
コメントありがとうございます。
独断のクジラ強化月間も、徹底追究する気はなく、ゆる〜い感じで進めたいと思っています。
なにせ、くじらと言っても、学術書や絵本、作家さんのお名前に入っていたりと、キリがない状況になるのが目に見えているので…。
ああ、また別の読みたい本が溜まります。
自分で自分の首を絞めているようですが、自ら楽しんでできたら、と思っています。
今後ともよろしくお願いします。