- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784044271046
作品紹介・あらすじ
省エネをモットーとする折木奉太郎は"古典部"部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理する-。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか"古典部"を過ぎゆく1年を描いた全7編。
感想・レビュー・書評
-
古典部の1年を描いた短編集。
男の子ってずるいよね。
奉太郎にしても里志にしても、プライドみたいな哲学みたいなものが厚い壁となって自分の前に立ちはだかってる。そして、それを乗り越えるべきではないと思ってる。これが青春なのか。
えるや摩耶花のほうが先に大人になるんだよ、きっと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
古典部シリーズ4作目。
7つからなる短編集。
1年間にあった今までの事件以外が描かれています。
なんだかんだ折木はいろいろなことをやっている感じ。
みんあなどうなっていくのでしょう。 -
古典部四作目。奉太郎とえる、里志と摩耶花の関係性が季節の流れとともに変化をみせる短編集。恋愛の話が好きな人は楽しめる。私はなんとなく全員の思考回路に現実感がなく、共感が薄かった印象。いつもの日常の謎なんだけど、ミステリとしてあまり唸るエピソードはなし。
-
【再読】何回読み返しただろうか。このシリーズ、生産性のなさそうな会話が大好きなんだよなぁ。淡々としてるのに面白い。あと、それぞれの章の名前も好き。"あきましておめでとう"は、そういうことか!という大きな驚きじゃないけど、ちょっと笑ってしまう、好き。
-
「古典部シリーズ」第4弾。
『氷菓』から始まって、前作の『クドリャフカの順番』で文化祭も終了し、“文集”にまつわるお話も一旦、区切りがついたということでしょうか。
今回は、春までさかのぼり、『氷菓』『愚者のエンドロール』『クドリャフカの順番』の間を縫う出来事や、文化祭終了後のエピソードも拾って、また春までの一年間を、短編で描いています。
毎回、奉太郎の、人生哲学と言うか、人間心理の観察と言うか分析と言うか…とにかくこのくらいの年齢の知能の高い文系男子にありがちの、回りくどい(笑)モノローグからスタートします。
中学からの友人である里志との、牽制し合い研鑽しあう、男同士の友情と…そして、苦手→気になる→信頼(?)、いいかんじ?…と変化していく、千反田えるとの日々が描かれています。
「やるべきことなら手短に」
春、部活動の勧誘ポスターで掲示板は花盛り。
正体の分らない海賊版メモを追え!
近道したつもりが回り道?
「大罪を犯す」
いやいや、大罪を犯すところだった。
自分の大罪は“怠惰”が似合っている、とうそぶく奉太郎。
「正体見たり」
一人っ子の千反田は、きょうだいというものに、ほとんど幻想とも言っていい憧れを抱いている。
温泉合宿で、奉太郎、湯あたりする。
「心あたりのある者は」
えっと、瓢箪から駒?
韜晦する奉太郎。
「あきましておめでとう」
ドキドキエピソードと、友人の機転。
「手作りチョコレート事件」
キャッチボールで隠し玉?
トムとジェリーみたいな、里志と摩耶花の関係。
「遠まわりする雛」
バレンタインの事件で、人間は心の中でどう考えているのか分らないものだと考察していた奉太郎だが、千反田と出会ってそろそろ一年、彼女の置かれた“旧家の跡継ぎ”としての立場と、濁りのない人格をだんだんと理解していく。 -
題になっている、『遠まわりする雛』のラスト2ページが気になって仕方ない・・・。
-
「しかし、どうしたことか。言おうと思っているのに、その実、ぜんぜん言える気がしないのだ。こんなことは初めてだった。そして、初めての経験は、これまで解き得なかった疑問を解く大いなる鍵となる。」(「遠まわりする雛」より)
古典部たちの1年が7つの短編に分かれて登場。
物語の中で、関係性が少しずつ、少しずつ変化していくさまが愛おしい。
当然ながら春では、全くお互いどんな人間なのか手探り状態だったものが、夏、秋、と季節を経るごとに人となりが分かってきてだからこそ気づくこともある。ということが、短編を通してよくわかる。
その様子が、いじらしくてとてもいいのだ。
特に、最後の表題作は、にんまりしてしまった。
とても良かった。
「やるべきことなら手短に」
「大罪を犯す」
「正体見たり」
「心あたりのある者は」
「あきましておめでとう」
「手作りチョコレート事件」
「遠まわりする雛」
【9/17読了・初読・市立図書館】 -
里志とホータローの心情も少しだけ垣間見ることができて青春。ただ、里志の心の内は私には難しく、真意が掴めず・・このあたりは、また日をわ改めて読み返してみよう。第三弾までより仲間内での謎解きなので、日頃からそんなに謎解きしているなんて、そういう性分なんだな・・
どれも題名がねじれてなくて、読みながらスンッと入って来るので好きです。
ホータローは、大人との社交経験無いと言っていたけど、あんな立派に挨拶できれば充分よっ。 -
「心あたりのある者は」が大変好きです。
それにしても里志面倒くさいよ里志。
そして理屈が良く分からない。こだわらないことにこだわってる時点で破綻しているような気がするけどどうなのかしら。
折木さんと千反田さんは遠回りしすぎて一足飛びになってる。恋愛どうこうの前にそれ口に出してたらプロポーズじゃん。
著者プロフィール
米澤穂信の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。





