遠まわりする雛 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 9817
感想 : 640
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044271046

感想・レビュー・書評

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  • このシリーズはどれも学園ドラマの
    平凡でありながら誰しもが懐古する甘酸っぱさやほろ苦さが描かれていて
    とても好きなのだが
    この巻も非常に好き。

    全てのエピソードが流れて繋がっていく感じと
    タイトルの付け方が秀逸だと思う。
    生き雛が遠回りをして行列を作った、ということは勿論のこと
    まだ若い彼らが遠回りしつつも前に進んでいく様を感じ
    爽やかな感動が得られる作品だと思う。

  • 古典部シリーズは短編の方が似合う様な。

    今回も物悲しいとは言わないまでもちょっとひっかかる終わり方をする話しが何編かあった。
    苦みとは言わずかといって酸味でもなし全く以て奇妙な後味。
    珍しく大人の登場する話があった。シリーズを通して大人があまり出てこない気がするが、何か意図があるのだろうか。
    私、気になります。

  • ”こだわらないことだけにこだわる”里志悟りの境地

  • 遠回りする雛、特に謎という謎はなかったけれど短編の中で一番よかった。千反田の地元に対する思いで泣きそうになった。最後のもう春という言い回しは上手いなぁと思った。

  • 短編集のためか、一つ一つ区切りながら読んでしまって思いのほか読み終わるまでに時間がかかってしまった。アニメにも登場したエピソードがほとんどですが、「手作りチョコレート事件」では、まさに青春群像劇の名のとおりのほろ苦さを感じながら、最後の「遠回りする雛」で見せる千反田さんの凛とした決意に胸を打たれます。いつか奉太郎が言えなかった台詞を言えるときは来るのだろうか。

  • 一大イベントが終わって、幕間的な要素を含んだ短編集かと思っていましたが、そうじゃなかった。今までは事件が軸だったのに対して、この短編集は4人の距離や心情の移り変わりが軸として描かれていました。この短編集を4巻目に持ってきたのはお見事。粋な演出でした。
    先を行く女の子に戸惑う男の子。頑張れというか、見守りたくなります。

  • 短編集。
    最初はいまいちなのかと思いましたが、最後の2つのお話がとても良かったです。
    特にタイトルになっている「遠まわりする雛」はとても素敵でした。

  • 九マイルは遠すぎるゲームの「心あたりのあるものは」など、ミステリ愛にあふれた短編集。氷菓事件、女帝事件、十文字事件の合間やその後の話を描いており、古典部の関係性の変化を堪能できる。表題作は謎解きは淡泊だが、美しい話だった。恋愛要素が絡むのは青春という感じで嬉しい。折木自身もまた変化の中にあり、薔薇色に近づいている印象がある。

  • ああ、アニメでちょこちょこ入ってくる細かいネタはコレ由来だったのかと納得。というよりも、全体として一貫した時間軸にエピソードを並べてアニメ化しているってことね。
    朴念仁が恋心みたいなものを自覚するまでのお話、というか何というか。
    どこまでも薄味にね。高校生の心情なんて、もっと極端から極端に振れるものだと思うのだが、それやってるのは4人のうち一人だけ、ってのは、むしろリアリティがあるのかないのか、サンプルが少なすぎてなんとも分からないね。まあ、神ならぬ身が感じるリアリティなんてそんなモノですか。

  • 古典部シリーズの短編集。

    すでにアニメで放送されたものもあったり、クドリャフカの順番後の話もあったり・・・
    表題作の遠回りする雛おもしろかったです。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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