ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046044990

感想・レビュー・書評

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  • 先生とお話してるように伝わってくる本。
    認知症患者さんも、あらためて1人の人間だと痛感した。もっとネガティブな本だと思ったけどここまでポジティブなのは、先生が達観しておられるからか、それとも「認知症は悪い病気じゃない」というメッセージなのか…。

  • 認知症になったからと言って突然何かが変わるのではなく、あくまでも昨日から今日へと続いた日々、人生を送っている。認知症自体は存在していたけど、世間できちんと認識されて措置が取られるべきとなったのは意外と最近のことだった。高齢化社会でたくさんの課題はあるにせよ、みんなが不安なく平和に笑顔で過ごしていきたいと改めて思う。

    認知症は暮らしの障害
    時間を差し上げる
    相手の目線
    人としての尊厳

  • 認知症専門医が認知症になり、自分の変化を綴る。認知症が痴呆と呼ばれ、患者は放置や隔離されていた時代から現代までどのように変化していったのかの話は勉強になった

    自分の状態も患者を診るかのように冷静に観察している

    認知症は治らない
    でも投薬や適切な環境次第で進行を緩やかにはできる。というかそれしか出来ることがないのが現状なのか

    祖父母が受けた認知機能のテストは改訂版長谷川式スケールだったと知る
    長谷川先生は本当に偉大な方だったんだなと思う

  • 教科書で何度も出てきた長谷川式スケールを作った人の本を読めてよかった。
    自分の祖母が認知症になりこのスケールを受けた。その後病気で亡くなった。私は介護福祉士として働いているが祖母に何もしてあげることができなかった。何かしてあげていれば孫だけでなく息子や娘の顔も分からなくなるほど認知症は進まなかったのか。そもそもしてあげられることはあったのか不安の中なくなってしまったのではないか悶々と考えることがあった。
    この本が読めてよかった。自己満足かもしれないけどおばあちゃんは苦しいばかりじゃなかったように考えられるようになった。

  • 私の祖母も認知症である。その判定時にちょうどこの本に書いてあったアセスメントを受けた記憶がある。それがこの著者が作り出した長谷川式スケールだったことをこの本を読んで初めて知った。

    この本の中で一貫して述べられていたことは、何ら難しいことではなかった。認知症の人を別の生き物扱いする人がいるが、認知症であっても当人に尊厳があることを認識し、1人の人間として接して欲しいということだった。「やさしくおだやかに 待つそして聴くこと その人らしさを大切に」長谷川先生の言葉である。

    よくよく考えてみれば人と接する上で当たり前のことである。認知症になったからといって急に人格が変わったり、その人がその人でなくなってしまうわけではない。症状にはグラデーションがあり、本人でさえもその変化に戸惑い、不安を感じる。今どこなのかいつなのかどういう状態にあるのか、それがわからない本人が一番不安なのである。

    といっても本人と親しい間柄にあった人間からすれば、自分のことを忘れられたりするのはなかなか堪えることなのだろう。認知症をもつ人の家族におけるエピソードで、その人の孫たちが「おじいちゃんはわからないかもしれないけど、私たちはおじいちゃんのことをよく知っている人だから安心して」と声をかけたというものがあったが、果たして自分はそうやって優しく声をかけられるのか。ゆっくりと時間をかけて考えていきたいと思わされた。

  • 認知症の症状が1日のなかで強まったり弱まったりする場合もあり、人それぞれの症状がある。長生きすれば自分もいつかは認知症になる。

    認知症の人への接し方
    シンプルな内容を話す。
    目線合わせる。
    何をしたいか何がしたくないかを聞く。つまり、しっかりコミュニケーショを取る。
    役割を奪わない。

    認知症になって少しずつ認知、感情が衰えてゆき、最後には脳の深くにある最もその人らしい領域だけになる。喜怒哀楽は簡単には消えない!

    認知症が死への恐怖を和らげてくれる!
    今を大事に♡

    The person comes first

  • 認知症ではないが、持病がある自分としては、健常者と同じように扱ってもらうありがたさが身に染みてよく分かる。自分がもし認知症になったら読み返してみたい。

  • 認知症のスケールを作った方が認知症になったことで知り得た事をたどってくれている本。私はお年寄りが大好きなのでジャケ買いで読み始めました。認知症は奥深く理解する事で認知を高めて行けると優しい気持ちで接する事が出来ます。

  • 「認知症の本質は、暮らしの障害」それをいかにサポートしていくか。

  • 認知症専門医が自らも認知症になって思うことが書かれている本は貴重だと思う。
    認知症の原因は加齢。認知症は特別な病気ではなくこの長寿社会では誰でも普通になることなんだとこの本を読んで思いました。老化に伴う認知症はありのままを受け止め、自分らしく生きることができるよう周りが認知症を理解し、社会もその環境を整えることが大切だと思った。
    この本で、いくつか心に残る印象的な言葉がある。
    認知症の人の話をよく聴くこと、それは待つこと。それは時間を差し上げるということ。
    覚えておきたいと思います。

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著者プロフィール

1929年愛知県生まれ。53年、東京慈恵会医科大学卒業。74年、「長谷川式簡易知能評価スケール」を公表(改訂版は91年公表)。89年、日本で初の国際老年精神医学会を開催。2004年、「痴呆」から「認知症」に用語を変更した厚生労働省の検討会の委員。「パーソン・センタード・ケア」を普及し、ケアの第一人者としても知られる。現在、認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長、聖マリアンナ医大名誉教授。認知症を描いた絵本『だいじょうぶだよ――ぼくのおばあちゃん――』(ぱーそん書房)の作者でもある。

「2019年 『ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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